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2019年03月20日10:45

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つながり不安

 昨年の秋だと思いますが、NHKで「つながり不安」という特集番組がありました。

 現代の若者は、インスタグラムやツイッターなどのSNSで沢山の友達と繋がり、一見充実した人間関係が築けているように見受けられますが、実は多くの若者がそのつながりに不安を抱えているという内容です。

 私自身も若い世代と接する中で、そのように思うところがよくあり、今日はそのことを書こうと思います。

 若い人がつながりに不安を感じるというのは、要するに悩みごとを相談する人がいないということで、確かにSNSの投稿を見ていると、「どこに行きました。」とか「何を食べました。」「デートしました。」などなど、嬉しいことや楽しいことをアップしては「いいね!」の評価をもらう仕組みで、悩みや不安などはほぼありません。

 人生には良いことばかりはありませんので、誰の日常生活にも悩みはあり、まして社会人になれば様々な悩みを解決しながら仕事をしていくのは簡単ではありません。

 私も5年程サラリーマンをやりましたので、社会人一年目の辛さは分かっていますが、近年社会人一年目になって、仕事上の悩みを私のところに連絡して話す子が多くなって来ています。

 話を聞いてみると、我々が新人時代を過ごした20年前とはだいぶ状況も変わり、上司や先輩は優しくなり、残業などもかなり減って環境自体はかなり良くなっている印象ですが、それでも毎日会社に行く辛さは変わらず、「辞めたい…」という相談は頻繁にあります。

 一例を挙げますが、おととしから去年にかけて、辞めたいという相談に始まり、仕事上の不安がうつ病なのではと治療を勧めたり、結局その会社を辞めて、今度は再就職活動が厳しい状況になりながらも何とか再就職し、そこでもまたなかなか上手くいかずという感じで、何度も何度も連絡が来て、時に泣いてしまったりという女の子がいました。

 その子は不登校で面倒を見ていたわけではなく、普通に塾の中2からの生徒で、高校受験と大学受験を指導し、ともに中堅上位の学校に合格させた子です。

 比較的仲の良くなった学年で、彼女が学生になった後も数回その学年の元塾生の飲み会に誘ってもらったりした仲ではあるものの、そのような相談は私でなくてもお友達や家族にすれば良いのではとも思いますが、実際にそういう相談はなかなかできないんだそうです。

 何度か他に相談できる人はいないのかと聞いたところ、「親に言っても解決しないし、友達にそんなこと言ったら嫌がるだけだよ。」と言っていましたが、なるほど現代はそういう時代なのかなと実感します。

 その子は今はだいぶ落ち着いたようで、新しい職場も私のいくつかのアドバイスが効いただけではないとは思いますが、恐らくは環境に慣れても来て、時々アップされるインスタグラムではお友達と美味しいお店に食べに行ったり、旅行に行ったりもして楽しくやっている様子です。

 そういう様子を見ていると、悩みを相談できる人というのはなかなか貴重で、その人のマイナスな面を受け入れて親身になってあげられる存在は特に今の時代においては簡単ではないのだなと深く考えてしまいます。

 私は地域の個人塾を営む者として、このような役割はこれからも時間とエネルギーの許す限りやりたいと思いますし、これからの生徒達にもそういう風な人間だと考えてもらえるように自分自身を高めておきたいと感じています。

 悩みを打ち明けられる存在がいないことだけで、とてつもない窮地に追い込まれることも多々あるはずで、若い世代には、単なる友達ではなくそのような存在を見付けられるように、そういう人間関係を築いていけるようにサポートする必要もあるはずです。

 「つながり不安」は一見楽しそうで苦労のないように見える若者世代の、一番大きな問題と言っても過言ではありません。
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