mixiユーザー(id:1439009)

2018年06月01日18:33

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『日本文学全集の時代』

 つい先日、この本を読了しました。とても面白く、また勉強にもなりました。

 2枚目の画像は、裏表紙に書いてある章立てです。
 帯には3枚目の画像のように書いてあります。

 この本のことはネットの「日本の古本屋メールマガジン」4月25日号で知りました。私は近現代の文学にはあまり関心が無く、普通ならばこうした書籍には反応しなかったと思いますが、ふと読んでみたくなりました。

 これだけ多くの、しかも異版が夥しくある日本文学全集を博捜され、それらを見事に体系立てて論じられた内容に圧倒される思いでした。それぞれの文学全集の特徴や意味合いがよく理解できました。正直言って、それぞれの全集名は似通っていてごちゃごちゃになってしまいましたけれども。(^_^;

 巻頭に16ページに及ぶカラー口絵があり、そこに本文で取り上げられている全集の表紙の画像が1ページに4点ずつ紹介されています。圧巻でこれも有意義なものと思いました。

 しかし、これだけ多くの日本文学全集が、並行して多くの出版社から刊行され続けていた時代というのは、文学にとっても出版文化にとっても、何とも幸せな時代だったものと思います。高度経済成長の時代であったにせよ、文学や書籍に関心のある人がたくさんいたのですね。

 現代のように、出版不況、書店の廃業、大型書店さえも閉店、文学部不要論が唱えられている状況とは隔世の感があります。

 あれこれ考えさせられるところの多い本でした。

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