《気にしない主義》
人間には個々の能力があって、当然ながら差が出てしまう。
速かったり、遅かったり…。
まあ、個人差だよね。仕方がないよね?
いい加減な会社の方針だから、その個人差が凄まじいワケだが、それをいちいち気にする人の考えがイマイチ理解出来ない。
いいじゃん、そういった形になってしまったのは、そういった形にしか出来ない教育者の能力なんだから。他人を見下す前に自分を省みて欲しい。
もちろん、教育を受けた側にも問題はある。わからない事を分からないままに鵜呑みにもせず、聞き直しもせず、理解出来ないまま数年間を過ごしているんだから。今日のお話のアルバイト生は…たしか9年越え?
というワケで、問題は双方にあると思って仕方が無いんだよね。
…で、教育者は俺に愚痴り、その部下は俺に愚痴り…。笑って過ごすのも少し疲れたこの頃だ。
…ていうか、何で俺なの? これ、率直な疑問。
そんなワケで、ここ一週間は気の知れた同僚2人以外の誰も相手にしないで黙々と作業に没頭。仕事内容に関しては何を言われても『はは…』という失笑のみの返事に徹する。仕事から外れた雑談は普通に受けるけどね。
…で、今日はどちらも爆発したか、言う側はなんだか大爆発。言われる側も大発狂。
あのね、動物園じゃないんだから。
俺は外に行って煙草をプカリ…。あー…ばかばかしい。
10年以上の従業員同士が仲良くさせる方法ってあるのかな?
とか、そう考える俺も相当だな。ちなみに俺は3年目を行進中…。
まあ、とにかくもう気にしない。時間の無駄だ。呼ばれるけど。
《陰湿…》
『考えるチカラ』に登場したおサルさんたち全員が本日出社。
誰かしら指定休暇が発生するのが当たり前の印象だったから、5人全員が揃うのはけっこう珍しい。
珍しいのだが、まあそれだけ。
本題は業務が業務にならないところか。
こぞって学びに不足が目立つ面々がすべて揃ってしまうと、とにかくあっちこっちで障害が発生する。しかも今日は9時出社。時間が短縮されたスタートだ。
もちろん、始業と同時にピンチも到来だ。
倉庫内の業務なのに、何故か俺が交通誘導。どうして左右の直進者が来る事を確認していながら、その正面に踊り出てくるのか? 理解に苦しむ。その作業能力で…と言っては失礼だが、まさか彼らの接触位置到達までに己の行動が終了するとでも思ったのかな?
遠目で見ていたけど、やっぱ無理。もう本当に、『やっぱりな』という感想しか出てこない。キミの能力が現在の800%ほどに高まれば、きっと可能になる行動と思われる。現在能力を100%と例えると、必要な能力があと700%…。がんばれ、あとたったの63年で実現可能だ。
そんな理由で、倉庫内なのに渋滞発生。
そこにサルEが強引に入って来て状況悪化…。コイツは本当にバカだ。どうして正面でギッチギッチな状況になっているのかも理解しようとしない。…というか、そういった思考そのものが脳ミソに存在していない。
もちろん、飛び込んできたサルEまでもが身動き取れなくなっている。『ぅういいいぃぃぃ〜…』とか…喜んでる???
そして示し合わせたかのようにサルD、サルBまでもが登場。もうゴチャゴチャ。思わず吹いた。
何故1500ミリサイズで目測800ミリ足らずの空間を横切ろうとするのか?
そして通れないと理解しないで『どうすれば通る事が可能か?』みたいな目線で場を見やるその目線は一体何なのか? 毎度の事ながらご教授願いたいものだ。
ちなみに俺は俺でサイドリフトというモノを操縦し、作業通路内部で待機。一番図体のデカイ乗り物なので、イタズラに飛び出て困らせようと考えたけど、きっと予想以上の問題に繋がると思い直し、そこから静観してた。
ところで左右から来たのはどちらも上司。よりによって問題の総責任と責任。
最近の『オレ効果』が効いてきてるのか、俺の目線があるためかは正直分からないが、全員揃って無言で互いの目を合わせている。
いつもならどちらかの怒鳴り唸りが炸裂する場面で、楽しい楽しい野鳥観察がスタートするかと思ったが、みんな揃ってだんまり…。誰でもいいから指揮くらい取ろうや。
ちなみに『オレ効果』とは、前回の巡り昼礼の時にアルバイト以外の全員に説教した内容の事だ。
俺が得意とする『遅効性質』な話のしかたと表現すればいいのかな? とにかく抽象的に穏やかに話を進め、その場では正直、何が言いたいのかが理解出来ないような言い回しをする。
…で、話の内容に沿った業務に触れると『あれ? あの時の話しって、もしかしてコレ?』みたいな、どこかに引っかかりを持たせるようなものだ。抽象的だからこそ変に記憶に残るらしい。言っている俺は知らんが。
…で、結局、収拾が長引きそうに思えたので、冒頭で触れたように俺が交通誘導。総責任と責任が直進だったため、それを塞き止めた行為に走った結果となるアルバイトを至急移動させ、通路を確保。『どいてあげて』と伝えるのに4回の説明を必要とした。
下記はその詳細。というより、俺の発した言葉そのもの。
1回目:『どいてあげて!』
2回目:『2人の邪魔になっているからどいてあげて!』
3回目:『2人が通れるようになるのを待っていてくれているから、邪魔にならない所に移動してあげて!』
4回目:『2人がそれぞれ左右から来ているんだから、キミは正面の作業通路のどこかに入れば自然と道が開くと俺は思うよ!』
こう言った説明というか、指揮、…毎回マジ疲れる…。
それでも本人は『自分が移動する理由』をイマイチ理解出来ないご様子…。まあ…いいや。…いや、いいのか?
で、ついでに、よくわからないが後から来てしまったサルBとDをその場で待機させ、状況も考えずに突っ込んで来たサルEには、無言で優しく丸めたラップを投げてやった。
そんで通路解放後、問題を作ったアルバイトを呼びもどし、分かり易く『道路交通法』を伝授する。公道でも作業現場でも同じ考えで動けと。まあ、まだ運転免許を取得して17年しか経過していないらしいので不慣れは否めないが…? リフトも大体4年目だし…。むぅ…。
ついでにサルBとDにも人生に役立つヒントを言ってあげたりする。
『せっかく2つも目が付いているんだから、ちゃんと活用した方がいいと思うよ』と。
…なんか、そのうち嫌味な性格になりそう。
サルEに関しては何も言うまい。今日も現場での無事故を祈るばかりだ。今日も今日で『うぃうぃ』と奇声をあげている。どうにかならんの? それ?
《あとがき》
以前の大説教の甲斐あって自らリフトに登場するようになって時間が経過したサルBさん。
今日も集荷終了後にだいぶ遅れながらも率先して馳せ参じたり。
でも、やる事のほとんどが終わっているため、たまには…という事で、俺が移動していた荷物の手伝いをしてもらう事に。勤続30年オーバーの実力は?
………………………。
うーん、彼は一生懸命、確かにやっていた。
でも、彼が1往復する間に俺が14往復って…。
も…もうちょっと本気出してみよーか…? あはは。
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