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2018年04月16日18:54

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修羅天魔〜髑髏城の七人 Season極@TOHOシネマズ錦糸町

12日、劇団☆新感線の「髑髏城の七人」を観に行きました。昨年の春からロングランを続けてきた名作の、「完結編」と銘打った芝居です。
観たといっても、話題の豊洲の劇場ではなく、錦糸町でのライブビューイング。
なにしろ、モノホンはチケット12000円オーバーで、しかもそれがなかなか取れないorz
カネもくじ運もない俺のような者には、大変有難い企画なのでした。

いろいろ感じることが多く、何から書いたら状態ではありますが……。

まず脚本がぶっ飛んでいた。
90年代から何回も上演されてきた髑髏城ですが、今回は何とその主人公である「捨之介」が出てきません(;゚д゚)。さらに、「七人」の要の一人、「無界屋蘭兵衛」も出てこないという。
代わりに、天海祐希姐さん演じるところの「雑賀のお蘭」がストーリーを回していく。
なので、基本的な設定やおなじみのくすぐりなど、見覚えのある部分は残しているものの、今作は完全に天海祐希のために書き直された「新作」ととらえるのが順当でしょう。

主人公・お欄が雑賀衆で武器が鉄砲なので、今作はいつもほど殺陣が派手じゃない。お欄の代わりに、福士誠治の「抜かずの兵庫」や清水くるみの「熊木の沙霧」梶原善の「ぜん三」らが立ち回りをするのだけれど、いくらか物足りない感じはしました。

その分リキ入っていたのが「歌」でした。
全曲デーモン小暮閣下が作詞を担当。決めどころやくすぐりに、盛大にフィーチャーされていました。やっぱり姐さんの歌は凄い♪ この人、ヅカ出身の女優さんあまたいる中で、本当に仕事に恵まれていると思いました。
チラシには劇中歌は3曲とクレジットされているけど、俺の記憶的にはもっと多かった気がしています。それだ刺さったということなんでしょうね。

あと、ゼッタイ触れなければいけないのは、「装置と舞台まわし」について。
今作の劇場である「IHI StTAGE AROUNDO TOKYO(長いw)」は、名前の通り舞台が客席の周囲に置かれ、暗転などの際に「客席が回転する」というのがウリ。あらかじめ複数のセットを構え、客席を回転させれば、スピーディーな場面転換が可能です。
その舞台の、客席側の橋をちょびっと残して緞帳が引かれ、そこにプロジェクションマッピングで映像が展開できる仕組みになっている。この、舞台の先っちょにスペースが取ってあるのがミソで、PMを背景にして役者を走らせ、これに照明を当てながら客席を回転させて追いかけると、ここをながーーい花道として活用できます。

とまぁこのような、ケレン味の塊のようなハコのこけら落とし公演として、昨年4月から髑髏城がロングランで走っているわけです。

劇の最初のうちは、「あーここで客席が回って次の場面に行くのね。わかるわかる」と、余裕を持って観られます。それが休憩明けの後半になると、どんな舞台回しで場面転換しているのかわからなくなってくる。
特に、お欄や兵庫たちが髑髏城に侵入してからの活劇シーンは、映画館で観ていては舞台回しがどうなっているのか、さっぱり理解できませんでした(;゚д゚)。

……と、ここまで役者の話が出てきてないでですが。
雑破なところ、お欄の天海祐希と、敵役「天魔王」の古田新太に尽きますね。
もともと姐さんのための脚本であり、その主線が信長/天魔王との愛憎劇だから、まぁ仕方ないところでしょう。
ただ、そこを抜きにしても、福士誠治、無界の里の竜星涼、関八州荒武者隊の面々から遊女たちまで、揃って絶叫系の芝居だったのはちょっとガッカリでした。映画館で観ている限りでは、正直ウルサい(´・ω・`)。
清水くるみは、もう少し頑張って欲しかった。滅ぼされた熊木衆の頭領としての重厚さが足りない気がしました。

まあ何しろ、思っていた髑髏城と違っていたのが、良くも悪くも印象に残る舞台でした。そのまま終わっていたら、たぶん煮え切らない気持ちが残ったと思います。
しかし。
姐さん最後の決め台詞がすべてをぶっ飛ばしました。
「浮世の義理も昔の縁も 三途の川に捨之助っっ!!!」
もー涙腺崩壊した。泣かないようにするために、カーテンコール中ずっと俯いていたことです(ToT)。

天海×古田というと、3年くらい前の「薔薇とサムライ」なんだけど、気持ちよさでは劣る感。それでも、前述の決め台詞に理性が破壊されたところを汲んで、


80点。
6 0

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