名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局が県に17日の実施を通知していた埋め立て土砂の投入は同日中に確認されなかった。菅義偉官房長官はこれまでの会見で「台風などの気象条件を踏まえる必要がある」と延期を示唆していた。土砂投入の延期を受け、県が検討する埋め立て承認の撤回も週明け以降に先送りとなった。
政府は辺野古での作業が相次ぐ台風接近などで遅れていたことに加え、翁長雄志知事の死去で前倒しとなった9月末の知事選への影響を考慮し、土砂投入を延期したとみられる。延期の期間は不透明だが、投入が知事選後となる可能性もある。
国は県に撤回の延期を水面下で求めているが、県は9日に実施した沖縄防衛局の意見を聞き取る「聴聞」の報告書の取りまとめを急いでいる。
聴聞を主宰した行政管理課長が報告書を取りまとめれば、知事の職務代理者を務める富川盛武副知事による撤回が可能となるが、17日現在、報告書は完成していない。行政管理課長は「聴聞の項目ごとに主宰者の意見をまとめる果てしない作業で、時間がかかっている」としている。
富川副知事ら県幹部は県政与党と撤回時期を協議しており、国の法的な対抗措置と知事選の時期などを踏まえて総合的に判断する。
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