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2018年12月03日00:05
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もっと泣く】変態ナンパ師エナの、家族との約束�ぁ�
この日記には、言葉はいらない。
レッツスタート(*≧∀≦*)
。。。。。。
エ「ふぅー。お袋よぉ、やっぱりすき焼きは、
うちのが1番美味いに決まってるよなぁ？」
母「どうしたの、あなた。最近家族に優しいわよ？まぁ、もともと優しい子だったからね、
あなたは。」
父「おぉ。お前が初めてキレたあの日、
なぜか安心してしまったんだぁ。
俺の息子だもんなぁ？強えぇに決まってるさぁ？
じゃあ今日は、３人で川の字になって寝るぞぉ？？あの頃を思い出そうぜぇ？？」
。。。。忌引き3日目。。。。
エナリは、自分の部屋で、ぼんやり天井を見ながら、イシバシをどう探すか、考えていた。
エ「。。。うぅん。手がかりがねえよぉ〜。
転校する事を、想定していて殺りやがったなぁ？あのイシバシの野郎。。。
その日、父親はビデオ屋のアルバイトの、夜勤だった。
家をでる前に、エナリの部屋に来る。
父「おいよぉ？」
え「なんだよ、親父？」
父「この歳になって、アルバイトしか出来ねぇ父親って、情けねぇかぁ？？」
エ「おいおい、なんで親父が弱気なんだよぉ〜？どんな親父でも、親父はオヤジだ。
尊敬してんだよぉ〜。だから、もう二度と、
弱気になるなよなぁ？？」
父「おぅ、そうかぁ。。。ありがとうなぁ。
この歳で、息子に励まされるなんてなぁ。
俺たちは、何かに守られてんだろうなぁ？
急激に、人生が好転し始めているよぉ。」
エ「当たり前さ。タケ君が見守ってくれてるのさぁ。」
父「そうかぁ。お前には、誇れる親友がいて、
幸せだなぁ？。。じゃあ、行ってくるわなぁ？」
エ「おぉ、なんかあったら、スマホに電話しなぁ。僕がなんとかしてやるよぉ〜。」
父「頼もしいなぁ。じゃあ、朝までだからよ、またなぁ。」
。。。。忌引き4日目。。。。。
エナリは、ここ数日の事で疲れ切っていたので、朝まで爆睡した。
そこに父親が帰って来て、エナリを起こす。
父「おい、おい、起きろ
」
エ「ん~？？爆睡してたんだよぉ〜。
何だよぉ〜？？」
父「ビデオ屋、辞めちまったぁ。。」
エ「えぇ？昨日、初日だろぉ？
何があったんだよぉ？？」
父「レジに、立てねぇんだよぉ。
パニックになっちまって、帰ってきたさぁ。
汗が止まらないし、心臓はドクドクだしょおぉ〜？倒れそうだったぜぇ。
俺、どうしちまったんだぁ？？
もう、働けないのかぁ？？やべぇ、やベぇよぉ
」
そこには、今まで見たことのない、
焦燥しきった父親が、
エナリに助けを求めていた。
タケダも、死亡する前に、弱気になっていた。
嫌な予感が、エナリの脳裏を駆け巡る。
エ「まぁさぁ、久々に働いたんだからよぉ、
そうなっても仕方ないぜぇ、親父ぃ。
あまり続くようであれば、何か考えないとなぁ。。？今日は休みなよぉ、お疲れ様さぁ。」
父「お、おぉ。そうかぁ。俺の考えすぎかぁ？
お前が言うなら、そうするなぁ？
寝るわぁ。」
父親は、就職活動中だけ、お酒とタバコを自粛していた。なので、お酒を抜いた時からの、
禁断症状かも知れないと、うっすら感じてた。
それでも、エナリはまだタケダの事を割り切れず、視野が狭くなっていた。
あの、家庭の大黒柱だった強気な父親が、
子供の用に怯えている。始めての事だった。
エナリは、父親をそう思えたのは、自分が成長したからだと思ってしまっていた。
もう一度、悲しみから逃げるかのように、
エナリは、寝た。。。
