一人娘が嫁に行くので、お母さんが娘に言いました。
「お前は言葉づかいが悪いから、きをつけるんだよ。言葉の前には『お』の字をつけて、ていねいに言うんだよ」
「『お』の字をつけて言えばいいんだな。わかった
」
それから無事に結婚式
が終わり、娘はお嫁さん
になりました。
次の日、嫁はおしゅうとめさんに言いました。
「お台所の、おすりこぎ棒が、お風に吹かれて、おころん、おころんと、おなっています」それを聞いたおしゅうとめさんが、娘に注意
しました。
「ていねいなのはいいが、そんなに何にでも『お』をつけるもんじゃないよ」
しばらくして娘が里帰りしました。その時の話をすると、お母さんは言いました。
「それは、おしゅうとめさんの言う通り、あんまり『お』ばかりつけるのも、おかしいよ」
「『お』をつけると、おかしいんだな。わかった
」
娘が里から帰ると、おしゅうとめさんが聞きました。
「里では、みなさんおかわりはなかったですか?」
娘はお母さんから、あまり『お』をつけるなと言われたのを思い出して答えました。
「はい、
やじも、
ふくろも、元気
」
これには、おしゅうとめさんもあきれてしまいました。そしてこんな娘では困ると、とうとう里に帰されてしまったモンミ
おちまい
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