昨年末、NGOでは、ミンダナオ島・イリガンにおいて、マラウィでの内戦による避難民の支援活動を行った。
イスラム過激派と政府軍の内戦により戒厳令が続くミンダナオ島・マラウイ。
内戦の背景にはフィリピンでの圧倒的多数派のキリスト教徒による、イスラム教徒への様々な差別がある。
しかし、周辺の町を見てもわかるのだが、表面的にはもう当たり前のようにムスリムが町を歩き、レストランでも「豚肉無しメニュー」や、食材やお菓子にも「ムスリムOK」みたいな表示がしてあったりで、すっかりその生活に溶け込んでいるようにみえる。
しかし、そんな表面的なことではわからない問題がたくさんあるのだろう。
それを不満に思い、また、差別による貧困に苦しむイスラム教徒の人たちの一部が過激派となり、もうずっと昔から小さな紛争が続いていた。
日本ではまったくといっていいほど報じられないが、欧米人がたまに誘拐されてたりもした。
しかしそれは本当に小規模な反乱に過ぎなかった。
だが、、、
ISを始めとする中東でのイスラム過激派が勢力を強めるに従って、この小さなイスラム過激派が、それらの組織を同盟を組んだりして、その状況が変わっていった。
そして、中東において討伐された残党や武器がアジア、ここに流れ込み、逆に、この島のイスラム過激派の勢力が増した。
それは大規模な戦闘に広がり、多くの住民が被害を受けた。
内戦により家を壊された人々は、周辺の地域、多くはマラウィのすぐ隣のイリガンに避難し、政府やNGOの支援もあり、多くの避難所が設置され、そこでの生活を余儀なくされた。
また、それが本当に深刻な問題を背負い、複雑な思いにさせられるのは、
その背景が何であれ、こうして多くの避難民を生む直接の原因は、イスラム過激派が起こした戦争で、しかしそれはイスラム教徒の居住区で行われ、被害を受け、家を破壊され、多くの死傷者がでて、避難所生活に苦しんでいるのも、また同じイスラム教徒だということ。
戦闘の激化により戒厳令が発せられ、故郷を追われて、被災者たちの、各地の避難所での生活は、もう2年になろうとしている。
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今回、NGOでは、そんなイリガンの避難所において食料配給等の支援活動を行った。
しかし、ここは、先ほど触れたような、政府が設置した避難所ではなく、避難民による自主的な避難所であり、よってほとんど支援が受けられていない。
現地のNGOによる支援もあったようだが、住民によると、もう8ヶ月、何の援助もない、ということだ。
もともと差別的扱いを受けていたイスラム教徒が、家も仕事も失い、他の場所に避難し、支援も受けてもいない、、、
それが今回、NGOが支援活動をした人々だった。
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実はここに至るまではとても大変だった。
自分たちのNGOは、ふだんセブ島で活動している。
しかし、この支援の話を、いつも一緒に活動しているスタッフや、提携団体のリーダーとかにしたら、みんな、「バカげてる」「死にたいの?」「誘拐さるよ」という反応で、協力どころの話じゃなかった。
でも、思った。
よく言う「今、できることを精一杯」、、、
本当に困っている人たちのために、自分が今、できること、、、
それがもしシリアとかだったら、ただの一般人の自分には何も手を出せない。本当に死ににいくようなものだ。
しかし、同じ内戦でも、ここはフィリピンだ。
長年、関わってきて、ある程度勝手もわかってるし、知り合いもたくさんいる。
だから、
自分にも何かができる。
何か、「今できる精一杯」をしなければならない、、、
そして、動き出した。
たくさんの知り合いに声をかけ、つながり、興味を持ってくれた人と話し合い、やっと2人の協力者が生まれた。
ひとりは、もともとの知り合い、
そしてもうひとりは、数年前、NGOでの活動の中でよく世話をした子、のお姉さん、だ。
初めて会うことになるのだが、なんてっても真剣な意味で、その人の命を守る責任がある。
だから、毎日といっていいくらい、いろんなことをチャットで語り合った。そしてわかり合い、信頼関係を築いた。
(とはいえ、向こうはもともと自分のことを知っていたのだが)
彼女が自分に投げかけてくれた言葉、、、
you're an angel sent from above...
ただ、彼女もいろいろ心配だったのだろう、
ふと、こんなことをつぶやいた、、、
Take care of me in Marawi, ok ?
こう答えた。
Yes, of course.
I will protect you from everything..
もうひとり、、
彼女はもともと地元で小さな支援活動をしている学生で、それもあって声をかけたのだが、
彼女はこう言ってくれた、、、
Thanks to you... It's going to be a dream come true for me...
困難な状況にある人々の救いの声に応えるために、
そして、ふたりへの責任と夢をも背負って、
少しずつ、手探りで、
それでもなんとか前へ進んでいった。
何かが起きることも覚悟はしてた。不安もたくさんあった。
でも、なんとかなるんじゃないか、と、自分の覚悟と使命を信じて、勇気を奮い立たせながら、
一歩一歩、きっと明日への希望へと繋がる、今は何も見えてこないけど、でも、そんな未来への道を作っていった、、、
(続く、、、)
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( part 2 )
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《 フィリピン・ミンダナオ島における、内戦による避難民への救援活動についての、ご協力のお願い。》
https://www.facebook.com/hopeyumekake/posts/1227973414018473
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