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2018年04月11日12:04

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ストーリー論 人間的成長と問題解決

2018年03月10日のツイート

嵐が来たが、耐え忍んで頑張った。そのうちに嵐が過ぎ去った。人間的に少し成長した。…こんなストーリーが面白いか? 30分とか1時間とか2時間とかやられたら我慢大会か時間の無駄だと思う。話の性質上短い時間では表現できないから時間が必要なわけでタチの悪い構造的な欠陥みたいなものだと思う。

宇宙人が攻めてきたり巨大隕石が迫ってくるが、やりすごすパターンと撃退するパターンがある。宇宙戦争やデイアフタートゥモローはやりすごす(いや未解決?)パターンだが、終わったら「はぁ?」って思うだろう。まあ途中のアクシデントや頑張りを並べてそれを楽しむ内容だ。

でも終わり良ければすべて良しじゃないけど、頑張ろうが怠けようが勝手に過ぎ去っていくんだったら今までの頑張りはなんだったの?ってなるだろう。それで「人間的に成長できました」というのは、もう申し訳だよ。「人間的に成長しましたから勘弁してくださいお客さん」って言ってる。いやいやいやw

制作者よ、脚本よ、お前が頑張れよ、って思う。主人公たちが頑張ってその手で解決する形にするだけだろう。アイデアで。別に勝手に解決しちゃう話があってもいいけど。私は否定的だというだけで。でも私だけか? そういうの見せられたお客さんは気の毒だと思うのだが。

勝手に解決されようが人が解決しようが、途中に面白いことがどんどん起きて人々が頑張るのはどっちも同じじゃん。そしてどっちも人間的にも成長するだろう。事件が、頑張りが、成長が、なければないほどストーリーは最悪に、あればあるほどストーリーは面白くなる。その最後に人が解決すればいいのだ。

問題が勝手に解決しちゃう話って、ダラダラと暇つぶしに書いた話に思える。なんかビシッと解決するアイデア思いつかないからまーいーや、キャラが人間的に成長したところを見せとけばカッコつくだろ、という「ダラダラ書いて適当に終わらせるためのある意味黄金パターン」だ。

いやいやそんなのに乗せられてる場合じゃないんだよお客さんw と私は思う。逆に言うと「最初はダメだったキャラが最後は成長しました」というのがどれだけ強力な要素か、ってことになるのだけど。これさえあればどんなグダグダ話もカッコがついてしまう。なんかいい話だったかも?と思えてしまう。

人が成長する話は簡単。ダメな所がある主人公に、災難が降りかかって、身をもって思い知って、ダメな所が直る。これだけ。では何がダメなところか?こいつにどんな災難をぶつけてやれば思い知るか?考える。作者はダメな奴(主人公)を攻撃する側なのだ。これは面白い。「作者は主人公ではない」のだ。

問題は、災難をぶつけてやったのはいいが解決できなかったパターン。解決できなかったけど、もう十分思い知ったので、ダメな所が多少でも改善された=成長できた。それでもいいよ、成長できたんだから。でもそこまで考えたならもう一アイデアだろうが。解決させてやれよ。災難を。過ぎ去るんじゃなく。

手抜きに思える。ダメな奴、というかぶっちゃけ「嫌な奴」だな。自分が思う嫌な奴、そいつに災難ぶつけて思い知らせて楽しんでるだけだから。暗い遊びなのだよ、話を書くって。でもそうやってぶつけられた災難を主人公がどう解決するのかまで考えてやってない。なんか作者が卑怯に感じちゃうわけだ。

これはそもそも私が「問題を解決する側」というのは大きい。どんな問題をどう解決するか?に一番興味があるのだから。ていうか、敵がどんな技を使ってきてどう攻略するか的な、主にそういう類の問題解決だ。逆に人間的な成長(当然これは戦士として強化されることではない)とか気を使ってこなかった。

そんな私からしたら成長が描けるというのは大したことだ。どっちが大事かと言ったら問題解決より人間的成長なのだ。問題解決しかないのはスカッとするが薄っぺらい。スカッとなんとかはまさにそれ。悪い奴(問題)出してヒーロー出して解決するだけ。ヒーローに悪いところはない。これが薄っぺらい。

人間的成長と問題解決が両方あったら完璧だと思う。別に世の中なんてどっちだろうが適当に楽しまれるだけのことだが、両方あった方がより「いいものが揃っている」のは間違いない。人間的成長のない問題解決は薄っぺらい、問題解決のない人間的成長はスッキリしない、両方あったら文句なしだ。

あと、勝手に問題が解決されるくらいならハッキリと敗北させてやった方がスッキリする。やるだけやって悔いはない。ハッキリとした結果がでることが大事。…まあ単純に言うとそういうことだけど、結局は「味」なので絶妙な味わいというのは簡単な理論ではなんとも言えないが、原理的にはそういうこと。

モヤモヤする話も好みだから。モヤモヤを味わいたい嗜好というのはあるだろう。小説ってモヤモヤする傾向がありそう。小説読まないから適当言うけど村上春樹とか。ラノベは災難よりいいことばかり起きるのが受ける。主人公になりきって嫌なことがなくいいことばかりの世界を味わう、という甘々な嗜好。

これは災難・問題を「事件・イベント」と言い換えるといいのだけど。主人公は(表向きは)困ってるけど本当のところは(読者は)嬉しい事件(例・主人公は女性恐怖症なのに女性と同居することになってしまったが人間的成長により女性を克服し結ばれる)。問題解決=イベントクリアー。原理は同じ。

そんなことをまたあのアニメを見て考えてしまった。だから結局は勉強になるわけなのだが。できれば普通に楽しい作品見て楽しみたいのだけど。うーむ…w
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