《3.11》
自然の災害は人の手に負えないね。
単純な結論は悲しい出来事の一言に尽きる。
少し前、なんだか急に思い出して、あの頃の映像を眺めてみたい衝動に駆られつつも、その反面では安易に観るのもどうなのかと1人で暫く葛藤。
…で、ついに観てしまった。(2ヶ月くらい経過…)
まあね、悲しいとか何とかの前に、酷いやるせなさを感じたな。
なんて言えばいいのか、地震を直接この身に受け、メディアを通して状況を知ってはいたけど、生まれて初めて味わった『お話の世界』を直に受け、多分興奮していたんだろうと思う。…そんなあの頃。
俺の場合、家庭とすき屋の往復が多く、誰にも頼まれていないのに忙しい思いをしていた。
そんな理由で事実に向き合う時間はほとんどなかったわけだが、もしかすると逃げていただけなのかも知れないなんて、今更に思ってみたりして。
まあ、俺一人が動いたところで何もどうにもならない事なんて知っているけどね。
あの頃を振り返りつつ、眺めた映像はNHKの速報ニュース。
NHK得意の『仕事本意』の映像と言葉は、他の番組が臭わせてならない『視聴率への意識』が存在しないため、無駄なく自然に受け入れられる。
そうした中の思った言葉は…。
『なんかね…』
という、自分でも説明出来ない言葉だ。
悲しい事を『悲しい』と表現する事は不自然ではないが、俺なりの真剣さで映像を観ると、そういった言葉が全然出てこない。
真っ白だ。
当時の被災者は…、今は元気に過ごせているのかな?
見ず知らずの様々な人の恐怖の表情を目にしては、そんな事ばかり思ってしまう。
でっかいお世話なんだろうな。
《涙もろい》
昔から涙もろい。
『感受性豊か』と表現された回数は呆れるくらい多く、言った相手が誰かも忘れるくらいによく泣いてしまう。
コメディー感満載の映画であっても、分かり切ったたまに迫りくるような『お涙ちょうだい場面』でも泣いていしまうほどに、とにかくよく泣く。
もちろん、声をあげてわんわん泣くような事は無いが、堪える事の出来ない涙が…。
違う。気付けば涙がじょばじょばって感じだ。
中学生以降、『映画鑑賞会』ほど気合を入れた授業は無く、そしていつも人目をはばかって寝たふりをかましてめそめそした自分が居るワケだが、そんな表現が甘っちょろい程に何かを眺めては感傷に浸り、思わず泣いてしまう自分は未だ健在のようだ。
…というか、なんだかパワーアップしているような…?7
話は結局3.11の東日本大震災の映像なのだが、実際問題、感極まる場面ばかりで肝心の映像に目をやれないから本当に困る。
チラッと観てはポロポロポロ…。
ちょっと落ち着いて再び観ると、またもポロポロポロ…。
新たな内容は入って来ないが、もともとの内容が不必要に鮮明なモノで、味わった筈の無い現場の記憶が構成されてしまい、勝手極まるデジャヴが蘇る…? いや、デジャヴすら新規構成されてしまう。
まるで現地で周囲の悲惨な結果に見舞われる人物を目の当たりにしながら、何も出来ずに泣くだけの自分を思い出す感覚だ。
確かに人間の無力感だけを思い知らされるに至った大きな災害だったが、言ってしまえば既に過去の話。起きた事を今に悔やんでどうする? と自問自答し、きちんと答えは遥か昔に導き出しているが、……………ダメなんだよね。
まずもって涙線の制御が不能だ。
気を抜くとえぐえぐ言ってしまいそうな自分さえ居る。
実話に基づく感動モノの映画なんてモノは絶対に人と一緒に観る事は出来ないと知っているため、当然観ない。
ちなみに『ビートたけしのアンビリーバボー』…だっけ?
内容は凄く俺好みなのだが、感動シーンの8割方は泣いてしまうため、結婚して以来は偶然モニターに映っていても、視聴は控えている。
また、現実話では、誰かに説教したり、怒ったりしていても泣く事を堪えていたりする。
そんな事が嫌だという事もあり、基本、怒らないようにしている。
ここ最近に続くおサルさんたちへの説教の時は密かに違った意味で大変だった。
泣くと言えば、同調し易いのも原因かな?
相手が何かしらの理由で泣いてしまう時、実は俺も貰い泣きしてしまいそうになって、堪えるのが毎回大変だ。だから大声で何かを言うなりして、気を紛らわす。笑って見せる。
ここ最近では『あのコ』が鬱を打ち明けた時の声が時々蘇り、ぐぐっと来てしまう。既に顔も覚えていないというのに。
その前は元気の塊女子高生や、高校三姉妹-K、NF-Uの涙姿がグググっと…。ちーたすの心底困った表情も危なかった。
対象が女性ばかりだが、男性の涙姿を見た事が無いので何とも言えないが、やっぱダメなんだろうな。とか思う。
一時はある思いを最後に涙を捨てて冷徹に徹したつもりだったが、…元気の塊女子高生にはやられたな。
…と、今更気付く、率直な感想。
素直が一番かな? と、こんな事を書いていて、これまた率直に思ったりして。
まぁ、そんなこんなを含めた3.11鑑賞でした。
《あとがき》
素直か…。
そーいや、NF-Uは正直分からんが、元気の塊女子高生・高校三姉妹-K・あのコの3名って、底抜けに素直だったなぁ。
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