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2019年06月13日21:48

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【アニメ】最低野郎共《弐》クメン編

クメン編

第14話アッセンブルEX-10

舞台はすっかり変わり、気怠いジャングル。司令官ゴン・ヌーや隊長のカン・ユーの下、キリコは神聖クメン王国の内乱に傭兵として参加する。
基地には、兵器を売り込むゴウト。近くのニイタン市にはバー『ファンタム・クラブ』にはマスターのバニラと歌い手にココナと、いつもの顔触れと再会。
敵のビーラーゲリラが攻撃して来てキリコ達は迎撃するが、ズバ抜けた反応速度の青いA.Tと交戦したキリコは、パイロットはフィアナだと確信する。

ウド編は退廃した都市と、そこに渦巻く人々の権力と野望を描いていたが、第２章であるクメン編は雰囲気を一新。鬱蒼としたジャングルに照り付ける太陽。虫に刺された首筋をダルそうに引っ叩く上半身裸の兵隊。まるでベトナム戦争の１シーンの様。初めて観た時は
『え、これが同じボトムズ？』と面食らった。ウド編でも書いたが、この様に展開が大きく変わるのが魅力の１つだと思う。今度は密林で、一体どんなストーリーが待ってるのだろうか？
典型的な嫌味な上司カン・ユーや、気を許せないゴン・ヌー達との絡みは？
と、これからが楽しみになるストーリーだ。
何と言っても『３バカトリオ』との再会は、懐かしさと共に『やっぱりそうでなくっちゃ』と思わず膝を打ちたくなる。
ただ、キャラクターに頼った感も無くは無い。馴染みの３人を出せば盛り上がるのは当然だが、もう少し違うキャラで引っ張り、この次ぐらいの章で『久し振りに』３人を再登場させた方がもっと盛り上がったんじゃないかな。

第15話疑惑

キリコはハッチを開けて姿を見せるが、青いA.Tは攻撃を止めず、キリコのA.Tは破壊される。それを目撃したカン・ユーは、キリコの不審な行動に、スパイ疑惑を深める。
その晩キデーラがバーに来て、戦闘中にハッチを開けて敵に話し掛けたキリコに対し、
『俺と組む時はそんなバカな行動を取るな』と強い口調で警告する。１人のミスが仲間全体を危険に曝す戦場では最もな話である。だが店に爆弾が仕掛けられ、気付いたキリコが外に投げ捨てようとするもキデーラが絡んで来て揉み合いとなる。それを振り切って店の外に爆弾を投げ、間一髪で助かる。

後に戦友となるブリ・キデーラ、ポル・ポタリア、ル・シャッコの３人が登場。
クメン編全般に言えることだけど、名前がヤッツケだよな。酒飲みのキデーラは『テキーラ』をひっくり返したんだろうし、ポル・ポタリアはカンボジアの独裁者『ポル・ポト』で間違いない。シャッコはクエント人独特の名前ってことで面白いけど、カン・ユーとかゴン・ヌーってのは何だろう。上官２人が揃って似た系統の名前だと、同じ民族とか同じ星系の出なのか？更には、そこの人々は傭兵に出る傾向にあるのだろうか？等と余計な詮索をしてしまう。
(２人は体型も性格も全く違うが)
因みに『クメン王国』はカンボジアの昔の『クメール王国』だろな。

第16話掃討

平和に見えるゾンム村に潜むゲリラを探し出す為、村人達にロシアン・ルーレットを強要するカン・ユー。村民の中にはポタリアの幼馴染であるモニカの姿も。
潜んでいたゲリラが現れて激しい戦いとなり、キリコは青いA.Tに発光信号を送る。ハッチが開き現れたのは、しかし金髪の青年であった。

ボトムズのクメン編はベトナム戦争におけるアメリカ軍の蛮行をモチーフにしてる。アメリカの肩を持つ訳ではないが、当時の米軍も大変だったろな。敵兵士と一般の民間人が入り乱れてる戦場だし、そもそも正面から堂々と打ち破るのをヨシとするアメリカ人にとっては、ゲリラ戦は卑怯って意識もあっただろう。相手が卑怯な手を使うなら、こちらもどんな手を使っても構わない、と考えがエスカレートして行くのも解らなくはない。

第17話再会

キリコは金髪の青年イプシロンが第２のPSであることを知る。キリコの不可解な行動を見たカン・ユーは、生還する望み無しとキリコを見捨てて撤退。
歓楽地ニイタンのクラブ『ファンタム』にいつものように入り浸るポタリア、キデーラ、シャッコ。キリコを置き去りにして帰還した彼等にココナが怒鳴りつける。
敵の宮殿に入り込んだキリコは、クメンの武術バランシングでイプシロンと決闘を行い、重傷を負う。

第18話急変

満身創痍ながら無事に生還したキリコに、疑いの目を強めるカン・ユー。
クメン王国は冷戦状態だったメルキア連邦と和平を成立。
ビーラーゲリラの陽動作戦に引っ掛かったカン・ユーの命令を無視し、キリコはゲリラの真の目的地であるニイタンに急行。

