チェーンジ！

久しぶりにレトロゲーをクリアしてみようのコーナー。

今回プレイしたのは、ファミコンソフト「刑事ブレイダー」です。
タイトーより発売のＲＰＧですね。

ストーリーは、いわゆる「宇宙刑事ヒーロー」のオマージュ。
主人公は宇宙刑事で、地球にやってきた悪の組織ジャドーの野望を打ち砕くべく、戦いを繰り広げます。

基本的には一人旅で、戦闘もドラクエ１のような１対１のシンプルなもの。
仲間はイベントによって加入したり離脱したりしますが、ＮＰＣ扱いで、たまに攻撃や回復をしてくれる感じ。
この部分は桃太郎伝説のおともみたいな感じですね。
実は僕は子供のころ、この「一人旅」が気に入らなくて、やらずに放置していたゲームでした。（桃太郎伝説もドラクエ１もそのせいでずっと放置してました。大人になってからクリアしたけど）

主人公、つまりブレイダーは武器を３つまで同時に装備できます。戦闘中はそのうち１つを選んで攻撃。
武器は直接攻撃系（パンチとかブレードとか）と、重火器系（ビームとかカノンとか）に分かれていて、直接攻撃系は使用回数無限。
重火器系は少し変わったシステムで、チャージ式です。
１ターンごとに、武器ごとに設定されたエネルギーをチャージしていき、１００になると発射可能という仕様。
例えばグレネードはチャージ値が５０なので、２ターンに１回ずつ撃てます。ヘビーバズーカはチャージ値２０なので、５ターン経過しないと次が撃てないわけです。
ただし戦闘開始時はどの武器もチャージ１００からスタートするので、開幕直後にぶっ放すことが可能。
このシステムのおかげで、一つの武器を延々と使い続ける単調なシステムから少しだけ脱しようという試みです。
例えば強力な銃器で攻撃した後、チャージ中にブレード攻撃するのか、あるいはユニット（いわゆる魔法）で回復したり補助したりするのか。
そうした戦略的なことも必要になってきます。

ただ戦闘関係で注文をつけるなら、やっぱり必殺技はほしかったです。
せっかくテーマが宇宙刑事モノなので、必殺レーザーブレード！　みたいに敵をぶった切りたいじゃないですか。
上にも書きましたが、魔法的な要素である「ユニット」は回復とステータス変動の補助ばっかりですし。
チャージ式武器も、開幕でいきなり撃てるので「溜めて溜めて、撃つぞ！」というよりは「次の弾はまだか！」といったリロード待ちの感覚ですし。
もっとヒーローしたかった。

シナリオは極めて王道で、ぶっちゃけお遣いゲーム。
単調でしたが、そもそも宇宙刑事もので謎解きとかひっかけとか、そういう要素が必要かと言われると、まあこれでよかったのかなと思います。
コメディ的な要素は少しありますが、オタクを皮肉ったような部分はまったくなくて、素直に感情移入して遊ぶことができました。
そもそもＲＰＧの語源が「なりきりゲーム」であることを考えると、これも正しいＲＰＧなのかなと思います。

それを最も象徴しているのが「チェンジ」システム。
戦闘時以外で「チェンジ」というコマンドを選ぶと、主人公が変身します。
くるっと回ってスーツを着たり脱いだりするわけで、まさしく宇宙刑事の戦闘モードに変身するわけですが、戦闘能力にまったく変化はありません。
変身したまま町をうろついても人々の話は同じだし、逆に人間状態で戦闘に入っても、戦闘中は「変身している」かのように戦っています。ペナルティは一切なし。
（ごく一部、特定のスーツを着ていれば地形ダメージを受けない仕様はありますが）

でも、なりきりゲームとして遊ぶなら、やっぱり街中では人間の姿で人々から情報収集したいし、危険なダンジョンでは変身して戦いたい。
そういうことなんだと思います。
ゲームに影響はなくても、やっぱり変身ごっこしたいじゃないですか、男の子なら。

戦闘バランスはちょっとキツめで、新しい町では最新の装備を揃えておかないと、敵の強さについていけなくなります。
そのためにレベル上げや金貯めが頻繁に起こり、新しい町についたら１時間は足止め、なんてことがザラに起こります。
そのへんの「金貯め、レベル上げ」が好きか嫌いかによって、このゲームを好きになれるかどうかが分かれてきそうな気がしますね。
僕はむしろ好きなので「頑張ってあの武器を買うぞ！」みたいな感じで作業していたので面白かったですけど。

出てくる敵モンスターは、コミカルで特徴的なグラフィックでよかったと思います。
ロックマンのボスみたいな感じといえば伝わりやすいでしょうか。
あとバニーガールとか中華娘とか、そういうキャラの戦闘グラフィックも用意されていて、これがまた可愛い。
なんか昭和の漫画イラストみたいな感じ。
グッドですね。

総評としては、シンプルで、難しいことを考えずに古典ＲＰＧをやりたい人におすすめできると思います。
あと宇宙刑事とか好きな人ならなおよしです。