国家の社会構造や国民の「考え方」、
さらには歴史の流れに影響を与えるものとしては、
「経済」以外にも「文化・伝統」
「国土的条件」「地政学的条件」など
複数の要因が存在しています。
例えば、日本が皇統を維持してきた理由が
「経済」であると言われても、無理があります。
皇統は、日本国の伝統です。
伝統とは、様々な「ルート」の中
で最も優位性があったからこそ、
長期に渡り維持されてきたと理解できます。
皇統や皇室が
「伝統」として相応しくなかったならば、
二千年を超す長期間、継続するはずがないのです。
というわけで、
唯物史観は「完全には正しくない」のは確実ですが、
現在の日本国民の「投資意欲減退」については、
相当に当てはまるように思われます。
97年の橋本緊縮財政で
日本経済がデフレ化し、
国民の貧困化が始まりました。
結果的に、
日本人は政治家を含めて
「カネ、カネ、カネ」となってしまいます。
デフレ期には物価が下がり、
逆に「カネ」の価値が上がっていく。
さらに、需要不足で、
その肝心の「カネ」を稼げない。
「カネ」が貴重化していくわけです。
別に日本人に限らず、
デフレ期の人々は
「カネ、カネ、カネ」になるのです。
現在の日本人のカネ至上主義は、
まさに唯物史観により説明できます。
経済が「需要<供給能力(マルクスの言う生産諸力)」
の状況になり、物価と所得が縮小していくからこそ、
日本人の「思想」において
「カネ」が中心を占めるようになってしまったのです。
そして、カネ至上主義は
「未来への投資」を妨害します。
「日本国家の未来を考えるなれば」、
リニア新幹線は早期に
大阪まで開通させなければなりません。
「日本国家の未来を考えるならば」、
国際リニアコライダーは
北上に建設しなければなりません。
無論、リニア新幹線大阪延伸や
ILC建設には「カネ」がかかります。
だから、何だというのでしょう。
「日本国家の未来を考えるならば」、
精々が数兆円の「カネ」など、
少なくとも国家としては惜しむべきではないでしょう。
といった真っ当な考え方を妨害するのが、
日本に蔓延した「カネ至上主義」なのでございます。
経済がデフレーションに陥り、
国民にカネ至上主義が蔓延った結果、
リニア新幹線は大阪に延伸されず、
ILCは辞退。日本国は加速的に衰退していく。
逆に言えば、
デフレから脱却しさえすれば、
日本国民の考え方も変わり、
未来のための投資も増えるでしょう。
とにもかくにも、経済なのですよ、問題は。
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