ポタリア、キデーラ、シャッコの３人とキリコ、それと指揮官のカン・ユーを加えたこの５人を中心として戦闘が続く。
最初からキリコに疑惑の目を向けてたカン・ユーは、その後も何度となくキリコに出し抜かれる形となりイライラもマックス。
キデーラはすっかりキリコを気に入り、冷静な目を持つポタリアもカン・ユーに見切りをつける様になる。
シャッコも含め、誰もカン・ユーを相手にせず、独断でニイタンに向かったキリコの後を追う。
カン・ユーどうする？ちょっと心配。

第19話思惑

キリコの読み通りニイタンが急襲され、クラブ・ファンタムも焼失。キデーラの開口一番
『何てこった。もうあの店の酒が飲めないのか』の名ゼリフは酒飲みの鏡。
ゴン・ヌーに呼び出されたキリコは、カン・ユーの命令を無視した件で尋ねられるがお咎め無し。逆にカン・ユーは、部下から指揮能力を問題視されてるとクギを刺される。
ゴン・ヌーはメルキアとの和平交渉の折、ロッチナを連れて来てキリコに引き合わせる。
３人はPSを手に入れたいという共通の目的の下、手を結ぶ。キリコは特殊部隊の一員としてPS奪取に出撃する。

ロッチナは軍の最高機密であるPSの奪還が使命。メルキア軍の情報将校で、開発にも携わっていたのかな？是が非でも成し遂げねばならない。
ゴン・ヌーはPS奪取に協力する見返りにメルキア正規軍の軍人への登用。それ程までに正規軍人になりたいのだろうか？やはり『傭兵の親玉』というポストでは満足できないか。『牛の尻尾』よりは『鶏の頭』の方が良い気もするが。
キリコはフィアナに会いたいが為で、これは至って単純明快だ。
３人の目的は同じだが、理由はそれぞれまるで違う。この先どうなることやら。

第20話フィアナ

総集編なので割愛。

第21話遡行

ムナメラ河を遡行する特殊部隊は、現地まではカン・ユー。着いてからはキリコが指揮を取ることとなったが、キリコの言葉を無視したカン・ユーがキリコの静止を聞かずに攻撃してしまう。寺に隠れてたゲリラと全面的な戦闘に雪崩れ込み、隠密作戦は水の泡となる。

軍隊は指揮系統が非常に重要って話は以前書いたけど、これは典型的な失敗例だろう。現地までの行動はカン・ユーで、着いてからの戦闘はキリコが指揮する。一見単純だが、何処を持って『もう着いた』、『まだ着いてない』を決めるのか？カン・ユーが戦闘をおっ始めて作戦全体をご破算にした訳だが、指揮範囲内での行動を取っただけのカン・ユーに責任を押し付けるのもおかしい。そうした作戦自体に最初から問題がある。

それとキデーラが良い味を出している。短気な乱暴者で金の亡者ではあるが、義理堅く基本的には良いヤツ。
『俺はバカな野郎とは組みたくないんだ』とキリコに噛み付くも、
『なら安心しろ。俺も爆弾入りの鞄にしがみ付く様なバカとは組む気は無い』とグサリ。
『お前の負けだなキデーラ』と混ぜっ返すポタリア。
『気に食わねぇ～野郎だぜ』と言いつつキデーラも苦笑い。
キデーラのキャラが生き生きと立ってるのは、声優の郷里大輔さん(ドズル・ザビやMrサタン)のお陰だろうな。

第22話触発

船を破壊されて前進不能となった特殊部隊は、ゴン・ヌーからの指令によりヘリで移動することに。
秘密結社は、キリコの最期を見届けさせることでフィアナの心からキリコを消し去ろうと企み、イプシロンを差し向ける。

バーのマスターで、『もう何年か頑張れば一生遊んで暮らせるだけの金が貯まる』程の稼ぎがあったバニラが、店を焼かれた後に心機一転。軍のヘリパイロットに志願する。
この辺の心境はイマイチ判らんな。ウドで生きるか死ぬかって生活をして来たバニラが、取り敢えず命の危険の無い仕事に就き、それでかなり稼ぎもあって、誰もが羨む順風満帆の人生に見えるのだが…
バニラはヘラヘラしてるけど実は『スゴ腕のヘリパイロット』って設定だから、活躍の機会が増えた。

第23話錯綜

キリコとイプシロンの戦いの最中、フィアナはヘリの操縦を妨害して墜落させる。イプシロンはヘリから逃亡したフィアナを追い、ビーラーゲリラから守る。そこへキリコが駆けつけゲリラを撃退するものの、フィアナはカン・ユーに捕らえられてしまう。そこにキリコが駆け付けて格闘となり、カン・ユーを濁流に突き落してしまう。

無能なくせに上官風を吹かせたがる性格の悪いカン・ユーと、新入りかつ部下のくせに皆から一目置かれ、上官を出し抜いてばかりいるキリコ。この２人がいつまでも上手く行くハズが無い。遂に全面抗争だ。そのきっかけが『女を巡って』と言うのもキリコらしくないが、逆に『らしい』っちゃらしいのかな。

