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2019年01月01日04:36

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スライムの野望 かなり面白いです

2018年10月22日のツイート

3DSのゲーム「スライムの野望」。最初はスマホでリリース、それから各機種版が出た。3DS版は500円。クォータービュータイプのシミュレーションゲーム。スライムたちを動かして人間をのっとり、戦う。かなり面白いです。

マーセナリーズサーガ2をクリアして先が見えたので、次に何やろうか、3にしようか、と思っていつつ、ではちょっと毛色を変えてスライムの野望をやってみるか、と始めた。これが大当たり。マーサガも面白かったが、単純に比較はできないがゲームの面白さとしてはスライムの野望の方が飛び抜けてる。

スライムの野望はゲームデザインが相当よくできている。マーサガは言ってみればTO・FFTの延長で目新しさがなく、ゲームデザインとして独自に考えられたものがほとんど見えない。TO・FFTが面白いからマーサガも面白い。これは批判ではなくて、面白いということとその理由、みたいなことを言っている。

対するにスライムの野望は、これもTO・FFTの延長ではあるのだが、ひとつクリティカルなアイデアが強烈に働いている。それが主人公がスライムで人間をのっとって戦うということ。厳密に言えば、スライムが主人公というのはあったし、のっとるというのもレリクスという超古いゲームからすでにあった。

結論を言えば、この組み合わせがクリティカルということ。今スライムといえば、ドラクエで最初に戦う超弱いがかわいいモンスターとして、すでに非常に高い認知度がある。まずここに優れたキャラクター性がある。一方このドラクエによって作られたスライム像とは別に、本来のスライムというものがある。

本来のスライムはモンスターでもなくドロドロとした粘液のようなもので、有名なのは緑色のおもちゃとしてのスライムがあり、さらにこれをモンスターとして考えられたときは「物理攻撃が効かない」という強さがあり、燃やしたり魔法が効くという弱点を持っていて、決してザコということではなかった。

このようにスライムというものには、歴史もあって認知度も高く可愛さも兼ね備えた優秀なキャラクター性があるのだ。ここに「人間をのっとる」という特性を加えたのが、何気に実は素晴らしいアイデアだ。なんかスライムって人間をのっとるとかやってそう。でもあまり見ない。それをやらせた。という。

で、このいろんな意味で強力な「人間をのっとるスライム」を、「TO・FFTのゲームの世界に攻め込ませる」とどうなるか、というのが、スライムの野望というものだ。ゲームデザインからしてみれば。実はスライムの野望はマーサガより、TO・FFTの要素を大事に使っていたりする。見た目からは分からないが。

スライムの野望では、TO・FFTにあったように人間に性別があって、そのことにゲームシステムに則った重要な意味が持たせてある。しかもこれについては本家TO・FFTを超えている。これは、結婚して子供を作れるとかそういうことではない。主人公は人間ではなくスライムで、スライムに性別も子作りもない。

システムから説明していくと、スライムが人間をのっとろうとするとき、人間の職業によってはそれが難しいことがある。スライムは人間の口から体内に侵入してのっとるのだが、例えば装甲兵とかは装備がガッチリ固めてあって入り込めないのだ。

そこであるスライムが「溶かす」という技で装備を溶かし、スライムが入りやすくする。装備を溶かされた人間は下着姿や裸になってしまう(3DS版は水着)。これをのっとると1回だけ、人間の異性に対し「誘惑」ができる。誘惑された人間は3ターン、スライムの味方になるのだ。

もちろん裸になると弱くなるが、溶かされた装備はターンで復活する。それまでその人間はその場から動かなくなるので、なるべく復活する直前にのっとるか、誘惑が使えるし裸になって移動距離が伸びるので早めにのっとって逃げるか、復活する前に倒してしまうといいということになる。

どうですかこの戦術性。見た目とは裏腹に、ふざけたゲームではまったくないのだ。性別に関してはそれだけではない。女性をのっとるとパワーアップ、裸だと逆にもっとパワーアップ、というスライムもいる。その名はスケベースライム。装備を溶かす能力も兼ね備えたスーパースケベーという上位種もいる。

そして属性要素。属性は3つしかない。火、水、草。この単純な三すくみが分かりやすくて、やってて面白い。じゃんけんが悠久不滅のゲームたるゆえん。スライムは種類によって属性は固定、人間は性別・職業・属性はバラバラ(マップで固定)。同属性をのっとればパワーアップ。戦術を考えられて面白い。

これは単純化の面白さだ。大戦略という複雑なゲームを、ファミコンウォーズは単純化して誰でも楽しめるものにした。こういう考え方は大歓迎だ。ユニットの属性は多いほど戦術に使えなくなる。この敵に強い属性をここに持ってきて…とか考えなくなる(手先の攻撃の属性を選ぶ)。存在の意味が薄くなる。

このユニットはこの属性、攻撃も魔法もその属性で固定、となっているので、「マップ上で駒を動かして敵にぶつける」というタクティカルゲームの根本の面白さと、属性は3つという単純な三すくみのエッセンスの面白さが、ビビッドに結合している。この単純化の面白さはある意味本家TO・FFTを超えている。

今のゲームだったら入れておきたい要素がそつなく入っている、というところもスライムの野望はしっかりしている。スライムは33種類でレア度や能力に差があり、戦力としても増やしていきたいが、これはマップクリア時にマップごとに決まった中からランダムで1匹もらえる。こういうのはやっぱり楽しい。

加えて戦場でのっとれる人間の職種が30種類、その中で有能で使いたいものはスライムも人間も限られてきてしまうが、ゲームを楽しむためのバラエティの豊かさは申し分ないレベルにある。

スライムはスライムのままで戦うのはあまりにも弱いので、戦うのであれば必ず人間をのっとる必要がある。のっとる人間はそのマップに配置された人間から選ばないといけない。ある意味勝手に選べない、この中から選べという現地調達制。で、そのためにどういうスライムを出撃させるかを考える、という。

のっとった人間はそのマップでしか使えないが、あるスライムは人間をのっとったまま別マップに数回持ち越せる。つまり難しいマップなら別マップから有能なユニットを連れてくることもできるのだ。そういうことも用意されているというのもそつがない。
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