何事もはじめたら最後までやりなさい。
中途半端はいけない。
という言葉は子供の頃よく耳にしました。
感情的にはそれが苦痛でした。
というのも、どこまでやれば「やりとおした」になるか分からないからです。
「ここまでやればOK」という目標、目分量が曖昧だからです。
オリンピックで金メダルをとるまでやるのが、やりおおせたになるのか、地区大会で優勝すればOKなのか、自分の限界を感じるまでやることなのか。
自分の限界とはなにか。
杓子定規にはいかないからです。
楽器にはよくある話です。
Vｎ、ピアノ、どこまで見限れば、辞めてよいか。
僕はドイツ語が好きです。
でも仕事にするほどではなく、愛好家です。
それではいけないのでしょうか？
そんなことはないと思います。
フルートをならいたい人がいます。
その人は、プロのオケで採用されなければ習うことを否定されるのでしょうか？
そうではない、と思います。
プロにならずともフルートを楽しむ、という人生はありだと思います。
何かに目標を設定して、努力することは一面でよいことだと思います。
でもそれが「金メダル」だとか、客観的な何かに還元することは不可能だと思います。
ある人にとっては高校野球出場が目標であるし、ある人にとってはオリンピック出場が目標かもしれない。
僕は目標的生き方を否定しませんが、半分しか肯定しません。
ゲーテはエッカーマンとの対話において、目的論的生き方を否定しました。
「目的を設定したなら、それまでの一歩一歩は砂をかむようだ。階段の一歩一歩にも意味がなくてはいけない。」
正確な言葉は覚えていませんが、そのようなことを述べていました。
スピノザはおよそ目的なるものを否定しました。
映画監督でパルムドールをとるまでやるのが、中途半端でないのか。
映画評論家どまりになるのが、中途半端なのか、分かりません。
ゴッホを目指して、そのレベルに達しなかったとして、その人の人生や努力は無だったと言えるでしょうか。
僕はそう言えないと思います。
�＿燭�中途半端か、貫徹か、線引ができない。
�¬榲�第一主義になると、目の前の一歩一歩が砂をかむようになる。
眼の前の一歩一歩も有意義であり、楽しくありたい。
（とはいえ享楽的な一瞬一瞬の刹那的快楽がよいとは思いません。）
要は、一流企業に就職するための一流大学、一流大学に受かるための一流高校、云々と同様になります。
でも人生は、もっとよい意味で複雑だと思います。
植松務が、楽器をやっていたが、子供の頃指に怪我をしてできなくなった。
でも他に好きなことがあったら、救われたと述べていました。
日本的一途さに良し悪しがあると思います。
一途さは、親の欲目かな、と思うことがあります。
何かに向かって努力することは大切だと思いますが、みんながチャイコフスキーコンクールを目指さなくてもよいと思うのです。
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