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2018年05月16日00:09

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日本フィル横浜定期演奏会@337(2018.5.12)阪田知樹のシューマンとラザレフのチャイ4&港の見える丘公園(ローズガーデン)

2018.5.12 於:みなとみらいホール

(前半)
  ワーグナー
   楽劇<トリスタンとイゾルデ>より
    「前奏曲」と「愛の死」
  
  シューマン
   ピアノ協奏曲 イ短調 op.54

(ソリストアンコール)
  シューマン作曲(リスト編曲)「献呈」

(後半)
  チャイコフスキー
   交響曲第4番 ヘ短調 op.36   

(アンコール)
  チャイコフスキー
   くるみ割り人形から「トレパック」(ロシアの踊り)

指揮:アレクサンドル・ラザレフ
ピアノ:阪田 知樹
ゲストコンマス:藤原 浜雄

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

暑いくらいの日差しの中、爽やかな風が吹き抜ける季節となりました。

「港の見える丘公園」の薔薇もほぼ満開といったところで、そちらを充分に堪能させていただいた後、日本フィルの定期演奏会を聴かせていただきました。

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先ずは、ワーグナー。演奏が始まって一瞬で、あのワーグナーの独特の世界に引き込まれます。ゆったりと、そして堂々とした演奏でありながら、もはや音符(メロディー)なのか感情・情景そのものなのかわからない半音階の旋律が快感中枢をこれでもかと刺激し続けます。夢と現実が曖昧になり、覚醒から睡眠へ移る限界のところでクライマックスを迎えまました。今日は一曲目から濃いです。

2曲目はリスト国際ピアノコンクール優勝をはじめ、各国のコンクールで優勝、入賞を続ける(まだ20代の)阪田知樹さんのシューマンコンチェルト。この曲はプレトークでもお話が出ましたが、シューマンが愛する妻(クララ・シューマン)への愛のメロディーを各所に埋め込んだ美しい曲。難曲ですが、阪田さんの堅実で物怖じしないピアノがあくまで爽やかに、そしてじっくりと聴かせてくれます。何というか、曲が進むにつれて体の中の毒素が流されてゆくような、脳が浄化されるような・・。さすがソロは美しかったです。オケと被る部分では遠慮か、またはオケ側・・なのか、少し音が聞こえにくい部分がありました。

ピアノのアンコールは「献呈」。これもシューマンがクララへ結婚前に贈った歌集に納められている愛の告白の歌です。せつなく火照り揺らめく心をこんな素敵な歌(音符)に表現できるシューマンに(もちろん)脱帽ですが、その曲をゆったり情感たっぶりに弾く阪田さんにも脱帽です。オケのメンバも楽器を置いてうっとり聴き入っているようでした。

後半はメインのチャイ4。この曲、2019年に予定されている日本フィルのヨーロッパ公演のプログラムにもあり、ラザレフ、楽団とも気合い入りまくりの演奏でした。(ヨーロッパ公演はインキネン氏)各所に(良い意味での)工夫があり、テンポも大きく揺れ、コーダは私の経験上最速。弦への最弱音指示とパーカス、木管の大活躍。最終楽章でのチェロ、バスへの指揮台を降りてのfff要求。全てが良い方向に相まって終楽章が終わり切った瞬間、シューマンで浄化された脳がフル回転で音楽を解釈しようとしていたためか、あたかもその後の活動エネルギーが不足したように、手足は痺れ、辺りもよく見えず「もしかしたらこのまま昇天か」とも感じましたが、なんと、続いて「くるみ割り」のアンコールまで始まるサービス振り。気付くとヘルニアで腕が痛い事も忘れ、思い切り拍手をし続けていました。

チャイ4は団員もやり切った感があったのか、皆さん良い顔をしていました。
カーテンコールではラザレフ氏がオーボエ(杉原さん)、ファゴットを指揮台に立たせ拍手喝采。

こんなに内容の濃い、素晴らしい演奏会でも何故か、残席が少し目立つ演奏会だったのかとても残念でした。

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