mixiユーザー(id:13237927)

2018年05月14日09:04

77 view

ノーカントリー

何だか微妙に身体の調子が悪い。


例の逆流性食道炎が出そうで出ない。

持病の喘息が出そうで出ない。

妙に眠い。

何もしたくない。


これは俗にいう鬱病なのか?

いやいや、そんな大層なものじゃないと思う。


そんなときに、こんな映画を観るなんて…笑える。


アカデミー賞。作品賞、監督賞、助演男優賞などの有名な作品では
ありますが、R15指定です。
残酷な描写がありますので、その辺ちょっと苦手な人は観るのはやめたほう
がいいでしょうね。


2007年米
☆☆☆
BBCが選ぶ21世紀最も偉大な映画第10位

********************************************************************

今回はネタバレになるような感想を少し書きたいので、もしこれから観る
予定のある人は以下見ないでください。

























この作品がアカデミー賞を受賞したのは、ひとえにハビエル・バルデムの
おかげでしょう。

バルデム変じる殺し屋アントン・シガー。この存在感がもの凄いです。

普通に話をしていても、いつ殺されるんだろうかと観ているこちらが、ハラ
ハラしちゃいます。

何の感情もなく人を次々に殺します。

この描写が物凄すぎて、後の登場人物はみんな色褪せてしまいます。

主人公は老保安官(トミー・リー・ジョーンズ)だと思いますが、まったく
いいところありません。

ジョシュ・ブローリン演じる逃げる男(ルウェリン)も全く精彩なし。

まあ、あえてそういう役作りなのかもしれませんが。

あれだけ強烈な殺し屋を中心に置くと全体にそうなってしまうかも。


それにしても、終盤、あまりにあっけない終わり方になるのです。

あれだけ必死に逃げ回ったルウェリンも結局シガーとは関係ないチンピラに
殺されてしまいます。

ルウェリンの妻の殺害、シガーの交通事故、保安官の昨夜の夢の会話…

…なんだか尻切れトンボのような終わり方であっけにとられてしまいます。


普通この手のフィクションの終わり方としては、なんとか執拗な追跡を逃れ
て、最後の最後に殺し屋を始末して夫婦で抱き合ってハッピーエンドを期待
するものです。

しかし、この映画あえてすべて裏切って終わります。


でも観終わってしばらくして気がつきました。

この映画のタイトルが "No Country for Old Men"

どうでしょう、直訳してみれば「老人の住む国じゃない」


原作の小説のタイトルが「血と暴力の国」。

このタイトルのとおりだったなあ、と思いました。


劇中、途中に大勢出てくる老人、思い出すとほぼ老人ばかりです。

運よく生き残った者、可哀そうに殺された者。

何の理由もなく、何の感情もなく殺されていきます。

作品全体で、理不尽極まりない状況を作り上げていることがわかりました。

そのためにあえて散漫な終わり方にしたのでしょう。

主人公はいないんですね。



皮肉な諸行無常を表現した作品。そういう意味でアカデミー賞受賞も納得でした。







0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する