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2019年08月07日21:37

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天気の子感想〜。





長々と延ばしてしまったので早速感想〜。


公開からそこそこ間空いたので
ネタバレはアリで行きます〜。
気にする方は観てからでお願いします〜。


視聴はIMAX2D。
2週目だけど客はさすがにかなり多目だったね。


ストーリー:
地方から家出してきた高校生の帆高は、東京で職を探す最中
天気を操る少女陽菜と出会う。





「君の名は」を無かったことにしての感想は無理だし
ん〜、感想が非常に難しい。(笑)

全ての要素の歯車がかみ合ってたら非常にパワフルな作品になってたと思うんだけど
そこここにノイズが多くて、調整が足りて無い佳作っていう印象でした〜。

まずは良い部分。
フォトリアルな自然の描写を得意とする新海誠を活かすべく、天気というテーマを選んだのは大正解。
「君の名は」から引き続き、山の手沿線の新宿付近を舞台に
都会のノスタルジーを描いていくスタイルは、この人のカラーとして定着したかなという印象。
相変わらずヴィジュアル面は全体的に素晴らしかった。

そして音楽。
「君の名は」ではちょっと取って付けた感じがあったけど
今作は歌詞含めて固めている分、ラッドの音楽の重要性がより増した気がしまった。
メッセージはより具体的になったよね。

少年少女を主役としたジュブナイルとして、君の名はのイメージをスライドさせ
上手く引き継ぐことに成功してると思いました〜。
パッと見は非常に素晴らしい印象の映画になってると思います!
所謂若い子達が観る分には、特に粗などは感じない可能性もあるね。




ここからは個人的に気になった部分〜。
個人的な感想なんで、嫌な方は見ない方向でお願いします。(笑)
ネタバレありで行きます。



テーマ的には、かなり好きだし
賛否両論あるエンディングのエゴイスティックな愛に関しても
個人的には全然おっけーなんだよね。
ただ、それだとどうしてもジュブナイルである必要があったのかが最後まで引っかかってしまった。


まず全体的に気になったのは
なんか詰め込み過ぎだよねって部分。
「君の名は」は、長めの物語の最初と最後だけ取って、削って削って上手く編集した
構成の素晴らしさが活きた作品だと思ってたんだけど
本作は、元々短編っぽいアイディアに後から色々要素を付け加えた分
細部まで鋭さが行き届いてない作品になってるんじゃないかなって印象でした〜。
なんかストーリーの分量が2時間の長編にしては薄い上に、無駄な部分が多くて焦点がぼやける。
例えば須賀の子供のエピソードや、瀧のエピソードは
いかにも付け足した感があって個人的には気になりました〜。

後は部分部分で。


まず主人公「帆高」。
何故東京に出てきたかってことが明かされないので、序盤から感情移入しにくい。
社会をドロップアウトした若者ってイメージを延々と強要されるんだけど
日本でそれはちょっと難しいし、それが原因で追い込まれて行くため
最後までそのリアリティの無さがノイズとして残る。
逆に須賀の方がキャラとして感情移入し易い分、そちらに気持ちが行ってしまう。(笑)
やたらと須賀のエピソードが多いし印象的なんだよね。
その辺の描く比重の置き方はまず気になっちゃいました。


次に「拳銃」。
これもトレーラーで印象的に使われてるんだけど
なんだか良く分からない要素なんだよね。(笑)
持ってる理由も曖昧だし、使われる理由も曖昧。
作中で2回使われるんだけど、2度目の登場の時何か重要な意味を持たせるのかと思ったら
何か初回と全く同じ理由で使われて、さらに穂高が成長していないことも晒してしまうという。(笑)
ん〜、作中でこの要素が一番大きなノイズだったかな。


次に「オカルト」。
伝奇的なイメージを強めることで、「君の名は」のように謎解きに意識を持っていくことも出来たと思う。
須賀の会社のこともあるし、そういう方向に舵を切るんだろうなぁと思ってたら
こちらも中途半端で、何故そういうことが起こるかは謎のまま。
短編だと謎のまま終わって、後から余韻を楽しむってのもいいと思うんだけど
きっかり2時間物の劇場作品で何も解決しないってのはなかなかストレスが溜まる。


最後、「帆高と陽菜」について。
結局ここが最大の違和感なんだよね〜。
例えば2人が成人であった場合、すごく素直に物語が流れる。
ドロップアウトしたチンピラ男(拳銃)と、天気を操る女が同棲とかって設定だと
上のこと全てが全く違和感が無くなる。
それをジュブナイルにしたことで2人がずっと「Like」な関係なんだよね。
これだと、最後の決断の意味が弱すぎる。
「愛に出来ることはまだあるかい」ってほど、愛を感じないのは問題かなぁ。(笑)
ラブホテルでの逃避行やら指輪など、思わせぶりなシーンの多さから
本当はもうちょっと年齢高めの設定で作ってたんじゃないかと邪推してみたり。


追加で、エンディングのファンタジーの是非について。
物語の途中でのファンタジーは非常にいいと思う。
ただ着地点はね〜、このストーリーなら現実オチの方が余韻があるかな。
例えば現実と照らし合わせて「世界はちょっとだけ雨が多くなった」とかね。
そうだと思って「おぉ、すげー」とか途中勝手に感心してた分
最後がっかりしたのは自分のせい。(笑)



てな訳で、思ってたよりは隙が多い印象の作品でした〜。
極上の要素と素材は用意してあったんだけど、組立で失敗しちゃったみたいな。
ただポテンシャルは凄いと思ったので、もうちょっと時間かけてきちんと作り込んでくれてれば相当化けたんじゃないかなと。
「君の名は」で一歩進んだのが、また昔のイメージに後退した印象の作品でした〜。

どちらにしろ注目すべき作家なのは間違いないんで
今後どうなるにしろ、作品は見続けていこうと思ってます〜!


あんまり推敲してないんで読みにくいかもですが
悪しからず〜。
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