。。。。。忌引き5日目。。。。。
エナリは先日から今朝まで、長い間、寝た。
その夢の中にタケダが現れ、何かを必死で訴えていた。決して楽しそうではなく、
またもや弱気なタケダが、何かを叫んでいた。
しかし、その声は聞こえない。
変な夢を見て、あまり気分が良くなかったエナリは、忙しくて読めなかった本を買いに、
近くの本屋まで、足を運んだ。
読む本は、決めていない。
たまにエナリは、無目的で本屋に行き、
直観で本を買うという、気まぐれなクセがあった。
その日、目に入った本。
それは、
【あなたにも分かる・夢占いの本】
だった。
エナリは、タケダの夢が気になり、
立ち読みをする。
【亡くした大事な人または、
家族がこちらに何かを訴えている夢は、
強くメッセージを送っています。
内容は、相手の表情でしか判別出来ません。
気をつけましょう。】
なんて無責任な夢占いだろうか。
エ「なんだよぉ、気をつけろってぇ。
どうすりゃいいんだよぉ？
表情？決して楽しそうでは無かったなぁ。。」
その日の夜、父親は、
エナリに、TVゲームと、黒い紙袋に入った、
本らしきものを、渡して来た。
父「おい、おまえこれ、欲しがってただろうぅ？プレゼントなんて、何十年ぶりだろうなぁ？」
エ「おぉ、ありがとう親父
これ欲し買ったけどあきらめていたヤツだぁ。
なぜこれが分かったんだぁ？」
父「お前、寝言でこのゲームの事、叫んでたぞぉ？なんか変な夢でも見たかぁ？」
エ「こっちの黒い袋は？」
父「おっとぉ、そいつは忌引きが終わる7日目に開けてみろよぉ？
浦島太郎気分だろぉ？まぁ楽しめよなぁ。
じゃあなぁ。」
父親の急なサプライズに、
エナリは、心をうたれた。
気づいた時には、目から涙がこぼれていた。
エナリは、子供の頃も、こうやって父親からサプライズを受けていたのを思い出した。
決して、家族の愛情が無かったわけではなく、
都合の悪いところだけを忘れている事に気付いた。
その夜、父親が妙な提案をして来た。
父「なぁ、母さん。。力が出ないから、
また今日も、すき焼きにしてくれねぇかぁ？
３人で、鍋囲みたいんだよなぁ。」
母「あらまぁ。鍋なら数日前に囲んだじゃないの？どうしたの？本当、痩せたようだし。」
父「それだけ、追い込まれてるって事さぁ。。なんか、仕事してるのもしんどいけどよぉ、
仕事が決まらないのも、辛いもんだなぁ。」
やはり、近頃の父親には、いつもの覇気がない。
その日もすき焼きだったが、父親は一言も喋らない。
食べ終わった後、
さらに父親が、奇妙な行動に出た。
父「母さんよ、たまには俺が、
食器洗うよぉ。お前にばかり迷惑かけてるからなぁ？」
母親は、今まで一度も無かった事なので、
嬉しいのを通り越して、不気味な感覚を覚えていた。
母「。。ど、どうしたのお父さん？
なんか、最近怖いくらいに人が良くなってるような。。この子も激変したし、
うちは、どうなるのよ？良い方向に向かっているの？」
父「当たり前だろぉ？母さんよぉ。
これからが３人の新しい旅立ちだろうよぉ〜？」
母「そ、そうね。。2人とも、頑張ってるものね。私も負けてられないわ。
じゃあお父さん、お皿洗い頼もうかしら。」
初めての皿洗いに戸惑う父親。
父親は、お風呂のため方まで、母親に聞いて、
こなした。
お風呂のため方には、特にこだわっていたようだった。何回も聞いていた。
父「母さんよ、こんなに大変な事を、今まで毎日やってたのかぁ？。。。スマン。
気づけなくて。俺は、自分勝手だった。
目の前にいるのに、2人が見えてなかったよぉ。」
母「いいのよ。家族にはそれぞれ、役割があるんだから。家族は本来、暖かい場所なのよ。」
エナリは、とても嬉しかった。
