輪島大士さんが亡くなりました。
十数年前、取材を申し込んだら、輪島さん行きつけの寿司屋を指定され、カメラマンと一緒に出向きました。
お会いしてみると目付きの鋭い精悍な顔貌に反して気さくな人柄で、初対面の緊張がいつしかとけていきました。
話しぶりは豪放磊落。
石油ショックの年の11月九州場所、貴ノ花戦で指の間が裂けて負傷し、千秋楽を休場して入院。その日、貴ノ花がトップを走る琴櫻に勝ったことで輪島さんの優勝が決まったことを病院のベッドの上で聞いたと笑いながら話してくれました。
「今の相撲はパワーが主体で職人がいない」
「昔はいろんなタイプの曲者がいたものです」
輪島さんも127キロと、今なら軽量に入る部類の体重で奮闘し、14回の優勝を勝ち取りました。
昭和の大相撲の一幕が閉じた気がします。昭和は遠くになりにけりです。
合掌
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