泉屋博古館で開催の「生誕140年記念特別展 木島櫻谷 Part�� 近代動物画の冒険」に過日行ってきました。
日曜美術館でも取り上げており、気になっていました。
木島櫻谷は明治から昭和にかけて活躍した京都の日本画家で、最も高く評価されたのが動物画だそうです。
「奔馬図」という作品があったのですが、墨の濃淡だけで、サッと描かれたような作品が素敵でした。
チラシなどの案内に使われている「寒月」は、月光に照らされた雪が積もった竹林とそこを歩く一匹の狐が描かれています。
シーンとした中に、狐が雪の上を歩くサクッという音が聞こえてきそうです。
作品の目の前の椅子に座ってしばらく眺めていたのですが、ふと気が付きました。
「影がない…」
作品は向かって右上に月が絵が描かれています。
ですから、竹林や狐の影が左方向に本来ならあるはず。
ですが、影が一切ありません。
影があったら、この竹林はうす暗いくなっていたかも。
影がないことで、雪の白さが引き立ち、竹林や雪景色の静寂が強調されているように感じました。
実に満足できる展覧会でした。
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