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2019年04月03日00:04

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亡国のメガロポリス

過去に世界のシーレーンを制し、
交易の中心になることで「覇権国」となった国は
ネーデルラント連邦共和国(オランダ)、
連合王国(イギリス)、そしてアメリカ合衆国の三カ国。

これらの覇権国は、
ランドパワーの覇権国(ロシアなど)に比べると、
必ずしも軍事大国というわけではありませんでした。

現在のアメリカは、
確かに世界最強の軍事大国ですが、
これはむしろレアケースです。

英国の覇権時代、
米英戦争後は両国関係は良好で、
かつモンロー主義により
欧州の戦乱と無縁でいられたアメリカは、

資本、技術、人材という「経済の三要素」を
軍事以外の分野に集中投資。
第二次産業革命を牽引し、生産性を高めていきます。

アメリカの「一人当たり工業化水準」は、
第一次世界大戦前にはイギリスを追い抜きました。

無論、人口はアメリカがイギリスを上回っていました。
アメリカは継続的な生産性向上により、
圧倒的な生産力を手に入れ、
その後の世界で覇権国として君臨したのです。

それでは、なぜ19世紀から20世紀にかけた
アメリカは生産性が向上したのか。
簡単です。人手不足が続いたためです。

アメリカでは、領土拡大や工業の発展の影響で、
移民を受け入れてすら「人手不足」が続きました。

アメリカの賃金水準は、
1800年時点で西ヨーロッパより三割ほど高く、
19世紀を通じ、高いままの状況が続いたのです。

継続する人手不足こそが、
アメリカ人に生産性向上を強要し、
合衆国を覇権国へと押し上げたのです。

カール・マルクスは、唯物論的歴史観、
通称「唯物史観」を唱えました。

マルクスの歴史観と聞くと、
その時点で胡乱に思える人がいるかも知れませんが、
唯物史観自体は実に真っ当な考え方です。

唯物史観とは、
物質(モノ)が歴史を決めるという話です。

ここでいうモノとは、
経済における生産諸力を意味しています。

つまりは、モノやサービスを生産する力
(供給能力)こそが歴史を、
さらには思想をも変えていくという考え方なのです。

無論、生産力「のみ」が
歴史を決めるという話ではありません。

地形、環境、エネルギー供給、非常事態(災害や戦争)、
文化・伝統、そして「人間」など、
多数のパラメータが歴史を動かします。

もっとも、生産性や供給能力が歴史に
「最も大きな影響を与える」という点については、
三橋は確信を持っています
(そういう意味で、三橋の主張は相当に唯物論です)。


そして、生産性の向上のためには
「人手不足」の環境こそが必要なのです。

厳密には、
「人手不足の環境下において、
設備投資、人材投資、公共投資、
技術投資という四つの投資が蓄積される」

結果として、経済の三要素
(資本、労働、技術」が強化され、
生産性が向上していく。
すなわち「経済力」が強化されていくのでございます。

人手不足の環境こそが、
生産性向上と経済力強化のチャンスです。

上記を理解すると、現在の日本において、

「少子高齢化により生産年齢人口が減っている状況で、
東京圏などの都市部に若者が流出する」

日本の地方、極端なまでに
人手不足が深刻化している地方にこそ、
人々が「豊かになる」機会が
埋もれていることが理解できるのです。

今後の日本の経済成長は、
亡国のメガロポリスたる「東京」ではなく、
人手不足がひたすら深刻化していく地方こそが牽引します。
地方経済の時代が来たのです。
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