とにかく、涙が止まらなかった。第一幕クンドリー退出後の弦による鐘の動機、聖杯開帳、第二幕冒頭クリングゾル、第三幕聖餐の動機が初めて上昇音形に転ずる所、聖金曜日の音楽で短調から長調に戻る直前のバスのピチカート、Enthüllet den Gral, öffnet den Schrein! の6箇所だったのは克明に覚えている。
前にも書いたがこれが6年ぶりの実演。もちろんこの間録音等で何回も通しで聴いてはいるが、幸い実演派でまだ居続けてられている今の自分にとっては、やはりライブで空間を体感してナンボ。こんなにも自分はこの作品を渇望していたのかと、自分自身びっくりした。
この瞬間を味わうことが自分の人生の意味の一つなのだということを再確認。一般人にとっては理解しがたいキモい感覚なのだろうが、信仰を持たない自分は、こういうものを持っているからこそ、仕事等で口にも出せないような辛い思い等があっても心は常に安定して居られるのだと思っている。
ログインしてコメントを確認・投稿する