現在、執筆中の「帝国の復活(仮)」は、
タンパク質の話から始まります。
植物性ではなく、動物性タンパク質です。
現在はともかく、江戸時代までの日本人は
タンパク質を主に海産物から摂りつづけました。
理由は、周囲を海に囲まれていることに加え、
宗教上の理由で四つ足の動物を
食べることが禁じられていたためです。
というわけで、日本には
「家畜」はいませんでした。
家畜がいない以上、遊牧民もいません。
さらに、遊牧民の文化、
文明は「そこそこに広い」
日本海という海原により
ほぼシャットアウトされ、
日本人は取捨選択する形で
大陸の知識、文明を国内に取り入れます。
取捨選択するわけですから、
「日本にとって良いもの」しか
入ってきません。
結果的に、日本人に
「外国から入ってくるものは良いもの」
という誤解が広まってしまいます。
さて、日本以外のユーラシアの人々は、
動物性タンパク質を主に家畜から得ました。
つまりは、牧畜、遊牧により家畜を
「管理・統制」しなければならなかったのです。
また、生体数を調整し、
血統を管理するために去勢技術が発展しました。
家畜を管理統制する。必要があれば去勢する。
怖いことに、この遊牧生活の特徴が
「人間社会」にも広まります。
去勢された官僚、いわゆる「宦官」は、
中国にだけ存在したわけではありません。
インドにも、アラブにも、
ヨーロッパにもいました。
人間どころか、動物の去勢すら
したことがない日本人は、
当然ながら「去勢された人間」である
宦官文化が国内に入ることを拒否します。
また、遊牧民の
「家畜を管理、統制する技術」は、
「人間を管理、統制する」文化を築きます。
すなわち、奴隷制度です。
家畜を飼ったことすらない日本人が、
「他の人間(時に外国人)」を管理、
統制するなどということが
できるはずがありません。
しかも、日本人は村という共同体で、
互いに助け合う形で生きてきました。
特に、自然災害が発生した際には、
助け合いなしでは人々は生き延びられません。
普段は人間としての権利をはく奪され、
「所有者」に管理、統制されている奴隷は、
自然災害が発生した際に「助け合い」に
加わってくれるでしょうか。
そんなはずがありません。
遊牧民の文化が入らず、
さらに自然災害大国というわけで、
日本に奴隷文化が根付かなかったのは当然です。
善悪の話ではなく、
日本人が「遊牧生活を知らない」が故に、
日本文明が世界で孤立した
オリジナルになったことは、
紛れもない事実なのです。
ついでに書いておきますと、
遊牧民の「人間が羊の群れを管理する」という発想は、
「迷える子羊たる人間を管理する超越者」の存在を想像させます。
結果、誕生した宗教が一神教。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教です。
ちなみに、聖書に出てくる十戒のモーゼや、
イエスに洗礼を与えた
ヨハネの職業は「羊飼い」です。
「管理、統制できない」海産物から
タンパク質を摂取し続け、
牧畜も遊牧も知らない日本人には、
「人間を管理、統制する存在」と
言われてもピンときません。
これだけ欧米文化が溢れているにも関わらず、
日本でキリスト教が流行らない
(人口比1%を超えたことがないそうです)のは、
そもそも日本人に一神教の理念が
理解できないためではないでしょうか。
などなど、日本人と日本以外の
ユーラシア文明を比較していくと、
差異の根本には「動物性タンパク質を
いかに摂ったのか」があるのでございます。
繰り返しますが、善悪の話ではなく、
文明的に我々は日本以外の文明の人々とは
異ならざるを得ない、
という現実を知る必要があるのです。
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