mixiユーザー(id:25849368)

2019年01月27日23:56

222 view

魔法少女の系譜、その93

 今回の日記は、断続的に連載している『魔法少女の系譜』シリーズの一つです。前回までのシリーズを読んでいないと、話が通じません。

 前回までのシリーズを読んでいない方や、読んだけれど忘れてしまった方は、以下のシリーズ目録から、先にお読み下さい。

魔法少女の系譜、シリーズ目録その1(2014年01月22日)
http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=25849368&id=1920320548
魔法少女の系譜、シリーズ目録その2(2018年12月24日)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1969682470&owner_id=25849368

 今回は、新しい作品を取り上げる予定でした。
 けれども、前回までの『ゴワッパー5 ゴーダム』で、少し、書き残したことがありました。まず、それを書きます。

 ゴワッパー5の紅一点ヒロイン、岬洋子は、魔力や超能力を持たない、普通の人間です。彼女が超常的な力を発揮するのは、ゴーダムや、ゴワッパー・メカに乗る時だけです。ロボットのゴーダムや、ゴワッパー・メカが、「魔法道具」なわけです。「魔法道具」としては、すいぶん大道具です(笑)

 『ひみつのアッコちゃん』のコンパクトのように、彼女だけが使える、小道具の「魔法道具」があれば、堂々と、魔法少女(狭義の魔法少女)と言えるでしょう。
 しかし、ヒトが乗りこむロボットでは、「魔法道具」としては、大き過ぎます。しかも、ゴーダムは、洋子だけでなく、他の四人の「魔法少年」たちも一緒に乗らないと、動かせません。
 これでは、広義の魔法少女とは言えても、狭義の魔法少女とは言えないでしょう。『ゴワッパー5 ゴーダム』という作品は、ジャンル分けすれば、ロボットものです。「魔法(少女)もの」とは、言いがたいです。

 このあたり、線引きが難しいです。でも、どこかで線を引かないと、分類できません。ものごとを集めて研究するのに、分類は、基礎となります。大切なことです。

 より正確に言えば、『ゴワッパー5 ゴーダム』は、ロボットものと魔法ものとをつなぐ「失われた環【ミッシング・リンク】」です。前回にも、書きましたね。ロボットものの定型には収まりきれませんし、魔法ものと言うには、ためらわれます。
 どちらの側からも紹介されにくいために、『ゴワッパー5 ゴーダム』は、二〇一九年現在では、忘れられた作品になってしまっています。ゲームの『スパロボ』シリーズに入っていないあたりが、本作の立場を象徴しています(^^;

 だからといって、決して、忘れられていい作品ではありません。一九七〇年代に、先進的な試みをした作品として、評価されるべきです。

 岬洋子の造形については、まだ、特筆すべき点があります。
 彼女は、狭義の魔法少女とは言えなくても、戦闘少女であるとは、はっきり言えます(^^)

 ゴーダムやゴワッパー・メカに乗らなくても、洋子は、個体戦闘能力が強いのです。スポーツ万能で、回し蹴りが得意です。中学三年生の少女ですが、下手な大人よりも強いです。ゴワッパー5の男の子たち―全員、小学生ですね―と比べても、一番、個体戦闘能力が高いです。

 ゴーダムに乗っても乗らなくても、洋子は、戦闘少女です。この人物造形は、一九七〇年代の日本では、極めて珍しいものでした。
 洋子は、『リボンの騎士』、『好き!すき!!魔女先生』、『キューティーハニー』、『ラ・セーヌの星』などの衣鉢を継ぐ、日本の戦闘少女でした(^^)


 さて、『ゴワッパー5 ゴーダム』は、タツノコプロの制作したテレビアニメです。タツノコプロと言えば、『ゴワッパー5 ゴーダム』の前に、『科学忍者隊ガッチャマン』などを制作していました。当時、気鋭のアニメ制作会社です。
 『ガッチャマン』チームの紅一点、白鳥のジュンの造形が、岬洋子に似ていますね。チームのリーダーではありませんが、白鳥のジュンも、個体戦闘能力が高いです。チームの仲間と一緒に、大型戦闘機ゴッドフェニックスにも乗ります。アニメの女性キャラクターについて、先進的な試みをしていた会社と言えますね。

 そのタツノコプロの制作したテレビアニメで、一九七〇年代に、やはり、先進的な作品がありました。
 『タイムボカン』です。昭和五十年(一九七五年)から昭和五十一年(一九七六年)まで、放映されました。後半は、『ゴワッパー5 ゴーダム』と、放映期間が重なっています。

 『タイムボカン』の主役は、二人でした。男の子と女の子、一人ずつです。
 男の子の名は、丹平【たんぺい】です。名字は、不明です。中学一年生の十三歳です。
 女の子の名は、淳子【じゅんこ】です。こちらも、名字は不明です。小学五年生の十歳です。

 淳子の祖父に、木江田博士【きえたはかせ】という天才科学者がいます。父方、母方、どちらの祖父なのかは、わかりません。丹平は、博士の助手をやっています(中学生なのに?(笑))
 木江田博士は、タイムマシンを発明して、タイムボカンと名付けます。博士は、その試運転に出かけたところ、どこかへ消えてしまって、タイムボカンだけが帰ってきます。丹平と淳子が、博士を探すため、タイムボカンに乗って、いろいろな時代へ旅をします。

 タイムボカンだけが帰ってきた時、タイムボカンには、博士のペットのオウムのペラ助と、ダイナモンド―ダイヤモンドではありません、ダイ「ナ」モンドです―という宝石とが乗っていました。ダイナモンドは、世界最高級の宝石ということになっています。
 この宝石を狙って、悪いやつら三人組が、丹平と淳子を追い回します。マージョ、グロッキー、ワルサーの三人です。マージョだけが女性で、彼女が悪玉のリーダーです。

 日本のアニメファンなら、御存知でしょう。『タイムボカン』は、たいへん好評を博しました。当初の予定が延長されて、三クールも放映が続いたほどです。
 好評のため、『タイムボカン』の後も、似た作品が作り続けられました。『タイムボカン』シリーズとして、現在まで、語り継がれていますね。

 シリーズの記念すべき第一作、『タイムボカン』で、「少年と少女、一人ずつが主役」という型が決まりました。「悪役は、女性一人、男性二人の三人組で、女性がリーダー」という型も、決まりました。

 丹平と淳子とは、超能力も魔力も持ちません。代わりに、タイムマシンという「魔法道具」のタイムボカンを使います。
 魔法少年と魔法少女とが、仲良く活躍するシリーズの始まりです(^^)

 今回は、ここまでとします。

2019年02月07日追記:
 この日記の続きを書きました。
 よろしければ、以下の日記もお読み下さい。

魔法少女の系譜、その94(2019年02月06日)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970289624&owner_id=25849368


3 2

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する