参院選も来週投票になりますが、
今回の参院選で、安倍総理は何としても憲法改正を争点にしたいようです。
しかし、他の政党は多少の濃淡はあるものの、冷淡なような感じがします。
国会では、野党側は、改正案の審議の前の段階の、
国民投票のCM規制の問題の審議を優先させようとしています。
CM規制を行わないと、
資金力のある政党が大量にCMを流して世論を誘導する恐れがありますので、
当然の事のような気がしますが、
日本民間放送連盟(民放連)は、これに抵抗を示しています。
言うなれば、本論に入る前の手続き論で進んでいない訳です。
この点を突いて、安倍総理は野党側のサボタージュとの批判をしていますが、
これまでの与党側の国会運営では、
重要法案の審議を打ち切って、強行採決で通して来た経過からするなど、
強引な運営を行って来ていますので、
議論の席に着かない方が良いような気がしています。
安倍総理は、決めるのは国民だと主張していますが、
発議するのは国会の役割です。
自民党の公約では、
自衛隊明記、緊急事態対応、合区解消・地方公共団体、教育充実の4項目を掲げ、
論議を丁寧に深めつつ、早期改正を目指すとしていますが、
この「丁寧に深め」との言葉は、
これまでの安倍政権では、
沖縄の辺野古移設問題をはじめ、森友・加計学園問題など多くの場面で、
「寄り添う」とか「丁寧な説明」などの
受けの良い言葉を使って来ましたが、
それが果たされていない事は明らかですから、信用できるでしょうか?
その憲法改正項目の中で、1番気になるのが、自衛隊の明記です。
今の自民党案では、
憲法第9条の1項(戦争放棄)、2項(戦力不保持、交戦権の否認)を残して、
新たに自衛隊を明文化するとの事です。
その理由として安倍総理が言っているのが、
「自衛隊員が『お父さん憲法違反なの?』と息子に尋ねられた」との話です。
余りにも情緒的な理由で、これで憲法を改正するのかと唖然としてしまいますが、
本気でそう考えているようです。
この理由については、今年2月に国会でも取り上げられ、
安倍総理は、「わたしが嘘を言う訳がない!」と逆切れして答弁しています。
詳しくは、下記に検証した記事があります。
https://www.excite.co.jp/news/article/Litera_4572/
憲法に自衛隊を明記すると、自衛隊自体は違憲と言えなくなりますが、
9条2項で戦力と交戦権を否定しているため、海外で戦争はできません。
安全保障関連法で集団的自衛権が一部容認され、
自衛隊は海外で武力行使ができるようになりましたが、
自衛隊の海外での活動が違憲かどうかの問題は残ります。
自衛隊は違憲ではないが、自衛隊の海外での活動は違憲だと言える余地があります。
その辺、どう考えて自民党案が出来たのか、僕には分かりません。
安倍総理が何故憲法改正にご執心なのかもよく分かりません。
安倍総理の祖父で、占領体制からの脱却や自主憲法制定を目指した岸信介の遺志を
継ぎたいのだと言う人もいます。
岸信介は、安倍総理の母方の祖父です。
父方の祖父の安倍寛は、衆議院議員でしたが、非戦・平和主義の立場を貫いた人でした。
安倍総理の父親の安倍晋太郎が生まれた後で離婚していますが。
安倍総理は、直系の安倍寛の意思を継いでも良さそうな気がしますが、
何故か岸信介の方を崇拝しているようですね。
安倍総理は、要するに憲法改正を行った初めての総理大臣だとして、
歴史に名前を残したいだけだと言う人もいます。
日本の貧富の格差を拡大し、
仲良しグループには温かくするが、その他の国民には冷たい総理大臣として、
既に歴史に名前が残りそうな気がしていますが、どうなのでしょうね。
ともかく、自民党が勝たなくても負けなければ、一気に憲法改正が進みそうで、
気になっています。
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