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2018年04月22日19:33

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日本フィル横浜定期演奏会@336(2018.4.21)インキネンのドビュッシー没後100周年

2018.4.21 於:みなとみらいホール

オールドビュッシープログラム

(前半)
  小組曲(ビュッセール編曲)

  クラリネットのための第1狂詩曲

(後半)
  神聖な舞曲と世俗的な舞曲

  交響詩<海>-3つの交響的スケッチ

(アンコール)
  ゴリウォーグのケークウォーク

指揮:ピエタリ・インキネン
クラリネット:伊藤 寛隆
ハープ:松井 久子
ゲストコンマス:白井 圭

管弦楽:日本フィルハーモニー交響楽団

春の訪れが早足過ぎて激しく汗ばむ陽気の中、みなとのコンサートホールに出掛けてきました。

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昨日は近現代の作曲家であるドビュッシーの没後100周年記念という事で、オールドビュッシーのプログラム。

1曲目の「小組曲」がフルートとハープで優しく歌うように始まると一瞬で軽やかなフレンチクラシックの世界が拡がります。軽やかだけどテンポが揺れ親しみやすいメロディーや遊び心が各所に現われる楽しく美しい曲。もとはピアノ曲で、子供さんが発表会などで器用に弾く曲ですが、オケバージョンも素敵。管に併せて弦も乾燥したでも味わいのあるいい音を出します。

2曲目はパリ国立高等音楽院の卒業試験用に作曲されたというクラリネットによる小協奏曲。これを日本フィルのクラリネットパート首席の伊藤さんが吹きます。爽やかな風が吹き抜けた1曲目から一転してなまめかしく柔らかい木管の音がホールを満たします。伊藤さんもノッて来て難所をどんどんクリアしますが、盟友のオケメンバーがそれにピッタリ寄り添い密度の高い音楽を奏でました。

後半は舞台中央にハープがソリストとして登場する、弦とハープのみの楽曲。半音を多用する楽曲は深淵で神聖、神秘的な雰囲気を醸しだします。「何と心地よい曲なんだろうか」何度もため息が出、僅かな音も聞き逃すまいと集中力が増して行きます。曲の後半は「世俗的・・」のパート。深淵さが流麗でアクロバティックなパッセージに変わり最後は高揚とともにオシャレに終わります。松井さんの空気感を表現するような演奏も素敵。

最後は「海」。これは震災直後にフィンランド政府から日本への渡航を禁止されたインキネンが2014年に再演したプログラムで彼の演奏としては2回目。薄明で波ひとつ無い(あくまで主観)海に朝日が差し始め、やがて風が出て万化する波、太陽や風、波の対話などの自然風景を巧みなオーケストレーションと独特の透明感で表現する曲を豊かな何色とも言えないような色彩で歌い上げます。オケの腕が上がったのかインキネンが更に熟れたのか前回のイメージからより軽妙で斬新な感じがします。イングリッシュホルン、オーボエ、フルート、最近活躍のファゴットの田吉さんも頑張ってました。

アンコールはピアノ組曲の「子供の領分」から最終曲。これもオケ用に編曲されたものですが、黒人発祥のダンス音楽(ジャスの起源?)を元にしていてアンコールにふさわしい楽しい曲でした。

今回は演奏会としてのトータルの時間は短かったものの、曲にも演奏にも十分満足できるコンサートになりました。

頚椎ヘルニアの激痛に耐えながらの鑑賞でしたが却って集中できた気がします。次回までには緩和されている事を祈ります。

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