やっぱり、自分にとって、都合の悪い過去だけを、忘れていたようだ。
急にそんな自分に、罪悪感を感じた。
タケダの言っていた事が、分かった気がした。
エ「ネガティブな話の予測は、ダメだったよねぇ？タケ君？ポジティブに行かなきゃねぇ。」
エナリは、大満足で、その日は寝た。。。
。。。。忌引き6日目。。。。
明後日からまた学校が始まる。
憂鬱な気持ちを引きずって、
エナリはもう少しだけ、家族の暖かさにひたりたかった。
その日父親は、母親にもエナリにも何も伝えず、朝から、ふらっと外へ旅立った。
まぁ、疲れたんだろうと、母親もエナリも、
特に気にしなかった。また夜に帰ってくるだろうと。
しかしエナリは、胸騒ぎが止まらなかった。
タケダが、最後を迎えた時に似た感覚。
その時、父親が帰宅した。
父「ただいまぁ。遅くなってすまん。。」
母「お父さん、何か一言って出て行ってよ。
心配するじゃないのよ。」
父「すまん、すまん、ちょいとヤボ用でなぁ。
就職活動も、楽じゃないなぁ。
特にこんなおっさんはなぁ。ふぅ。」
スーツで帰宅したため、エナリは就職活動だったんだと思った。
ポイッ。
父親がため息混じりに、ゴミ箱に捨てたゴミは、ちぎれたネクタイだった。
エ「親父ぃ、相当苦労してんなぁ。
しばらく休んだらどうよぉ？」
父「明日が、借金の返済日だぁ。
一応、頑張ってるところを見せないとよぉ、
返済を待ってもらえないんだよぉ。」
エ「そっかぁ。借金、いくらあんだよぉ？」
父「お前にゃあ、言えない額さぁ。
心配すんなよぉ。俺が自分でなんとかするよぉ。」
その夜、父親は、やめていたお酒を再び飲んだ。何かを忘れるためのようだった。
エ「おいおい、親父ぃ、お酒はやめてんじゃなかったのかよぉ〜？体に触るぜぇ？？」
父親は、さらに奇抜な行動に出た。
父「おい、息子よ？」
エ「なんだよぉ？」
父「一緒に風呂で、背中流さねぇかぁ？
たまにはいいだろぉ？」
エ「き、気色悪いなぁ。。なんでだよぉ〜？」
父「やっと風呂のため方を覚えたんだ。
いいだろお？昔はよく2人で入ってたもんさぁ。」
エ「ちっ。しょうがねぇなあ。
まぁ、忌引きも終わるしなぁ。
仕方ねぇか。これが最初で最後だからなぁ？」
父「最後にするさぁ。おい、
それから後、ちょっとお前の部屋に行ってもいいかぁ？」
え「なんなんだよぉ〜？今日気色悪いぞ？
。。まぁいいけどよぉ〜。」
2人は一緒に入浴した。
父「ふぅ。何年ぶりだ？2人風呂はよぉ？」
エ「う〜ん、覚えてねぇやぁ。」
父「お前、彼女出来たのかぁ？」
エ「そこは聞かない約束にしてくれよぉ〜？」
父「その様子では、まだ一度もいないなぁ？
じゃあ、ペアリングとかした事ないだろぉ？」
エ「ペアリング？そんな発想なかったよぉ。」
父「あのよぉ、俺の結婚指輪、はめてみるか？」
エ「はぁ？何言ってんだよ、気色悪すぎるぜぇ。2人風呂で、指輪を借りる関係って、
どんなだよぉ〜？」
父「明日返せよぉ〜。俺が何よりも大切にしている指輪だからなぁ？高いんだぜぇ？」
エ「分かった、わぁかったよ
1日だけなぁ？
ゲームのお礼だよぉ〜。」
父「おい？」
エ「なんだよ？今度はキスかぁ？」
父「お前は、変わったよぉ。
もうこの家を任せられるなぁ。。
母さんを泣かせないこと。
優しさを貫くこと。
タケダ君と、俺の教えを守る事。
この３つ、約束出来るかぁ？」
エ「うーん。ますます気色悪いぜ。
親父の教えって何だよぉ？」
父「今後、思い出すさぁ。
じゃあ、指切りゲンマンなぁ？」
エ「はぁ？今日1で、恥ずかしいじゃねぇかよぉ〜？
まぁ、これも、プレゼントのお返しだぁ。ホラよぉ。」
2人は、しっかりと指切りゲンマンで、約束を交わした。
