90年代のこと

『90年代のこと　僕の修行時代』堀部篤史著

おもしろい！

昼休み、のぞいた蔦屋家電の新刊コーナーにあった。
本屋に関する本がセレクトされた一角で、
シンプルな表紙、シールのタイトル、簡潔な帯。
はじめの「バック・トゥ・ザ・パラレルワールド」を立ち読みして、
共感！　
文章の、平熱に抑えた感じも好きで、翌日購入しました。

1977年京都生まれの著者。
私に取っての90年代は大学生以降ですが、
彼に取っては中学生以降。
いっちばん自分の素になる影響のある時代だと思われます。
知ってる事象だし、知ってる流れだし、関西人だし、
よりわかりやすく、大切に読みました。

特にダウンタウンはめっちゃおもろかった。
松っちゃんに対する見方も、自分の思ってたことが具体的に言葉になったよう。

タモさん、ツインピークス、クリネックス、バンド募集の張り紙。
単語書き出してるだけでにやつくやん。
単語はいっぱい出てくるけど、どれもこれも、
著者のセレクト（編集）が全てに繋がっていく感じ。
ダウンタウンのとこで甲本ヒロトが出てくるよろこび。

なんとなく感じてた
SNSでのみつながってるような今へのぼんやりとした居心地のわるさが
言葉になっている。
あと、特別ではない、ふつー、に関する意味づけの気持ちわるさ。
ネットだと自分が選んでいくものからしか広がらないけど、
今回、本屋でぶらりしていて出会った本、ってとこも、
この本に書かれていることとリンクして、うれしい。
こんだけ熱い気持ちを淡々と冷静に盛り上げず（一部盛り上がる）書けるってすごいなー。

来年の京都旅行では、誠光社に行ってみようーっと。