そもそもこの大学の入試改革が考えられたのはどういった理由があるのでしょうか?
表向きは教育を国際水準に高めるためとか、新しい時代への競争力に対応するためなどと言われており、それは嘘ではないとは思いますが、実はその裏には大きな理由が隠されています。
それは、もちろん少子化で、子供が少なくなれば行政でする教育関係の仕事量も必然的に少なくなってしまうので、まずは既得権を減らすことなく、仕事を維持しようとするのが実際問題であるはずであり、それに乗じているのが同じく少子化が問題となる塾などの教育産業なのです。
まずはこのことを頭に入れるべきで、表向きの理由は、後付けとまでは言わないとしても、二つめの理由であるということです。
大学入試改革がそういうある種のいやらしい問題から導かれていることは、様々な経緯を考えると手に取るように分かるもので、とりあえずできるだけ大きな風呂敷を広げて、その後段々とトーンダウンしていってのは、その象徴的なことだと思われます。
センター試験に代わる新テストは、記述問題が多数導入されるとなっていますが、数年前に都立高校入試で記号問題でさえも採点ミスが多発し、本来合格基準に達していた多くの受験生が不合格になったというのに、本当にどの程度取り入れていくのかはまだ不透明です。
それでは2020年以降に、受験生となるお子さんのいるご家庭は、現段階でこの問題をどう考えれば良いのしょうか。
私はその答えとして、二つのキーワード「文系の数学」と「理系の国語」を挙げておきたいと思います。
これまで一般的な私大の大学入試では、文系は英語、国語、社会の3教科、理系は英語、数学、理科の3教科で受験することができました。
しかし、この流れが、恐らくは私立上位から変わり始め、今後は4教科受験がスタンダードになる可能性はそれなりに高いです。
実際に大学入試改革で抜本的な改革をするのは簡単ではなく、だからこそ実態がいまだに見えてこないわけですが、受験科目を増やすことであれば比較的容易でもあり、例えば学校の先生の仕事もそれなりに増えたりもするのです。
事実、早稲田大学が私大の先頭を切って4教科受験の導入を発表しているのですが、次回はそのことを踏まえ、さらに具体的に踏み込んでいきたいと考えております。
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