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2018年10月26日20:28

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指定席のダブルブッキング(再掲)

長野冬季五輪の開催が決まった頃、電車から上司を引き摺り下ろしたお話。

賞与支給日の翌日、長野県某市にある百貨店のリニューアルに伴う
取引開始の商談で会社の専務と同行し出張することになっていた。

高級ブランドで鳴らしているとはいえ、小さい会社だから専務といえど
係長と同じ普通指定席。当然切符は私がとる。

お中元の繁忙期でもあり、前日に切符を渡せないと面倒だナと思ったので
2日前に「明後日、上田出張の切符でございます」と言って渡しておいた。
これが間違いの始まり。2枚とも私が持っておくべきだった。

切符を渡された専務は日程を勘違い。
「出張は翌日」と思い込んでしまったらしい。

翌、賞与支給日に出社すると調理部の部長がおカンムリ。
「専務は今日俺と同行する予定があったのに上田へ出張しちまった」との事。
※当時出社順はほぼ毎日、年配の嘱託社員、調理部長、私、営業部長の順
まさかと思って専務の予定ボードに目をやると間違いなく本人の字で
「上田出張」と書かれていた。

呆然としていると営業部長がご出社。
「本日、賞与支給の代行を頼まれている」とのお話だった。

「これはヤバイ」と思って専務のポケベルを鳴らすが、
その音は虚しくもデスクの中から鳴り響いた。

こうなったら直接止めに行くしかない。
発車時間は当時の始業時間とほぼ一緒、ギリギリ間に合うかどうかだった。

会社から原宿駅に向けて上り坂を猛ダッシュ。
社会人になってからあれほどの全力疾走は地元の消防団に入るまで
一度もしていない。

発車数分前に上野駅に到着。1分前くらいに当該車両に乗り込むと
社内で専務と他の乗客が揉めている。

駆け寄ると「ダツ遅いじゃないか、見ろコレJRのダブルブッキングだぞ!」
と同席にいた方含め、ほぼ満席の乗客と共に怒りをあらわにしている。
時間がないので体裁は気にしていられない、
「専務、明日の切符でございます!!!」と言って腕を掴み強引に
ホームまで引っ張っていった。
瞬間、扉が閉まると思いもかけぬコントを目撃した乗客の爆笑が
車両も揺れんばかりの勢いで起こる。

そのまま構内の公衆電話から会社に連絡。無事確保を伝えると
電話の向こうでも歓声が上がった。
しばらく呆然自失の状態だった専務に、あらためて本来の予定である
調理部長との同行を調整していただくよう電話を変わっていただいた。

電話を切る頃、完全ではないものの多少我を取り戻した専務から
「この時間は結構混んでいるから、もう1本早い電車に変えてくれ」
と頼まれ、翌朝上野駅で待ち合わせる運びとなった。

そして翌朝、専務より早めに着いてホームで待って一緒に乗り込んだ。
昨日よりかなり空いていた為、思わず口をついて出た
「昨日より空いていますね」の言葉が専務の逆鱗に触れてしまう。
上田到着まで一切会話はなかった…

■JR社員、町議視察のために席取り 鳥取発の特急自由席
(朝日新聞デジタル - 10月26日 17:31)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5349250
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