mixiユーザー(id:16748406)

2019年01月24日10:15

114 view

落語 富久 考察

昨日は午前中に雑用を片付けて落語協会へ
13時から二階で、はな平君の【富久】の上げの稽古。
一通り聴いてから色々駄目出し。

先ず、お金の価値観 突き止め(一等賞金)千両です。
今の貨幣価値にすると色々換算方法が有りますが、二億円です。
その札を買うのが一枚一分です。
*一分は一両(20万円)の四分の一 で五万円です。
お金を出す時の仕草の中に、その思いを込める事。
談志師匠は、台詞で「いいのかい? しごんちくいつなげるよ?」とホローしてます。

御神酒を上げて大神宮さまの中に「お札」を納めます。
その後 の色々は黒門町型は有りますが、志ん生型はあっさりしてます。

火事発生 長屋の住人の会話に寒さを感じさせる
志ん生師は、なにも言わないのですが志ん朝・談志の両師匠は言葉で補ってます。

駆けつける時の言葉「火事はどこだ、牛込だ 牛の睾丸(きんたま)丸焼けだ!」
きんたまの部分を言わないんですが、この言葉を今の若手は知らないんですね。

火事場の騒ぎは地に返って説明します。
その後 は旦那と久蔵の会話に愛情がある事・・・これが意外と難しいです。
帳付けは、文楽型は丁寧に描いてますが志ん生型はあっさり。

見舞い酒を呑む久蔵
ここの描写が難しいんです。廻りの人達から睨まれているんです。
幇間が大店(おおだな)では、大変重要な役目をしてました。
詳しい事は小山観翁著 「落語鑑賞の基礎知識」三省堂選書112 に書かれてます。
その冷たい視線の中での久蔵のひとり事 難しいですね。

酒に酔って寝潰れて・・・旦那が久蔵がしくじった顛末を話します。
ここが一番大事です。
久蔵は酒乱ではありません!。
呑むと楽しくなってしまう性分なんです。
その背景にある事を今日は具体的に話ました。
そして卑近な例も教えました。納得して呉れた様です。

帰りの道のりも前とは違う形で戻ります。
こう言うところを良く見て欲しいですね。

帰宅して自分の家が焼けた事を知り、がっかりして芝・久保町の旦那の店へ。
ここで旦那の力量の見せ所と温かい言葉で大きさを出します。
地に返り、幇間久蔵の気持ちを言い人形町界隈へ。

椙の森神社の「富籤の現場」へ。
当て様とする観客の描写は丁寧に遣る事。
突き止めの描写も丁寧にして、久蔵がへたりこんで担ぎ上げて社務所へ。

売った「文さん」と云う名前の時も有りますが、言わなくて「あっ 旦那!」
この声が難しいんですが、嬉しさいっぱいで少しの不安。
お金の掛け合い、とんとん運ぶ様にして、最終的にも駄目で・・・。
やけくその捨て台詞をきっぱり言い、泣きながら歩く。
頭(かしら)から声を掛け自宅へ引っ張って来て、大神宮を受け取り。
扉を開ける 所作は丁寧に開け 有った時の喜び!
イッキに下げへ。

これで40分以上掛かります。
独演会で口演する様ですので、時間の合う方はぜひ見に行って下さい。
3 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年01月>
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  

最近の日記

もっと見る