任期中に、議員が他の政党へ転籍することについては、現状制度でよいのだろうか。
一般的に、政治家が選挙で国民の信託を得て当選するには、政治家本人の政策や適性が有権者による峻別が必要だろう。だが一方で、有権者は必ずしも政治家本人の適性を鑑みて一票を投じているとは言い切れまい。一定の割合で、有権者は期待する「政党」によって投票先を選んでおり、その政党から立候補した政治家は、政党の「代表」として票を得ている可能性が高い。
その議員が、当選後に元の政党を離れ、他の政党に転籍するとなると、政党に期待して「人物」に票を投じた人々の民意が、ないがしろにされる恐れがないだろうか。
比例代表で当選した議員ならば、なおさらである。
憲法は、確かに個人の思想、信条の自由や集会の自由を保障している。だが、「政党の信託」を経て選ばれた国会議員についても、それが通用するのであろうか。
国会議員の任期中の政党移動についてはこれを禁止する、などの議論を期待したい。
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