父親が部屋に来て、ウロウロする。
父「ふぅん。。どこにでもいるガキの部屋だなぁ？」
エ「なぁ、親父、もういいかぁ？
また明日話そうぜぇ？」
父「。。おぉ。じゃあなぁ。
お前、最高の息子だったぜ。。。元気でなぁ？」
エ「？？なんだよぉ、また明日会えるだろぉ？
じゃあなぁ、おやすみよぉ。」
なんとも気色の悪い夜だった。
その夜、エナリは眠れなかった。
父親が、気色悪過ぎたのだ。
エ「なかなかインパクトのある事をしやがったよなぁ親父。
うーん。なんか、引っかかるぜぇ。。
結局、何しに来たんだ？親父よぉ〜？？」
そう言いながらもエナリは、いつのまにか眠りについた。。。
。。。。。
プルルルッ
プルルルッ
プルルルッ
それは、父親の目覚まし時計だった。
時間を確認すると、まだ明け方の4時。
エ「どんな時間に目覚まし設定してんだよぉ？本当に違和感ありまくりだなぁ。」
父親の部屋に行く。
エ「おいおい、親父、何時に起きてんだよぉ？
何目的だぁ？？」
父親は、自分の部屋にはいなかった。
母「ねぇ。。お父さん、何で今起きたの？」
エ「それがよぉ〜、部屋にいないんだわぁ。
目覚ましは止めたけどなぁ？」
ジャー
ジャー
ジャー
母「あら？浴室からシャワーの音がするわね？
お父さん、早風呂にも程があるわねぇ。。」
エ「だよなぁ？俺が見てくるよぉ〜。」
エナリは、嫌な予感を引きずりつつ、
浴槽に向かった。
洗面台には、いなかった。
洋服を脱いで無いようだったので、
浴槽のドアを開けた。
エ「おいおい、親父ぃ、ますます気色悪いなぁ。。服着たまま風呂入んなよなぁ。。？」
そこには、お湯を溜めた浴槽にリストカットした手首を入れ、血が止まらないようにして、
うなだれている父親が倒れていた。
血に染まる浴槽。
エ「お、おいおい
ちょ、親父
何やってんだよおぉちょ、ちょっと、お袋〜
やべぇ
親父が風呂場で自殺しかけてるぅ」
母「キャーーー
お父さん、何やってるのよわ、わぁ、どうしよう？？」
エ「と、とりあえず、救急車だろぉ
お袋、よろしく
俺、親父を起こすさぁ」
母「あ、あ、そうよね
」
プルルルッ
救「はい、どうなさいましたか？」
母「あのぉ、う、うちの旦那が、手首切って浴槽で倒れてます
い、急いで来てください
あわわわぁ〜
お父さんお父さん」
救「落ち着いてください。ご住所は？」
母親は住所を伝え、パニックで廊下をウロウロする。
エ「おぉいぃ
親父ぃ、だから気色悪かったのかよぉこれから頑張るって言ってたじゃねぇかよぉおい、返事しろぉ」
うなだれたまま、全く反応しない父親。
母「あわわわぁ〜
ど、どうしたらいいの
お父さん、お父さん
状況が分からないわ」
エ「お袋、落ち着け
必ず僕が助けてやる
親父、もう救急車来るからなぁ
チッ
嫌な予感がしたんだよなぁ
気づくべきだったぁ
だから、浴槽の勉強してたんだなぁ
タケ君、力貸してくれよぉ〜
」
父親は、何か所も出刃庖丁で、左手首を深く切り刻んでいた。お湯に手首をつけ、
止血を防いでいた。
。。。。救急車到着。。。。
水浸しの父親は、急いで担架に乗せられ、
救急車には、エナリと母親が乗り込み、
心臓マッサージと手首の止血を行いつつ、
病院に運ばれた。
。。。病院。。。。
待合室で、母と子、2人で待つ。
。。。数時間後。。。
ガチャ。
待合室のドアがゆっくりと開く。
母「あ、あの、うちの旦那は。。。。？」
エナリは黙って目をつぶって聞く。
救「。。。大量出血でした。。残念ながら、ご臨終です。。
申し訳ございません。私どもの力不足です。」
母「あぁぁぁーーーーん
あぁぁぁーーーーん
お父さん、お父さん
どうしてなの？？
あぁぁーーーーん
」
エナリはため息をつきながら、天井を見上げた。
