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2019年03月28日22:38

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小林よしのりが語る「平成の天皇論」

■『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』の小林よしのりが語る「平成の天皇論」
(しらべぇ - 03月28日 10:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=202&from=diary&id=5556950
『漫画家の小林よしのり氏は、天皇・皇族を言論界で語るには欠かせない重要な人物だ。『天皇論』『昭和天皇論』『新・天皇論』を上梓し、どこかの学者よりも、専門的な知識に秀でていて、エンターテインメント性に優れている。

今は新しい『おぼっちゃまくん』(幻冬舎)、『ゴーマニズム宣言』(扶桑社)、『よしりん辻説法』(光文社)、『大東亜論』(小学館)に計4本を連載するほど、活躍中の大物。

還暦を過ぎたよしりん先生が天皇について、何を語るのか。1時間30分のロングインタビューを何回かに分けて掲載する。



■国民と同じ目線になって畏敬の念が高まった

———平成の御代もあと一ヶ月ですが、平成という時代における天皇・皇后両陛下をどう思われますか?


小林:今上陛下は昭和の時代の戦争の惨禍を、自分が引き受けようとなさったのだと思う。沖縄に特に強く思いを寄せられたり、あるいはペリリュー島まで行かれ、海外で戦死した日本人や相手方の魂を静めようとされた。



全部昭和の時代の癒やされなかった御霊を全部、ご自身が救わなければならないと思われた。その意志・行動を、息子である皇太子殿下に継がせようとしているのではないか……と察します。



被災地慰問などで膝をついて被災者に接せられ、『形だけの権威』ではなくて、昭和までは雲上人でいなければいけない、だから、目線は必ず上からじゃなければならない。それが天皇の権威だという、そういう感覚を(昭和までの天皇は)持たれていた。



昭和天皇がよく口になさった「あっ、そう」とか「朕はそう思う」というような権威を維持するための言葉付きとか態度とかは(時代状況により)必要だったわけだ。



それが平成の御代となり、天皇陛下が普通の人たちと同じ目線で同じ言葉で寄り添われた。しかし、その方が権威が高くなってしまった。それは奇跡です。



「権威をつくるためには、それなりの態度を維持しなければいけない」という風に保守を称する人たちは思っていたから、彼らは間違っていたんだよ。「膝をつくとは何事だ」とか「被災地のおぼあさんの肩を揉むとは何事だ」とか、いちいち文句をつけていた。



まったく国民と同じ目線になっても、もっと権威や天皇陛下への尊敬心や畏敬の念が高まった。保守派がまったく想像できないことでしたね。いまだに保守派は分かっていない。



■「保守派」は独善的

———退位をご表明なさったとき、保守を称する連中は反対しましたね。


小林:天皇陛下が退位を表明されたとき、保守から「天皇はお祈りだけすれば良い」という意見が出た。「体が悪くなろうとも、認知症になろうともいいんだ。ただ、生きていればいいんだ」といったり、「天皇は死ぬまでやるべきだ」と言ったりした。



保守というけど、全然、保守じゃない。きわめて独善的ですね。彼らが立つ立場は「ロボット天皇論」なんです。「自分たちが操縦すればいいんだ」ということでしょう?



畏敬の念を持たず(天皇陛下を)まったく人として見ていない。それで、政治利用だけする。


■保守は漸次的に変わるもの

———美智子皇后とご成婚なさるとき、保守・右翼が一斉に反対した姿に重なりますね。


小林:美智子皇后とご成婚なさるとき、保守は反対した。「民間人と結婚なんてけしからん」「粉屋の娘ごときと結婚して」と。それが、いまでは皇后陛下と言ったら、聖母マリアみたいな感覚すら(国民は)持っている。



常に「保守」という側がまったく天皇を理解していない。似非保守ですよ。明治の時の感覚に固執してしまっていて、保守というのも時代のバランス感覚をとらえて、変わるべきところは漸次的にも変わってもいかなければならない。



そうでなければ伝統は残らないということが、分からない。天皇陛下は分かっている。天皇陛下はバランス感覚が優れた伝統主義者です。「天皇、天皇」といっている連中がまったく伝統を分かっていない。



■英国のオーディエンス制度

———『よしりん辻説法』で英国王室のオーディエンス(謁見)を描かれましたね。つまり、象徴の女王として、首相にモノをいうべきことはいうが、首相はそれを断行する義務はない。ただ、博識な知識から発せられる女王の意見は聞くに値する。だから、首相も、言われたとおりする義務はないが、意見には耳を傾け、時には政策に取り入れる。日本もオーディエンスをやったらどうかと思いますね。


小林:わしも必要だと思う。わしはロボット天皇論の立場でない。政治利用だけすればいいというのは、天皇も皇族も人間だから、限界が来てしまう。



天皇というのは歴代の政権や政治家、首相を見てきている。もっと過去の政治も勉強して、頭の中に入っている。知識の宝庫だから、(天皇から意見を聞かないのは)もったいない。



沖縄県民だって琉歌を詠める人は限られているのに、今上天皇は琉歌だって独学で覚えて、詠めるわけですからね。とんでもないほどの知識があるわけだから、ご意見を聞かないのはあまりにももったいない。



イギリス王室のように首相が相談に行って、天皇陛下のご意見を聞く。それは全然おかしくない。左翼から(安倍首相のブレーンの)八木秀次・麗澤大学教授のような保守派までそれが憲法違反だというわけだけど、『君臨すれども統治せず』という言葉があるように、(天皇が)統治しなければいいわけです。



首相は相談しても、決めるのは首相です。それを拝聴して「なるほどな」と思って政策を変えるのは、天皇主権になるわけでなく、何も問題ない。意見を聞いて変える変えないは統治者である首相の自由です。そこまでやって、立憲君主制の意味が出てくる。



■世界に誇るべき象徴

———日本の天皇というのは、常に象徴的存在でした。しかし、今上陛下ほど、象徴とは何かをお考えになり、象徴に徹された天皇はいなかったと思います。


小林:陛下自身にとってみても、象徴ってものかどういうもとであるかとずっと考えてきたということはおっしゃってましたし、それで結果として、こういうものだったということは言ってません。



結局、象徴のなんたるかは永遠に考えていかなければいけないことでしょうし、たしかに象徴・シンボルというものは非常にわかりにくい言葉だから、どうやれば「国民統合の象徴」、つまり日本人すべての象徴になれるのか…………を追究するのは、やはり大変なことだと思いますよ。



日本人にとって一番良識的な部分・倫理的な部分は天皇に託してしまっているわけで、普通の日本人はああいう優しい感じの方がいらっしゃってよかったなぁとか、品位を保ってくれる方がいてよかったと思っているだけだ。



国民はそう絶対に思っているはずなんですよね。天皇がいなくなったら、トランプが出て来るわけなんですよ。アメリカは暴言だらけで、差別感情をむき出しにする。



そういうのが自分たちのトップであるわけです。それは恥ずかしい。そういうひどい発言を続けているのが元首になっちゃうわけだ。



でも日本は天皇陛下が世界に向かって恥ずかしいとか誰も持ってないからね。むしろ世界に誇るべき象徴だと、 思っているわけだ。そう思えるように行動して来られたということは普通の人間ではできない。わし、なんか絶対いやですよ(笑)

・合わせて読みたい→平成の御代を振り返る 玉城デニー知事に聞く「陛下は沖縄に寄り添われた」
https://sirabee.com/2019/03/06/20162030246/

(取材・文/しらべぇ編集部・及川健二)』
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