ブラッククランズマン・グリザイア：ファントムトリガー・ハンターキラー・ハロウィン観てきたよ

■ブラック・クランズマン
原題はBLACK(k)KLANSMAN。BLACKとKLANSMANの間、中点代わりに小さい『k』が入ってます。当然、KKKです。しかもこの映画の大筋は『事実に基づく』らしいです。20世紀後半、ベトナム戦争の頃。まだ黒人差別が色濃く残る時代、一人の黒人青年が警察官として志願、なぜかクー・クラックス・クランの勧誘チラシを見ながら電話をかけ、潜入捜査を開始してしまいます。ユダヤ系の同僚刑事をWASPと偽って現場に向かわせ、KKKのテロ活動を監視・摘発するための捜査を行います。……って、なんで電話役と潜入役に分かれるんだよ……。入会したら、電話役なんていない方が危険が少なくなるんじゃない？　と思ったけど、事実ならしょうがないよね。KKKの主張はそりゃもう酷いもんで、聞いてて哀しくなります。今はポリティカル・コネクトレスでがんじがらめだというのに、ほんの50年前はこれが普通に受け入れられていたんですよね。黒人を、ユダヤ人を、全ての有色人種を差別し白人が優越すると主張し、アメリカを発見した我々が唯一アメリカの支配者なのだと（ネイティブアメリカンのことは無視です）嘯きます。でさらにびっくりするのは映画本編が終わった後で、ここ2年くらいに起こった（つまりトランプ当選後ってことを言いたいのでしょう）アメリカ国内の暴動の映像が流れるんですが、ネオナチやKKKが活動を拡大してるらしいのですね。もちろんトランプ批判のメッセージも込められてるのでそこは割り引いて見ないといけないんですが、それでもアメリカの現実の一端であるのは間違いなく。最先端を行く先進国でもこんな暴力デモが行われてるってのは、薄ら寒いです。日本てつくづく平和だよね……。

■グリザイア：ファントムトリガー
えーと、実は前情報を何も確認せずに見に行ったんです。グリザイアの果実シリーズの続編だと思い込んでいて。そしたらこれ同名の原作ゲームがあって、登場人物はほぼ一新されてて。グリザイアの果実シリーズとは、直接の繋がりがないんですね。道理でポスターの登場人物に見覚えが無かったわけだよ……。『殺し屋』として育成中の男子一人女子五人のチームで、いろいろ時間を解決するような話らしく、2話分のストーリーが映像化されてました。正直始まったばっかりで、思い入れのあるキャラもいないし、今の時点では面白いとは言えないかな……。良くも悪くも、グリザイアの果実シリーズの主人公もヒロインもぶっ飛んでたので、今回の主役の皆さんはさして魅力的には見えません。まだ、ね。映像作品としては丁寧に作られていて制作陣の愛も感じられるので、この先も続くのであれば化けるかも知れません。

■ハンターキラー 潜行せよ
原題はHUNTER KILLER。ハンターキラーというのは攻撃型原潜で、敵原潜を攻撃するための原潜、航空機でいうドッグファイトをやるための潜水艦のことらしいです。最新の航空機では、もう純粋なファイターは姿を消してるみたいですが。自分は潜水艦vs潜水艦を期待して（フルメタの踊るベリーメリークリスマスみたいな）観に行ったんですが、見事に裏切られました。思い出したらどんどん腹立ってきた。ネタバレするけど、潜水艦の戦闘は前半1/5くらいで終わりです！　なんでだよ！！！　主人公の艦長の指揮も不満だらけです。このチキン野郎が！　てめえ領海侵犯してるくせに土壇場で日和ってんじゃねーよ！　武器もってんならぶっ放せ！　撃てねえなら戦場に来るな！！！！　というわけでフラストレーション溜まりまくりです。あー観るんじゃ無かった。時間と金返せ。

■ハロウィン
原題はHALLOWEEN。ジョン・カーペンターが40年前に作ったハロウィンの続編、なのだそうです。観たっけかなー、覚えてないなー。ということで、いまいち事情の分からないまま鑑賞。惨劇から40年後、殺人鬼マイケルは異常者達を集めた特殊な刑務所に収監されていた。別な刑務所に移送される途中、マイケルは脱走。ハロウィンの夜、マイケルは再びブギーマンのマスクを被り、無差別殺人を始める……みたいな話なんですが。マイケルは一言も喋らず、なぜ襲うのか、なぜ殺すのか不明のまま。40年前に狙われて生き残った女性が、娘と孫を殺されまいとマイケルと戦うんですが、まあなんというか緊張感がなくてですね。画が怖くないんですよね。超常現象は起こらないので、もっと別な次元で怖がらせないといけないのですが。マイケルの殺人は、淡々と作業みたいに行われるので、盛り上がりにかけるんですよね。そこが怖いんだ、と思わせたいのでしょうが、俺には響かなかった。いちおジョン・カーペンターが監修してるはずなんですけどね……。