エ「タケ君。。親父もダメだったわぁ。。
なんで、大事な人ばっかり、
いなくなるんだろうなぁ？」
病院と実家での実況見分、鑑識の結果、父親は、
末期の肝臓ガンであったことも判明した。
そして、ちぎれたネクタイは、
首吊り自殺の未遂のヒモ。
母「だから。。だから、痩せてたのね？」
エ「そうだなぁ。。だから、俺に大事な結婚指輪を。。
2人風呂、もっと長く入ってりゃ良かったなぁ。指切りゲンマンまでぇ。
ゲームまで買ってくれたよなぁ。。」
様々な感情を通り越して、
エナリの目からは涙が出なかった。
調査の結果、遺書らしきものも２枚発見された。
シワシワで、ボールペンがにじんでいたが、
内容は分かった。
【母さんへ
ごめんなぁ。俺じゃあ、この家は守れねぇ。
すき焼き、棺桶に入れてくれよなぁ。
ぐちゃぐちゃになっちまうかぁ。
今日、金融会社から連絡があると思うが、
俺が死ねば、チャラになるかもなぁ。
生命保険、残せないですまんなぁ。
どこまでも俺は、カスだったよぉ。
俺を選んでくれて、ありがとうなぁ。
また、天国で会おうやぁ。あ。
俺ゃあ、地獄かぁ。じゃあなぁ。】
母「お父さん。。。あぁぁぁーーーーん
」
エナリへの遺書は、部屋でゆっくり読もうと、
ポケットに突っ込んだ。
急いで親戚が、エナリの自宅に集まった。
北枕で、布団でいつも通りに眠る父親。
ただ、呼吸は失っていた。
親戚中が泣く中、エナリだけは、
なぜか涙が出ない。
急いでお通夜の段取りが始まり、
みんなバタバタしていた。
親戚中に、電話で泣きながら知らせる母親。
エナリは、お通夜から着るための喪服を、自分の部屋に取りに行った。
サイズの確認で、来てみる。
ポケットの中身の確認も。
すると、スーツの上着の裏ポケットに、
小さな紙切れが入っていた。
エ「ん、何だこれぇ？
あ、昨日、親父、それで俺の部屋に来たなぁ。。」
その紙切れには、こう書いてあった。
【指切りげんまんを忘れるなよぉ？
早すぎたクリスマスプレゼントさぁ。
お前が息子で、嬉しかったよぉ？
お前への遺書には何も書いてねぇ。
その代わり、浦島の玉手箱、開けろ。
いいなぁ、母さんにも知らせるなぁ。
お前だけで、カタつけろよなぁ。
誰にも分からない場所で、玉手箱開けろぉ。】
エナリは、気づいた。
黒い袋に入った本が、玉手箱だと言うことを。
親戚のみんなは、下の部屋で、それどころではない。
母親さえ、泣き崩れて、親戚に励まされている。
エナリは、自分の部屋で、玉手箱を開けた。
そこには、分厚い本が入っていた。
エ「おいおい、こんな状況で、
本なんか読めるかよぉ？？」
しおりがあった。そのページを見る。
そこには、イシバシの住所が書いたメモがあった。
エ「お、おい、何で親父がイシバシの所在地知ってんだょお？わけ分んねぇ。」
【お前、イシバシとやらに、敵討ちしたいんだろぉぉ？ただな、
タケとやらと、俺の教えを守ってからの、復讐だぁ。
お前、イシバシを許せぇ。
なぁ、喜怒哀楽、全てが感動なんだぁ。
だから、面倒向かって、許せぇ。
それがお前の最期の成長だぁ。
そのゲームと、この本が、お前への最期のクリスマスプレゼントだぁ。
俺みたいになるなよぉ？？じゃなぁ。】
エナリは、またもや、涙を流さず、
父親の行動力に、息を飲んだ。
エ「は。。。？どうやってイシバシの所在地を見つけたんだよぉ、親父。
最後のプレゼントってかぁ？？」
エナリは、そういう事は無視して、
イシバシの住所を突き止めた。
エ「。。。イシバシ。てめぇ、僕が命がけで、
ボコボコだからなぁ。親父、どうやって探したのかしらねぇが、受け止めて、殺ってやるよぉ
くっくっく。次に棺桶にはいるのは、
お前だからなぁ？？」