第24話横断

キリコとフィアナはカンジェルマンの宮殿を目指す。途中傭兵仲間とも合流するが、シャッコは『契約』を守って味方部隊の到着を待つと言って残る。一行は宮殿に到着し、フィアナが敵ATを奪う。

近代化を推し進めるクメン王国に対し、第３王子であるカンジェルマンが古代からの土着の宗教等を大切しようと訴え、集まった賛同者がゲリラ活動してる。秘密結社はPSの実戦テストを兼ね、助っ人として参加してる。ってのが現状。
人間関係とは全てがギブ＆テイクである。自分には何ら旨味が無いのに、汗水垂らそうって物好きは普通いない(ボランティア等で、それが『生き甲斐』とかを除いて)。ましてや命を懸けた戦場なら何をか言わんやだ。
カンジェルマン側としてはPSの圧倒的な戦闘力によって大いに助けられてるはずだし、秘密結社は実戦で思う存分テストができる。両者は共生の関係なのだが、カンジェルマンの物言いがちょっと引っ掛かるな。
『お前達の目的など最初からお見通しダ

』
とドヤ顔で言ってるけど、いやいや、そんなの当たり前じゃん。て言うか、何も得るモノ無いのに、暇潰しか何かで戦争してるとでも思ってたのか、と突っ込みたくなる。この時ばかりはボローもかわいそう。

第25話潜入

ジャングルの中を逃げ回るカン・ユーはシャッコに救出され、報告を受けたゴン・ヌーは宮殿を突破してPSの奪取を狙う。ビーラーゲリラ達は不可解な撤退と、『ゲリラ活動は実験だった』というカンジェルマンの発言が噂として飛び交い士気が低下。ポタリアの幼馴染みモニカは失望の後、凶弾に倒れる。

カン・ユーがヘビに襲われるシーンから始まるが、このヘビはデザイン的に何か一捻りが欲しかった。眼が１つでもいいし、逆に３個や４個でもいい。口も横に開くとかさ。それだけで視聴者を『おっ』とびっくりさせられるし、異世界を表現できたと思うんだけど。
因みに『ミツメトカゲ』ってのが実在するんだけど、赤外線を感知する『眼』の様な器官が後頭部にある。
普通のヘビは２つの眼の他に、やはり赤外線を感知する器官を２つ持ち、見方によっては４つ眼。
なので、１つ眼でも３つ眼でも４つ眼でも、強ち荒唐無稽って訳でもない。

第26話肉迫

ゴン・ヌー達の総攻撃が開始され、多数のATが降下する。ストライクドッグが実戦投入され、カン・ユー率いるAT部隊が挑むが、その圧倒的な戦闘力に歯が立たない。カンジェルマンは本宮殿を捨てて離宮に移動するも、ポタリアがバランシングの末殺害。キリコたちはボローを追って離宮へ向かう。

ダイビングビートルが『バケツ』に乗ってやって来る姿が可愛らしい。ストライクドッグは瞬発力もパワーも従来機を上回り、行動時間も倍程(ボロー談)の高性能機。EX-10でトップクラスのパイロットであるシャッコや、隊長のカン・ユーも全く歯が立たない。
カンジェルマンのゲリラ活動の理由がイマイチ解らなかったが、何かの記述でようやく理解できた。保守的な考えを主張して賛同する者を集め、反政府勢力を作って内戦を起こし、負けて死ぬことによって自分を含めた古い考え方の人間を一掃する。それが新生クメン王国の為になると信じての行動だった。自分の命諸共、国に捧げようとする崇高な思想だったのだ。
と知ると、何だか深い話だねぇ。

第27話暗転

地下の坑道の様な所でボローに質問するキリコ。そこにイプシロンが現れる。後ろからキデーラが襲いかかるも、紙一重でかわされて落下。キリコとイプシロンの戦いはケリがつかず、ボローは落下物に当たって死亡。
カン・ユーがキリコの前に立ちはだかるも、シャッコがカン・ユーを投げ落としてしまう。
カンジェルマン殿下から貰ったキーを使い、キリコとフィアナはシャトルで脱出する。
メルキア軍の空挺部隊により戦闘の数勢は決する。

残念ながらキデーラは死んでしまう。『借りは返せなかったな』と豪快に笑いながら落ちていく、豪傑らしい最後だった。
クメン編も面白かったけど、最後がウド編と全く同じだったのにはガッカリした。
ウド編ではイスクイがフィアナを操り、最後はメルキア軍の空挺部隊に制圧されてイスクイも死亡。
クメン編はボローがイプシロンを操り、やはりメルキア軍の空挺部隊に敗れ、ボローも死亡する。
カンジェルマンはポタリアに生きて欲しいと願ったからこそ脱出シャトルのキーを渡す。ポタリアはそれを助けてくれたバニラに渡し、バニラはキリコとフィアナに渡す。この一連の流れが妙にしっくり来る。
『何を言ってるんだ？(お前も逃げろ)』と驚くキリコに、
『軍に追われてるのはお前だけだ。俺は逃げる必要なんか無い』と笑うバニラの友情に、思わずむせる。

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