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2018年06月30日22:15

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【日記】半可通の話

昨夜の話です。

仕事で道内のとある田舎町に投宿しました。どのくらい田舎かというと、新聞の朝刊が昼に、夕刊が翌日配達されるカントリーっぷりです。宿も選べるほど選択肢がなく、ちょっと小洒落た民宿に仲間と泊まりました。

歩いて行ける範囲にコンビニはおろか、自動販売機すらない農地のど真ん中です。夕食は10人程の泊まり客全員で一つのテーブルを囲み、美味しいお酒と食事をいただきました。その中に、今回の話題の人物がいたのです。

年の頃40〜50代の女性で、家庭の話はしなかったので独身なのではないかと思います。千葉在住、仕事は某大学の研究室で秘書をしていると話していました。一人旅が趣味で北海道を何度か訪れており、レンタカーを借りて走るのがお好きなのだとか。

ぼつぼつ話すうちにアイヌの話題になりました。そのご婦人はアイヌの白樺細工に関心があるのです。編んだ籠など見事なものだそうですが、良いものは博物館に陳列されており、所蔵できないのが残念とおっしゃっていました。

そのうち酔いがまわると、だんだん話が大きくなってきました。アイヌの白樺細工は後継者がいないとすたれてしまう、東京に持っていけば高く売れる、自分はそうした籠の売買をコーディネートしてもよい、などなど。

聞くとどうも札幌市南区のアイヌ文化施設、ピリカコタンで白樺細工をお知りになったようですね。細工をするアイヌの職人を紹介してくれるように施設に頼んだが連絡がない、と大層ご不満なご様子。また、白樺は北海道で産業にほとんど使われないことから、樹皮を安く入手して籠細工の原料にする、など怪気炎をあげはじめました。

要するにクラフト製品のベンチャービジネスを立ち上げたいのかと思ったのですが、それにしても話にさっぱり具体性がありません。第一職人が確保できていないし、材料の調達も未知数。思想自体がどうにも100年以上も前の植民地主義というか、現地人に安く細工物を作らせ、それを都市で高く売りさばきたいという本音が見えてきて、どうにも不愉快になってしまいました。

アイヌについての知識がまた、彼女には決定的に不足しています。そもそも「アイヌ共和国」みたいな存在はないし、住む場所による文化の違いはすごく大きい。アイヌ文化でマネタイズしたいならまず文化に対するリスペクトが不可欠だし、資金と労力を惜しまず奔走しないと成功はおぼつかないことでしょう。田舎をバカにし、都会人を鼻にかけた態度に腹が立ち、大人気ないことですが少々口論をしてしまいました。私は北海道人として生まれ育ち、正真正銘田舎の人間で、田舎を軽視されたのがどうにも許せなかったです。今は反省していますけども。

このご婦人を一言でいうと「半可通」ということでしょうが、省みて胸に手を当てて思い返すと、自分自身だって危ういものです。人のふり見て我がふり直せ、という言葉を思い出しました。立腹しやすくなったのは加齢のせいでしょうか?今後は気をつけなくては…
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