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2019年06月27日09:49

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平成の歌詩人たちー響きあうことばー

   比喩1

欲望にも
絶望にも
深さなどないのに
欲望深けりゃ絶望深し
などという戒めを
どうして
僕らは解するのでしょう

海よりも深い
僕の絶望は
夜空の星のように
懸命に瞬けど
近視のあなたには
きっと見えない
ことでしょう



 2011年4月28日以来なので、8年2ヶ月振りに書く日記ということになる。
 先日6月22日(土)に、北上市立図書館に隣接する日本現代詩歌文学館に立ち寄り、『平成の歌詩人たちー響きあうことばー』という企画展を観てきた。

 順路の最初に展示されていたのが左の写真。吉田隼人氏は、平成元年=1989年生まれの若い歌人。1989年といえば、僕が高校3年でちょうど自殺を考えていた頃(笑)。
 これは、彼が25歳=2014年の作品、つまり2019年の今から5年前の作品だ。つまり彼は、5年前も今も絶望の深さは同じのまま生きているというわけだ。その絶望が、どうにか耐えられそうな深みなのか、どうにも耐えられそうにもない深みなのかは察し難いけれども、ともかく彼は生きている。もちろん、絶望の深さがたった5年ほどで増えたり減ったりしないのは、中高年の僕らには既に分かり切った事実である。しかしながら、その生きているという事実においては、元気な人と何ら変わず彼は生きている、というのは言うまでもない。

 企画展を観終わりフロアから出てくる際、フロアの入口にて、「この展示をみてつくられた詩・短歌・俳句・川柳」というテーマの作品募集コーナーを見つけたので、詩をひとつ書いて応募してきた。それが真ん中の写真。かなり明るい内容の詩になり、自分自身では快心の出来と自画自賛しておりますが、みなさまどうでしょう(笑)。

 Megu様の紹介でこのmixiに入会して以来、お恥ずかしながら詩的な文章はいくつか日記に書いた覚えがあるけれど、自筆で詩を書くというのは、恐らく小学生以来の経験。しかし、詩作というのは、お金の掛からない老後の趣味のひとつとしては、もってこいなのかもと思い、さっきmixiの「【詩】を書く人。」というコミュニティに登録してみた。

 それでもって、右の写真。今気が付いたんだけれど、よく読んでみると、「入選作品は、館内に作者の直筆作品を展示します」だって!
 他人の目に触れても一向に構わない、いやむしろ読んでください、と思い恥ずかしげもなくフロアのポストに投函した詩ではあるが、その内容はともかく、この中学生並の達筆が公の眼にされされる可能性があるとは…まぁ結果的には、そうはならないでしょうけれども。(^_^;)

 作品に題名を付けるのを忘れていた。
 題名は、「比喩1」とすることにする。
 複雑さとか、困難さとかを、深い話とか、深い悲しみとか、深さに例えて人は表現するけれども、知らず知らずのうちに実体化したそれらの表現に人は呪縛され、悩み苦しんだりしがち、という思いを込めての「比喩」。そして、整理番号としての「1」。
 それ故の、題名「比喩1」です。
 伝えたい、伝わらない、伝えない…自分の感情の表明。


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