むかしむかし、あるところに、仏さまをいっしょうけんめいおがんでいる
おばあさんがいました。
おばあさんは、毎日のようにお寺にお参りして、
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ・・・・・」と、おがんでいました。
おばあさんは、もうすっかり年をとっていて、早く極楽から御迎えがこないか、そればかり考えていました。
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、もう生きていてもしかたがありません。仏さま、どうぞ1日も早く、わたしを御迎えに来てください」
それを聞いていたお寺の小僧さんは、(🤔あんなことを言ってるけど、本当に早く死にたいのかどうか、一つためしてやろう)と、思いました。
そこである日、仏壇のうしろにかくれて、おばあさんの来るのを待っていました。
やがて、おばあさんがやって来て、いつものようにおがみます。
「ナムアミダブツ、ナムアミダブツ、早くわたしを楽にしてください」
そのとたん、小僧さんが言いました。
「よしよし、そんなに言うのなら、明日、いよいよ迎えに来てやろう。極楽に行ってゆっくりするがよい」
さあ、それを聞いたおばあさんはビックリです。
「いえいえ、まだ、わたしは生きていとうございます。御迎えに来るのは、う−んとう−−んと先にしてください」
おばあさんは、たたみにおでこをすりつけると、何度も何度も頭をさげました。
🤨「まだ死にたくないのなら、なぜそんな事を頼むのじゃ?」
「いえ、その、あれは、ほんの冗談です。さっきのお願いはとりけしますから、どうぞ長生きさせてください」
小僧さんは、おかしくて笑いたくなるのをジッとがまんしていました。
さて、しばらく不思議そうに仏さまを見ていたおばあさんは、
「この仏さまは、なんてよくわかる仏さまじゃろ。これじゃ、うかうか、お参りもできないねえ
」と、言いながら帰っていったという事です。
ちゃんちゃん
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