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2019年07月29日17:34

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七月大歌舞伎 大阪松竹座 昼の部

七月大歌舞伎 大阪松竹座 昼の部

行ってきましたー!

初松竹座!
道頓堀。
建物の1階奥にチケット発券機あった。
10時半に着いたら、「義経千本桜」の幕見はすでに売り切れてました。

幟がはためいているのを眺めたり、
まだすいている戎橋からぼんぼりの下がる川を眺めたり。
会場に入ると、エスカレーターに並ぶ。
2階はまるっとロビー。
立食用テーブルと、店がひと並び。
客席は3階から。
縦に高いのですね。
番附購入。
大阪では番附、東京では筋書。
こういう東京と大阪の違い、なんか好き。

3階2列目26番。
う、花道ほとんど見えへん。
ただ、舞台は近い。
席もふつーに座れる。そこまで狭くもない。
周りは1人で来ている女性(推定20代から80代まで様々)ばかり。
7割女性、って印象。

「色気噺お伊勢帰り」11:00−12:00
お伊勢帰りで、大阪まだあと何里、って看板が出ている道中から。
仲間たちがワーワー遅れる者達を待っている。
花道から清さん(芝翫)。その後、喜ぃさん(鴈治郎)。
鴈治郎さん、まんま藤山寛美! メイクが。形も。
あとで番附読んだら、藤山寛美のやってた松竹新喜劇だそうです。
どうりで!
喜六と女房お安(扇雀)のやりとりが面白く、
油屋という遊郭で遊んだ相手のお鹿(猿弥)が最高。
彌十郎さんの家主も大好き。
美人遊女のお紺(梅枝)の美しさと、本性出して啖呵切る時の冷たさ。変貌。
会場がどよめく。
えらい男前やったんがうわばみの権九郎(隼人)。
あー、これが女性に人気のある「はーくん」か、と納得。
油屋の女将の秀太郎さん。
歩き方も声も雰囲気も秀逸。すーっとその場面に入ることができる。
肝座った女将やけどかわいらしさがあっていいなあ。
「さあ、せっかく大阪来たから道頓堀で芝居みてこ。明日で終わりの」
(この日は千秋楽前の日でした)
と、アドリブのようなことを言って笑わせる。
芝翫さんがセリフを忘れて
「何だったかな」と言うと
鴈治郎さんが喜六のまま
「あれでこれであれやなあ。それやからあれやろ」(あれは何かセリフです)と言ってあげるような場面もあり。
鴈治郎さんが持っていく芝居。
三枚目も二枚目も悪者も人情もわかりやすく面白く、笑いが絶えない芝居でした。

幕間 35分
うちから持って来たパンを昼食に。
ベンチが少ないのですが何とか座っていただく。

「厳島招檜扇 日招ぎの清盛」12:35−1:00
舞台は厳島神社。
幕が上がると皆定位置にいる感じ。
女方(時蔵、壱太郎)が舞って、引っ捕らえるときに動くくらいの。
真ん中にいるのが我當さん。
やった、これで片岡3兄弟見れたわ〜。
お声は出づらそうでしたが、むしろ威厳を感じる。
沈む太陽を招き返すという話も、
夕日のような照明と目線や表情で、確かにそれを感じました。

幕間 25分
階段で売っている写真を眺めたり(仁左衛門さん一部売り切れてました)、
うろうろ。
貼り出された上方歌舞伎の方々の写真を見る。
2代目鴈治郎の顔がやっぱり印象的。

「義経千本桜 渡海屋・大物浦」1:25−3:15
渡海屋と書いてあるうち。
仕事中の船頭達にお茶を運ぶ女性のシーンから。
船を出すよう言いに来た北条家家臣2人(鴈治郎、猿弥)。
それは無理やという女将(考太郎)。
そこに帰ってくる銀平こと知盛(仁左衛門)。
花道から入って来て、女将に手を出す2人を払い、
2人から経緯を聞く姿。
ただそれだけなのにかっこいい。
仁左衛門さんしか見えなくなるような、その華よ。
しかも関西弁! というか上方言葉!
これは東京でやっても関西弁なのだろうか。
ま、そのうち銀座の歌舞伎座で見る機会もあるだろうから楽しみにしておこう。
でもって、義経(菊之助)の品。声も通る。素晴らしい。
「大物浦」の場面では、知盛はもう瀕死の状態。
息がゼーゼーいっている中で、
薙刀のような長い刀を振り回す。
その美しさ。
赤い舌で血に染まった刀を舐める。
緊迫している場面で、客席も緊迫。
最後、錨を掲げて海に放り込み、
自分に巻いた綱がするすると海に落ちていき、
胸元でしっかり組んだ拳に何かの思いを込めたかと思うと、
背中からパッと鮮やかに海に飛び込む。
それを見守った帝や義経。
花道を去って行く一行。
最後に残った弁慶(彌十郎)が法螺貝を吹く。
敵も味方もなく、あっぱれといった様子の、葬い。
そこで泣けました。

そんなわけで、
涙を溜めながら松竹座の階段をひたひたと降りていきました。
そして「道頓堀の今井」で持ち帰りのきつねうどんと七味を購入。
観光客が多く、芝居前後の雰囲気が少ない道頓堀ではありますが、
今井の横の小道を通って、法善寺の方に抜けて帰り、余韻に浸りました。

あ、ちなみに、音楽の方々が見えたのは「義経千本桜」のみ。
上手の2階で浄瑠璃と三味線。
舞台が狭くて出られないのかな。
または演奏の方々が前に出ない演目だったのでしょうか。

歌舞伎が好きで全国行っている方も多いとは思いますが、
松竹座は、銀座の歌舞伎座を比べて、ずいぶんとカジュアルです。
お客さんも、お着物の方もいらっしゃるし、
今回おしゃれして来ました、というおばさまもいるけど、
もっと、やっぱり大阪。
隣のおばあちゃんは「堪忍でっせ」と言いながら前を通り席につきはったし。
ですが! 
大向こうは今まででいちばんよかった。
かっこいいのが3階左右真ん中からかかってた。
拍手も、仁左衛門さん登場の時の熱量、
特に最後は、錨を持ってから鳴り止まず。
笑いの声も大きい。
笑い屋みたいなんじゃない。
ちゃんとそれぞれおもろいと思うとこで笑ってる感じがいい。
まー、そういう客層やから、
純歌舞伎で根付かせるのは難しいのかなあ、とは思うけど、
関西の言葉もセンスも大好きやから、
何かぴったりくる演目が発掘されて、
今後、スターが生まれるといいなあと思います。

さて、
こうなると、仁左衛門さんが出るのは全部見たい!
10月御園座。行くかー。

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