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2018年12月04日00:06

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次なる覇権国

ポール・ケネディの「大国の興亡」では、
ハプスブルク帝国(スペイン)以降の

世界の「覇権国」あるいは「大国」の興亡が、
壮大なスケールで描かれています。

日本人が特に注目すべきは、
産業革命以降の世界です。

イギリスで産業革命が本格的に始まる前、
1750年の時点では、

中国(大清帝国)は世界の工業生産の
33%を一国で占めていました。インドは25%。

中印両国だけで、
世界の工業生産に占めるシェアが
何と50%を超えていたのです。

その後、産業革命により
イギリスを中心に欧州の生産性が急増。

欧州諸国が生産した製品が、
「自由貿易」の名の下で、

中印を含むアジア、アフリカ、アメリカの
市場に雪崩れ込んでいきます。

結果、1900年時点で、
中国の工業生産は世界のわずか7%、
インドに至っては2%にまで落ちぶれてしまったのです。


「大国の興亡」を読むと、

国家の「軍事力」が
工業生産力を中心とする「経済力」に
依存することが分かります。

産業革命により、イギリスやドイツ、
さらにはアメリカなどの
経済力≒軍事力が膨張する反対側で、

中国やインドは「最貧国」へと落ちぶれ、
植民地と化していきます。


帝国主義国を「帝国主義国」と化したのは、
軍事力とそのバックボーンである
経済力、工業生産力なのです。

上記を理解すると、
中国が「メイドインチャイナ2025」を打ち出し、
全ての製品について上流から下流まで
「自国生産」を実現しようとする意図が理解できます。


さて、軍事力の背骨たる経済力とは、
資本、労働、技術の総和です。

そして、果敢な設備投資、公共投資、
人材投資、技術投資こそが経済力を強化し、
その国を「強国化」「大国化」することになります。

カネではないのですよ、カネでは。
投資こそが全てを決めるのです。


そして、投資とは何らかの
「需要」がなければ始まりませんし、
拡大することもありません。

供給や技術より先に「需要」があるのです。

現在の中国は、
一帯一路やメイドインチャイナ2025により、

政府主導で「需要」をコントロールすることで、
覇権国の座を目指しています。

対する我が国は、
実際には「需要」があるにも関わらず、
政府や企業が「カネ、カネ、カネ」になってしまい、

最低限必要な支出すら躊躇し、
投資が不足し、経済成長率が低迷しています。


この自然災害大国において、
国土強靭化という「需要拡大」に
反対する人がいるのでしょうか。

あるいは、
ILC(国際リニアコライダー)建設を決定し、
人類の文明をリードすることに反対する人は。

確かに、反対する人はいます。

とはいえ、彼らの反対理由の
ほぼすべてが「カネ」なのです。

財政問題など存在しない我が国において、
「カネ」を理由に需要拡大に乗り出さず、
(※支出される需要。ケインズの言う有効需要)

経済力強化の絶好の機会を、
みすみす失おうとしている。

あまりにも、もったいない話ではないですか。

国民を自然災害から守る。

第二国土軸を建設し、防災安全保障を強化する。

世界全体のインフラ技術をブレイクスルーさせる。

ILCをはじめ科学技術予算を拡大し、人類の文明を牽引する。

上記の役目を担う国こそが「日本国」であることを決意し、
「カネ、カネ、カネ」の呪縛から解き放たれたとき、
我が国は新たな「覇権国」の座を目指すことすら可能です。
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