死刑制度は存続してよいと思う

　五月四日の紙面で、死刑制度について書かれていた。
　私は、死刑制度は存続してよいと思う。国際社会の一員として、確かに日本も世界の潮流に目を向ける必要はある。しかし、各国にはそれぞれ文化、倫理観があり、世界の論調に合わせてそれまでを譲る必要はない。
　かつて日本には特有の侍文化があり、ことを起こした場合、「死んで詫びる」ことが美徳とされる時代があった。その延長に現代の道徳や法律があるのであって、その是非については日本人の中で大いに議論をすればよい。
　ただ、実際の死刑運用については、その判断は慎重の上にも慎重でなければならない。犯罪を立証する証拠は充分で、冤罪の可能性は寸分もないか。世論や報道に司法が影響を受けていないか。受刑者に冤罪を主張する機会は与えられているか。
　それが徹底されないのであれば、世界から批判の対象とされることは免れないだろう。