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2018年03月29日08:01

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映画「ちはやふる−結び−」見ました−原作の2年、3年をうまく再構成して団体戦を中心に大団円で完結させたおもしろい映画だった−

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3月17日に公開された映画「ちはやふる−結び−」を見てきました。
日記に映画の感想を書くのはいろいろ考えるのでほんとまとめるのに時間がかかります。1週間以上経ちましたがやっと一番最近に見たこの映画の感想をアップします。

「ちはやふる」は2008年から連載開始された末次由紀の人気漫画でいろんな賞を取っています。アニメは2011年の10月から4月まで第1期が2013年1月から6月まで第2期が放送されました。
もちろんアニメは見ていたのですが、そのタイミングでいつのもように友人が手放した原作コミックスを(たしか13巻くらいだったと思う)いただいて読みました(笑)。そしておもしろかったのでその後継続してコミックスは購入しています。現在35巻くらいになります。正直言って一番おもしろかったのはアニメ2期の終了するくらいのタイミングで、原作で言えば15巻くらいのところでそれ以降はだらだらと続いていってる感が否めません。だからほんと20巻を越えたあたりからは惰性で付き合ってる感じです。
そんな中2年前の2016年の3月、4月に実写映画として「ちはやふる 上の句」「ちはやふる 下の句」が公開されたのですが見に行きませんでした。どうせ原作は完結していないので。
そして今年の3月にその続編であり完結編の「ちはやふる−結び−」が公開されたというわけです。
最初は見に行く気はなかったのですが、株主優待が今期あと1本いけたのと、ちょうど公開に合わせて前作の映画を2週連続でTV放送するみたいだったのでそれを見てから映画を見に行くことにしたというわけです。

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「ちはやふる 上の句」
ちはやが端沢高校で競技かるた部を作り、部員を集め東京都大会の出場し東京代表になるまでを描いていて、まあほぼ原作通り。
原作初期の小学生編は回想シーンとして描かれています。映画の印象はうまく漫画を実写にした感じで好印象でした。
ちはやの広瀬すず、太一の野村周平なんかはまあいっちゃえば誰でもできるのですが、かなちゃんの上白石萌音がすばらしいと思いました。雰囲気がこんな感じだなあと。対して肉まん君と机くんは実写に落とし込むにしてもちょっとイメージが違っていました。机くんは眼鏡という記号があるのでいいのですが、肉まん君は君誰?と思いましたね。そしてヒョロ君の再現度は最高!國村隼の演じる原田先生はイメージは俳優の個性が立っててちょっと違うとは思いますがこれはこれでありかと。

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「ちはやふる 下の句」
こっちの方はまあ原作の流れがあるので仕方ないんですが、かるたをやめた新、クイーン若宮詩暢と出会ってそれにこだわってしまうちはやと鬱展開が続き、団体戦についてはほとんど描かれません。ふたたび結束を取り戻すものの団体戦は敗退、個人戦でちはやが詩暢に負け、その試合を見て新が再び立ち上がることになるという非常に後味の悪い終わり方になっています。ラストでエンディングの後でちはやと詩暢がクイーン戦を太一と新が名人戦を戦うような描写で締めくくってはいますがそれではねえ・・・
もし劇場へ見に行ってたらほんとがっかりしたでしょうね。ただ新役の新田真剣佑はすごく良いと思いました。見た目も雰囲気もすごく合っている。そして若宮詩暢役の松岡茉優もいい感じです。

ただ、この下の句の映画初日舞台挨拶の場で続編の製作がサプライズ発表されたらしいのでまあよかったかなと。
しかしその後原作はずっと続き、いまやっと3年生の大会のあとをダラダラとやっています。そんな原作がおよそ終わりそうにない状況下でどんな「結び」=完結編が描かれるんだろうと期待はしていませんでした。

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で、見てみるとこれが映画なりにうまく原作を再構成してまとめてあってちゃんと完結していてすごくおもしろかったです。
実際に2年の歳月が流れ原作は太一と新のちはやをめぐる三角関係に踏み込んだもののまったく終わる気配はないので演じている俳優の年齢を考えてもここで一度は終わらせる必要があると思ったんでしょうね、思い切った再構成を行いまとめにかかったのです。
まず、2年の部分を冒頭ですっ飛ばして3年からスタート。原作で1年後輩で競技かるた部に入部する花野菫、筑波秋博を2年後輩の部員として加えました。そして東京大会から全国大会への流れは原作の2年と3年の部分からうまくいいところを取ってうまく構成していました。そんな中で太一を受験という理由で休部させました。太一の抜けた状態で全国大会へ行く端沢。その前に立ちはだかるのが新が福井で作った藤岡東高校。
このあたりは原作でもちはやたちのチームを見てずっとひとりでかるたをしていた新が高校で部を作るというのはあるのですが、それをよりピックアップして新キャラを加えて決勝を争うような強豪校に設定し直しています。もともと私は「ちはやふる」の原作で好きなのは団体戦の部分だったのでこの改変はすごく良いと思いました。今回の映画はほんと団体戦を主体に置いてまとめていると思います。
一方、太一には部を離れて名人周防久志と出会い弟子のように付き従うという原作のエピソードを取り入れ、自分を見つめ直した上で決勝戦に戻ってくるという思い切った展開。ここでも原作で2年の時のかなが突き指をして出れなくというエピソードをうまくとりこんでいました。
そして決勝戦で太一は新と対戦します。そしてちはやと対戦する相手として映画オリジナルのキャラクター我妻伊織が設定されています。原作の新の幼馴染やいろんなキャラクターを合わせたような設定で新のことが昔から好きで彼女にしてくれと常に言っても「すきな子がおる」と拒否されるというのをずっと見せています。さらに昨年の準クイーンという強敵設定。
結果、千早は勝利し、太一がそれまでの運の悪さを克服して新に勝って端沢優勝という結末。そして三角関係については冒頭で新がちはやに「好きや」というシーンは描かれているのですが、まあ当たり前ですがどちらが優位ということもなく結局このまま続いていくという無難な描写でお茶をにごしています。
そしてエンディングの後に描かれるのは数年後に教師になって端沢高校競技かるた部を全国大会へ連れて行くちはやの姿という原作にもあるちはやが先生になろうと決心するエピソードをうまく拾って締めくくっていました。

とにかく公開時期と原作の進展のタイミングもあって私が好きじゃない三角関係や若宮詩暢との関係を描かずに原作の2年、3年をうまくまとめて団体戦を中心に大団円で完結させたおもしろい映画だったと思います。

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これは最初に配られたチラシです。そしてその後上の方に載せた2つ折りのチラシも配布されました。

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映画のパンフレットです。A5版・40Pと小さめで720円です。
原作の末次由紀さん、小泉監督、プロデューサーの対談がおもしろかったです。詩暢との対決を描くという選択肢もあった中でその部分を切り捨ててでも今回のような形になった経緯が述べられていて、それは私が思った通りでしたね。
あと、プロダクションノートを読んでいるといかにこの作品にキャストのみんなが感情移入して作り上げたかがよくわかりました。まさに青春が詰まったような映画だったわけですね。

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このような小冊子も公開前に配布されていました。

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私には一番興味のない部分がピックアップされていますね(笑)。熱心なファンにはやっぱこういうのが人気あるんでしょうねえ。





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