【思い立って夜の海に】
昨日は、深夜急に思い立ってバイクで夜の海に行ってきました。
水面でキラキラ光る夜光虫の正体は、単細胞のプランクトン。彼らは赤潮の原因藻類だけど、ノクチルカという種類で害毒もなく漁業に被害を与えるような危険な赤潮ではない。夜、波に揺れる青い光…それはそれは幻想的な光景だ。
ボクが高校生だった頃にはバイクで夜の海に行って、一晩中ビールを飲みながら仲間と盛り上がったものでした。あの頃の仲間はみな結婚し、幸せな家庭を築いているが、あの頃ビールを飲みながら見た海の美しさはいまだに忘れえぬ記憶となっている。
社会人になってからは、海に行く目的がすっかりと変わってしまった。バーベキュー目的になった。いつしか海で泳ぐこともなくなり、海は眺めるだけのものになっていった。
昨日は、ふと思い立って行ったわけだが、夜光虫の光は美しかった。ずっと忘れてたものを思い出させてくれるようだった。
ざざーん・・・
ざざーん・・・
と、打ち寄せる波。浜辺で膝を抱えてずっと見ていた。何も考えず、ただ見ていた。
夜光虫の光は、独特の幻想的な美しさがある。
無機物の、味気ない光に囲まれて生活しているとつい忘れてしまう何かを思い出させてくれる美しさだ。
ざざー・・・
ざざざ・・・
打ち寄せる波。打ち寄せては引いていき、また打ち寄せる。地球に海が出来てから、きっと変わらない光景なのだろう。この光景を見ながら、古代の人々はいったい何に心を寄せたのだろう?
このまま夜が明けるまで、と思ったが、何故か
夜のうちに帰ったほうがいいだろう
そんな気になったのだった。
50ccのバイクで家に帰る頃には朝焼けが出ていた。車が一台も走っていない道路が朝日に照らされ、紫色に染まっていた。
朝日は誰もいない道路を煌々と照らし、また新しい一日の始まりを告げていたのだった。
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