バスケットボールは全く詳しくありませんが、この度、NBAでトラフト1巡目に八村塁選手が指名されたことは、とても凄いことだというのは、アメリカではバスケットボールが野球以上にメジャーであることや、NBAの一流選手が数十億円という年俸をもらうことからもよく分かります。
この八村選手、小学校時代は野球少年で、陸上の単距離の選手でもあり、バスケットボールは門外漢だったそうです。
八村選手が入学した中学のバスケットボール部のコーチだった坂本譲治コーチに目を付けられ、部員である友達に「あいつを練習に連れてこい。」と繰り返し言いつけ、実際何度も八村選手は断っていたそうなのですが、最終的に根負けして入部したというのですから、そのバスケを始めたきっかけに驚いてしまいます。
坂本コーチは、早くから八村選手の才能に目を付け、「いつかNBAに行くんやで。」「今のNBAみたいだな。」などと、八村選手がまだNBAが何であるかもよく分からない時からNBAと言い続けたと言います。
しかも、八村選手は1年生の時から即レギュラーというわけではなく、試合に半分以上出られるようになったのは、2年生になってからとのことですから、それほど順風満帆という感じではなかったことも推測されます。
そんな中でも、八村選手にNBAというものをイメージさせ、八村選手もたゆまぬ努力を続けた結果、やがて頭角を現して、このようなストーリーが出来てきたというわけです。
私は同じ指導者として、この坂本コーチという方にとても興味があり、その才能を見抜く先見性と、指導する生徒達に将来をイメージさせる力量に感服しています。
教育の本質は、子供達に自分の将来をイメージさせることにあります。
私ごとで恐縮ですが、先週、元生徒と食事をして、彼のお父さんが「木村先生と出会わなかったら、お前は一体どんな人生になっていたんだ。」と言って頂いているとの話がありました。
成績はごくアベレージレベルで、単願推薦でごく普通の高校に入った彼でしたが、早くから記憶力の良さや様々な事柄をまとめて考える力を感じていた私は、何とかして彼を開眼させようと指導しました。
もちろん、親御さんが全面的に私のことを信頼して頂いたからこそできたわけですが、高校からメキメキと頭角を現し、一流大学に進み、3年卒業、そして今や法曹界を目指す青年へと成長しました。
八村選手について坂本コーチはインタビューで「その気にさせたのが大きかったんちゃう。」と言っておられましたが、恐らく八村選手が別の学校に行ってこの坂本コーチとの出会いがなければ、このようなシナリオにはなっていなかったと思います。
私などは坂本コーチには遠く及びませんが、それでも時々彼のような傑作が現れることもあり、お世辞でも「先生に出会っていなかったら…」と言ってもらえることは、塾でも不登校の支援でもそれなりにあります。
指導者にとって、生徒達の人生を変えることは大きな栄光です。
誰しも一流大学に入ったり、ましてNBA選手になれるわけでもないのですが、少なくとも、あの先生と出会って良かったと多くの生徒さん、親御さんにに言ってもらえるように、これからも一つ一つの出会いを大切にしていきたいものと考えております。
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