「どうも〜」
「灰原でーす」
「歩美でーす」
「二人合わせて、灰原歩美でーす」
灰原歩美、今人気の女漫才師だ。
俺の同級生がこんなに有名になるなんて、あの頃は思いもしなかったな。
二人のマネージャーである、元太もさぞ誇らしいだろう。
今日、コナンは二人の漫才を見にイベント会場へやってきていた。
彼女たちとは今でも連絡がとれる仲だが、人気者は忙しいだろう、と遠慮して今日来ることは伝えていない。
会場は彼女たちの漫才を見ようとたくさんの人でいっぱいだ。
歩美「突然なんだけど、私かわいいやろ、せやから街歩いてると男の人にしょっちゅう声かけられるんや」
灰原「なんて言われんねん?」
歩美「お客様、お会計をお忘れではございませんか?って」
灰原「ただの泥棒やないか!」
歩美「そうやねん、男のハートを盗んでるねん」
灰原「なんでやねん!」
今日も歩美のボケに灰原がツッコミを入れている。
会場は爆笑の渦だ。
しかし、漫才の途中から歩美の様子がどうもおかしい。
ときおり苦しそうな表情を見せている。
歩美「いや〜、モテるってつらいな〜」
灰原「もうええわ!」
バシッ
歩美「う、、、」
バタッ
灰原が、ネタの最後にバシッっと左手でツッコミを行うと、歩美はその場に崩れ落ちた。
「ワハハハハ」と笑っていた観客たちだが、これは、、、
これはお芝居じゃない!
コナンは慌てて二人のもとへかけよった。
コナン「歩美!大丈夫か!?」
灰原「江戸川くん、来てたの!?」
コナン「おい、歩美は?」
灰原「わからない、急に倒れて」
そこにマネージャーの元太もやってくる。
元太「大丈夫か!?」
コナン「元太!救急車だ!」
元太「お、コナン!救急車だな、わかった。すぐ電話してくる」
ピーポーピーポー
こうして、歩美は救急車に乗せられ、灰原、元太とともに病院へと運ばれていった。
コナンも自分の車で、救急車の後を追い、病院へと向かった。
「、、、歩美」
歩美は病院で死亡が確認された。
医者の話だと、心不全ということだった。
コナン「、、、歩美」
元太「歩美は心臓が弱かったんだ。今日の漫才は盛り上がってたから、興奮しすぎたのかもしれない」
灰原「そんな、歩美が死ぬなんて」
病気なら仕方ない、歩美が倒れるという推理は、俺には不可能だ。
元太「去年心臓手術をしたばかりだっていうのに、なんで、、、」
コナン「手術をしたのか初めて聞いたぞ」
元太「ファンに心配かけまいと、俺と灰原以外に誰にも言わなかったからな」
歩美のそばで泣き崩れる元太、そして灰原。
漫才は一人ではできない、これからどうするのだろうか。と、灰原の方を見るコナン。
( 、、、妙だな )
灰原の姿が漫才をしていたときと何か違うような。
なんだろう、この違和感は、、、。
コナンがそう思っていると、病室に看護師がやってきた。
看護師「すみません、近親者の方に連絡を」
あああ、歩美が亡くなったことに動揺して、歩美の両親へ連絡するのを忘れていた。
「俺が伝えるよ」
と、病室をあとにする元太
「ちょっと待て、元太。どこへ行くんだ?」
「何言ってんだコナン。ここは病院だぞ」
元太は、看護師とどこかへ行ってしまった。
コナン「ここは病院、、、そうか!」
灰原の顔色が一気に曇る。
コナン「灰原、、、犯人はお前だ!」
灰原「な、なんのことかしら」
コナン「会場で漫才をしていたときと、今のお前の姿は違う」
「それがなんなのかようやく気付いたよ」
「腕時計だ」
「漫才中、お前は腕時計をしていた。だが今はしていない。いったいなぜだ」
灰原「邪魔だから外しただけよ」
コナン「いや、違う。お前の腕には腕時計の日焼け跡がついている。普段から時計をしている証拠だ」
灰原「だからなんだっていうの、腕時計が今、何の関係があるのよ」
コナン「大ありさ、あれは、ただの腕時計じゃない
、、、アップルウオッチだ!」
灰原「・・・」
コナン「アップルウオッチは時計以外に携帯機能もついている。お前はそのアップルウオッチをはめた腕で歩美にツッコミ、ペースメーカーを誤作動させたんだ!」
灰原「さすが、名探偵の工藤新一ね。その通りよ」
「私が歩美を殺したわ」
コナン「そんな、なぜだ!?」
灰原「私たちの漫才のネタは全て私が書いてるの。それなのに、歩美ったら自分がかわいいから人気だと勘違いして浮かれているのよ」
「だからコンビ解消をしたかったんだけど、マネージャーの元太に止められてね」
「でも、死体となれば一緒に漫才はできないでしょう」
灰原は、にやりと笑った。
「あなたが今日来てるなんて知らなかったわ。あなたがいると知ってたら別の日にやってたのに」
灰原は犯行を認め、警察へ自首した。
今回は光彦の出番がない悲しい事件だった。
おわり。
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