小学校高学年の頃、学校で「バイ菌ゲーム」が流行ってた。バイ菌と呼ばれるターゲットに何かの拍子に触るか、わざと触ると、触った人は、「◯◯菌がうつった!(◯◯はターゲットの名字)」と言って、別の人に触る。そうすると、最初に触った人は、保菌者じゃなくなる。触られた別の人は、次の人にうつす…という繰り返しの遊び。
よくターゲットにされていたのは、別の人だったけれど、私もターゲットにされた。悲しかったから、そういう遊びをしている子を叩いた。
廊下を歩いているとき、わざとらしく、本当に私が汚いものであるかのように、私を避ける人を叩いた。
担任の先生に呼び出された。
事情を話したら、「◯◯くんは、貴方と同じ班になってもいいと言ってくれたのよ!」と怒られた。
私は嫌われものだったから、誰も同じ班になりたがらなかった。
先生の言った意味が「貴方と同じ班になってもいいと言ってくれた◯◯くんが貴方にそんなことをするはずがない」だったのか、「貴方と同じ班になってもいいと言ってくれた◯◯くんの悪口を言うなんて、有り得ない」だったのかは、今となっては分からない。
そういうゲームがあって、私がターゲットになっていたのは、本当だけれど、◯◯くんは、それには参加していなくて、私を避けたのにも、そんな意味はなかったのかもしれない。
分からない。よく覚えていない。
事実は、私がバイ菌扱いされていたということと、◯◯くんが私と同じ班になってもいいと言ったこと。
何にしても、私にとって、学校というのは、自分を嫌っている人がいるところで、そんなところには行きたくないと思った。
行きたくなかったけれど、祖母と父はそれを許さなかった。
毎日、「今日も休むんか! そんなんじゃ高校行けへんよ! ◯◯ちゃんは体が弱くても学校に行っとるのに!」と怒鳴られた。
学校では、バイ菌扱いされ、デブだのなんだの言われた。辛かったから、叩いた。先生に呼び出された。
「口で言われたんだから、口で返しなさい!」
「なんで男子が貴方に殴り返さないか分かる? 貴方が女の子だからよ!」
バイ菌扱いされることよりも先生にそうやって言われることのほうが何倍も辛かった。
理解して欲しかったわけじゃない。共感して欲しかったわけじゃない。
私だって、叩いちゃダメだって思ってた。叩きたくなんてなかった。
叩く自分を責めて、バイ菌と言われることが辛くて、否定されることが辛くて、追い詰められていった。
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