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2018年10月20日16:58

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土曜ギリギリ日記319:日日是好日

二十歳の女子大生・典子は、あるきっかけでイトコの美智子と共に知人の「武田のおばさん」宅に通うことになった。武田のおばさんは、実は茶道の先生。特に興味もないまま、美智子に付き合う形でお茶を習うことになったのだ。袱紗捌きから歩く所作、もちろん茶の淹れ方に至るまで型に縛られた茶道に怖気づく典子だったが…



「日日是好日」。


以下、ネタバレ←これ口実(笑)

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「趣味は…お茶をやっています」
「学生時代は茶道部でした」
などとのたまう女に、ロクなのがいねぇよな!

というのが俺の持論。だって、決まって良家の子女っつーかお嬢様ばかりじゃん、お茶やってるのなんて。お嬢様ってワガママばかりで庶民の痛みなんか解りもしないでさ、性格悪ぃんだよなぁ。だからお茶に対する印象はすこぶる悪いわけ。気取ってるだけじゃねーかと。うちの嫁を見てみろっての。茶道の免状持ってるらしいが、結婚したら苦労しっぱなしだよ?


…本作、「日日是好日」は、そんなこれまでの俺のイメージを覆す素敵な作品であったとまず言っておきましょう。

「考えるな、感じろ」というブルース・リーイズム溢れる「型」の美学。五感を澄まして季節・気候を感じる繊細さ。その繊細さ・アートの感性からくる「一期一会」の精神と「日日是好日」の境地。

…なかなか、茶道って素敵じゃないですか(笑) しかも茶菓子が美味そうだぞ!


というわけで、茶道を知るキッカケとして抜群の映画であることは間違いありません。沈黙・静寂もまた劇伴として機能しており、微かな湯の音・雨音・波の音、菓子の色彩、そして風…観客が五感で味わえるように計算されたそれらの演出に感心いたしました。役者陣では、樹木希林は言わずもがなで、黒木華の魅力を再確認できたのが収穫。この人の絶妙な鈍臭さが良いんですよね〜。美人じゃないのに(美人じゃないからか)ずっと見つめていたくなる顔。彼女の恋愛周りが雑にナレーション扱いされている違和感はあるものの、無駄なく進む典子の成長記として、非常に楽しく観れましたね。


あ、あとフェリーニの「道」については関連映画として観ておくべきかも。ザンパノのように後悔することなく、いまこの日、この時、この一瞬を大事に生きていきたいものである。ちょうど「一期一会」のごとく。

「道」の日記↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=675433023&owner_id=2940502


それにしても、劇場ほぼ満席だったのだが、客席のパパァ占有率がハンパ無かったですな!じーさんは少なくてババァ同士連れ立って来ている感じ。そのせいか、上映中のおしゃべりが若干ノイズでした。静かに観ることで味が良くなる映画なんだよ、と注意したかったねぇ。あとさ、高齢者が多いってのが劇場側もわかってるんだから、案内係を増やして対応しろよと思ったね。席が判らなくて間違ったとこに座っちゃう客が続出してたよ。
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