お通夜を終え、葬儀が開始された。
以前の会社の同僚などが、参拝に現れた。
エナリは、事務的に葬儀を終え、復讐のことばかり考えていた。
そのエナリに、謎の男が近づいて来た。
？「なぁ、エナリ君。君、復讐したい男がいるだろう？」
意外にも、父親の同僚だった。
エ「。。。え？そんな人いませんけどぉ？」
リ「僕は、リンエイって名字だ。
君のお父さんと、よく麻雀をした仲さ。」
エ「それが何かぁ？？」
リ「ふん。。。お父さんと同じナマリだな。
君、復讐したい男がいるだろう？」
エ「えぇ？。。そんな人いませんよぉ？」
リ「じゃあ、名前をあげようか？
イシバシっていう小僧だ。」
エ「な、なぜ、それを？？」
リ「君がお父さんの指輪を代わりにしている事も、
お父さんと指切りで約束した事も、
僕は知っている。本来、ああいう男だったんだよ、エナリは。
あと、タケダ君という子を事故で亡くしているだろう？」
エ「？？あんた、何者だよぉ〜？？」
リ「だから、名乗っているだろう？
リンエイさ。君の父親と深い仲だったんだ。
だから、君の父親の行動は、だいたい理解している。１つだけ、伝えておこうか？」
エ「な、何ですかぁ？」
リ「僕は、ウワベでは、クルマの営業のサラリーマンさ。でもね、本来のお仕事は、
私立探偵。これは、誰にも口外していない。
クライアントからの依頼は、全てパソコンだ。
そこで、親友のエナリに、君の惨劇を聞いていた。」
エ「じゃあ、親父に、イシバシの住所を教えたのも、あなたですかぁ？」
リ「そこまで知っていたか。君は、頭の回転が速いようだな。その通り。
しかし、闇金の圧力に勝てずに、死んでしまった。体も良くなかったからね。」
エ「あのぉ、あなたは、敵なんですかぁ？
味方なんですかぁ？」
リ「敵が、こんな接触をしてくると思うかね？」
エ「じゃあ仲間と見なします。」
リ「賢い選択だ。
エナリ。。。
あいつは、自分では卑屈になっていたが、
頭の回転と、図太い根性を持っていた。
タケダ君の父親。。彼も、本当は僕らと仲が良かったんだ。
でも、君の人生がズタズタになるような悲劇が続いた。悔やまれるよな。」
エ「そこまでご存知なら、疑う余地がねぇなぁ？？」
リ「で、だよ。まず、タケダ君の死亡には、
イシバシというワルが関わっている。
本来、無罪はあり得ない。
しかし、証拠がないと県警は、動かない。
そして、君の父親エナリ。
一見、自殺に見えるだろう？
確かに、リストカットで亡くなったのは、
事実だ。自殺だろう。
しかし、エナリが亡くなった日、
彼を追い込む、闇金の関係者が、
あり得ない圧力をかけている。
死を選ぶほどのね。
警察が気付けない部分まで食いつくのが、
私立探偵さ。
僕は、完全なる仕事を行うことを自負している。」
エ「なんか、すごい人だなぁ。心強いなぁ。」
リ「。。。だからさ、お母様にも内緒で、
2人で組まないか？僕は、エナリには、たくさん借りがあるんだよ。まさか死ぬとはね。
僕は、正義感の塊さ。奴らは絶対に許せない。
理不尽な世の中は、僕らが正さないといけないんだよ。」
エ「でも、僕は何すればいんだよぉ？」
リ「君は、僕について来ればいい。
タケダ君は、君を高評価していたようだね。
ならば、大丈夫さ。君は強運だ。」
エ「もう、僕には、タケ君、親父を亡くして、
何もできないさぁ。僕さえ生きてる意味がない。」
リ「そうだよね。それが普通さ。
僕に得策がある。だから大丈夫。」
。。。。。
さぁ、リンエイの、秘策とは？？
ご愛読ありがとうございます
では、あり得ないくらい幸せな日々を
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