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2019年08月27日07:53

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名前のセンス・・・

レトロゲーをクリアしてみようのコーナー。

今回プレイしたのはファミコンソフト「貝獣物語」です。
ナムコから発売されたRPGですね。

このソフトは、RPGながらも「フィギュアとマップ+αがついている」という、前代未聞の商品でした。
しかもそのフィギュアとマップ、実際にゲームに使用します。
(なくてもゲームはできますが)

・ストーリー
ある世界(確かその世界の名前自体は紹介されていないはず)にて、百年前に封印された魔王ファットバジャーが復活した。
その魔王を再び封印するため、百年前と同じように四人の「貝の勇者」が選ばれた。
水の貝の勇者ポヨン、大気の貝の勇者クピクピ、大地の貝の勇者バブ。
そして火の貝の勇者である「あなた」。
この世界へと召喚された「あなた」は、他の勇者たちと協力し、ファットバジャーの打倒を目指す。

つまり異世界転生勇者のストーリーです。
シナリオの流れとしては、レベル上げと装備のバージョンアップを繰り返しながら仲間を集め、魔王の城に乗り込んでファットバジャーを倒すという、王道RPGです。

・独特のシステム
このゲームの最大の特徴が「四人の勇者を好きなように動かせる」部分でしょう。
まず、四人の勇者は、北西、南西、北東、南東の端っこにいます。
これを「パス」というコマンドを使うことによって、いつでも、好きな時に操作キャラを変更できるのです。
最初は火の勇者である「あなた」から始まりますが、極端な話、最初の王様の話を聞いた直後に「パス」して、次の勇者をスタートさせることも可能。
誰が、どこにいるかは「パス」した時点にちゃんと残っており、他の勇者で会いに行くことで合流できます。
そして、いつでも「別れる」ことも可能。
この自由度の高さが、本作最大の魅力でしょう。

RPGは、最初の30分〜1時間が一番面白いと言われています。
個人的には、最初の数レベルアップまでの間ですね。
やっぱり、新しいキャラが、冒険の第一歩を踏み出す。
その新鮮さ、ワクワクさにこそ、面白さがぎゅっと詰まっているのです。
それを、4回も味わえる。
もちろん同じゲーム内でのことなので、すべてまっさらな感動というわけではないですが、やはりそれぞれが準備をし、旅立ち、力を蓄えていく。
そしていずれ合流し、力を合わせて敵を倒す。
シンプルで、熱いストーリーです。

また、例えばちょっと強引に次のエリアや深いダンジョンに進んでしまい、進むことも戻ることもできなくなった仲間を、他の仲間が助けに向かう、という展開もありえます。
熱い。

反対に、四人のうち、ひいきのキャラだけでガンガン進んで、他の三人は待っているだけ、という展開も可能です。
(クリアするためには四人の合流は必須なので、無視することは不可能)

ここで登場するのがフィギュアとマップ。
このゲームでは、コマンドによって現在地を「座標」で知ることができます。
(A1とか、E3とか)
これを、付属の地図と照らし合わせることで、そのキャラがどこにいるかを知ることができます。
マップはかなりきれいで、まだ見ぬ場所をなんとなく推測することも可能。
というか、町の人の情報もそうやって地図と照らし合わせないと、分かりにくいものがいくつかあります。
妖精の泉とか。

・問題点
さて、非常に魅力的なシステムを持っている本作ですが、あるバグによって、キャラの魅力を大きく削っています。
それは「プレイヤー側の攻撃魔法がほぼ役立たず」というとんでもないバグ。

本来、このゲームの攻撃魔法は「基礎威力プラス、地空海それぞれの威力修正」によって算出されるようです。
そしてその基本威力とは「そのキャラの物理攻撃力の9割程度」になっている模様。
(武器を強化すると魔法の威力も上がるという、一風変わった設定)

ところが、バグによって、この「地海空それぞれの威力修正」部分が、まったくプラスされていないのです。
仲間のうち、誰が、どの攻撃魔法を使っても、自分が殴るよりも弱い威力しか出せない。
全体攻撃魔法なら、いちおう「全員を殴る」程度の効果は期待できますが、消費MPがでかいので、それに見合った効果とは言えないでしょう。

このバグの煽りをモロに食らっているのが、魔法使いポジションのバブ。
彼の存在価値が、かなり薄れてしまって「メンバーで最も非力で、少しの補助魔法が使えるやつ」程度しか役に立たない悲しいキャラになってしまっています。
とはいえ、どのキャラも、出発地点からその周辺くらいなら一人旅できるようにはバランス調整がされているので「クソゲーになりえるほどの壊滅的なバグ」でもないのが救い・・・

・涙の密書がクリアにほぼ必須
古いゲームなのでネタバレしてしまいますが、涙の密書とは「ラストダンジョンの地図」です。
ゲーム中で「涙の密書をもらう」イベントがあり(ゲーム内でのアイテムとしては存在しない)、ちゃんとそれを見てラスダンに挑め、という流れになります。

で、それが何かというと、ラストダンジョンの破壊できる壁がどれかを示すヒントであるということ。
ラストダンジョンは巨大な城で、随所に壊したり、敵として倒せたりする壁があります。
しかしゲーム内ではまったく見えない。
涙の密書と照らし合わせて、怪しいところを調べていく仕組みです。

なので、涙の密書が手元にないと「ラストダンジョンすべての壁を総当たりで調べる」という、苦行以外の何物でもない仕掛けに挑む羽目になってしまいます。
現在、このソフトを完品状態で入手するのは困難であり、もはやネット情報で何とかするしかないという身もふたもない状況ですが・・・

・戦闘バランスについて
4箇所から、それぞれ勇者が旅立つというシステムなので、どういうバランスを組んでいるかと思ったが、大陸周辺が弱い敵、中央に近づくほど強い敵というバランスは面白いと思いました。(魔王の城はほぼど真ん中)
周辺の海も強い敵が出ますが、船に乗れるのは中盤あたりからなので妥当な強さ。
いい感じだと思います。

ただ、ラストダンジョンの中だけは、かなり敵が強く、普通に攻略していると大変です。
攻略には「ヤドカリ戦法」と呼ばれる、仕様を利用したテクニックが必要。
なくても多分、何とかなるかもしれませんが、かなりのレベリングがいる・・・

・シナリオ面での残念な点
一風変わったファンタジー世界という感じな世界観。
しかし、後半で「輸送機」なるものが登場。
ここだけ、違和感バリバリでした。
どう考えても、現代における空輸という意味での「輸送機」です。
パイロットとか、墜落とか、明らかに剣と魔法の世界から逸脱してます。
しかも、そういう伏線とかなかった。
これには首をかしげました。

あと、残念というか難しい点なんですが、情報の出方がまちまち。
序盤の町なのに、終盤で訪れるはずの地域の情報が手に入ったり、南東エリアなのに北西エリアの情報が手に入ったり。
しっかりと情報をメモしておかないと、覚えきれないと思います。
まあ、そういう謎解きが面白いとも言えますが。

・総評
マップ、そして涙の密書が手元にあれば、かなり面白いゲームだと思います。
ファミコンRPGの持つワクワク感を、しっかり味わえると思います。
いくつかのバグがなければ、間違いなくおススメできるのですが・・・
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