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2019年01月07日12:44

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シュッツ室内合唱団京都公演

正月休み最終日の昨日、日帰りで当間先生のシュッツ室内合唱団の京都公演を聴きに行ってきた。演目は二つ、まずは間宮作品コンポ5鳥獣戯画

この作品は、NHKによる委嘱で1966年、間宮先生ご自身の指揮で東京放送合唱団にて初演、混声合唱と2人の打楽器奏者、コントラバスという編成だった。間宮先生のテーマとしては、「声と音の身ぶりによって『可笑しさ』『わらい』をあらわすという新たな実験」ということで、歌詞は囃子詞が大部分、これは4番までのコンポを踏襲している。聴いた感じとしては、このテーマをきっちり表現しながらも、50年以上も前に作られたとは到底思えない、現代的な音楽の感じもした。しかしそれをきっちり表現してくるこの合唱団のポテンシャルの凄さには、改めて感心させられた、しかも演奏会が立て込んでいる中で・・・

2ステ目は、佐々木幹夫氏の台本に西村朗氏が作曲した室内オペラ「清姫ー水の鱗」だった。歌舞伎などで有名な安珍清姫道成寺のお話しなのだが、佐々木氏は今までとは異なった解釈でオリジナルの台本を作られていた。で、私は一昨年前にこのオペラを東京の別団体で聴いていたので今回は2回目だった。シュッツの演奏会なので、主演の2人も合唱団の方々もほぼ知り合いで夏合宿などでは一緒に歌っている人たちなのだが、そんなことは超越して、もう「日本語でのオペラはこの形がベスト」かなあと私に感じさせた。

当間先生の合唱アンサンブルの組立というのは、男声そして男声っぽいアルトによる十分な倍音による土台に、究極的に軽いソプラノを合わせた形で純正ハーモニーの美しさを表現する。そしてそれに必要となる発声から作っていく。今回のソリスト、特にソプラノはまったくその形式、というか見本(まだまだ若い方なのだが・・・)になるような発声でソロを歌っていた。

通常、オペラというとガンガンに響かせホールを鳴らす感じなのだが、それで日本語のこのオペラを歌うと、もうひとつ日本語のテキストとその表現、哀愁みたいなものが伝わってこない。それが今回は、細くて軽い、しかし客席まで十分にテキストを届ける歌唱だった。この歌唱により清姫の心情が同じ日本人の私には届いてきた感じがしている。
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