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2018年03月15日20:28

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朝日の報道犯罪・森友編その58

籠池側が財務省とどう交渉したかは想像に難くない。

国は、9億円もの国有地で、月200万円以上の賃料を取りながら、重大な瑕疵物件を民間人に押し付けたという話になる。瑕疵担保責任を巡る訴訟を検討せざるを得ない。そこを突いたに違いない。

それだけではない。財務省側としては、ただちに急がねば訴訟規模が更に大きくなる可能性が高かった。朝日新聞らマスコミが黙殺した3月6日の西田昌司の国会質疑から、財務省の答弁を聞いてみよう。

佐川理財局長:
先方が学校開設を急いでいる中で、国の責任において開校が遅れる、あるいは開設断念という事になりますれば、それは損害賠償としても、国としてですね、例えば工事の遅れに伴う追加費用など直接的なものもございましょう。それから開校の遅れによる様々な被害、あるいは生徒、父兄への対応など様々な損害賠償請求が考えられるところでございます。

この段階で二年後の開校を森友学園は目指していた。その土地が瑕疵物件だと訴えられ、訴訟が長引けば、開校に工事が間に合わなくなる。財務省としては瑕疵物件を貸与した上、開校にまで間に合わない責任まで取らされては敵わない。そこで瑕疵担保を除外し、格安にして売り切り、以後は訴訟などトラブルが一切発生しない形に可能な限り急ぎ持ち込むという方針を固めた訳だ。

そして、こうした財務省側の状況判断を見越して、籠池は3月24日、土地を貸借ではなく、一気に購入したいと申し出たのである。

財務局は大阪航空局にゴミ処理代の見積もりを依頼した。4月14日には大阪航空局により、ゴミ処理費用8億1900万円との算定結果が出た。

一方、土地鑑定は山本不動産鑑定士事務所に依頼し、土地価格は9億5600万円とされた。こうして鑑定価格からゴミ処理費用として見積もられた8億1900万円と撤去による損失を差し引いた1億3400万円が、新たな土地代金として算出される事になった。

6月20日、国に瑕疵担保責任なし、売り切りの1億3400万円で売買契約が締結されるに至ったのである。

籠池にすれば、瑕疵物件となったため、思いがけず購入可能な金額で払い下げられたという事になる。算定された8億円を全額負担しゴミ除去をしなければならない義務は籠池にはない。

この値段は、あくまでも杭打ちの全箇所で9.9メートルまで掘り下げて完全工事を実施すると仮定すれば8億円かかるというだけの話である。実際には8億円など掛けず、工事に差しつかえのない範囲でゴミ除去を施せば良い。

これは瑕疵物件における通常の一般的な処理に過ぎない。

瑕疵物件だと判明した以上、買主は、売主に対して瑕疵の可能性を最大限に見積もらせようとするのは当然の話である。今度、更に工事を進める中で、また新たに何が出て来るかわからないからである。事実、豊中市の給食センター用地として売却された同じ条件の土地では、ゴミ処理の実費はなんと14億円を越えていたのだ。

財務省が売り急ぎ、ゴミ処理代の算出を民間に任せず、いささか怪しい処理だったのは確かだが、8億円の算定が非合理だとは類推上言えないだろう。

未だに森友学園の土地はどうして8億もの値引きをされたか謎である、とテレビは言う。その事情は以上書いてきた通りであり、とどのつまり森友学園の小学校用地も豊中市が購入した公園用地も給食センター用地もどれもこれもがゴミだらけの不良品お荷物国有地だったという事だ。謎でもなんでもないのは一目瞭然だろう。

証人喚問で、籠池はこの突然の減額を「神風が吹いたんじゃないかと思った」と表現し、逆恨みの邪念を込めて、この減額に昭恵夫人の意向が働いたかのように演じて見せた。

まさに陰謀そのものだ。

だが、籠池から夫人への照会依頼は、平成27年10月26日に出され、昭恵付職員からの回答は11月17日だ。以前書いたように時期が全く異なるという時系列無視の陰謀論の上、瑕疵物件による訴訟を財務省が恐れ、売り急いだ事こそが「神風の正体」だったのである。

何故佐川理財局長は交渉記録がないと強弁して言い張っていたのか、この辺の事情に全て現れていると思う。つまり森友学園と杜撰な契約を財務省が行っていた事を表に出して、更なる批判と追及を受けるのを回避するため→財務省を守るためだったとしか考えようがないのだ。

確かに野党の追及の仕方は下劣極まりないし散々罵詈雑言を浴びせかけてくるだけななのでその心情は分からなくもないが、今の状況を鑑みると、文書を書き換えてまでつじつまを合わせる→(政府ぐるみで隠蔽工作をしたとの格好の攻撃燃料を野党に与えてしまった)のは流石にやりすぎで、やはりあの時は更なる批判を受けてでも真摯な答弁に徹しておくべきだったのもまた確かな話ではある。

ちなみに、大幅な減額が決まる直前の4月6日には、森友学園が立て替えていた当初の深さ3メートルまでのゴミ除去代1億3100万円が大阪航空局から森友学園に返還されている。

貸与と着工にこぎつけたはいいが、8億円の物件の定借に悩まされていた籠池にとって、1億3400万円での買い取りとゴミ処理費用の入金が丁度重なったこの事は、余程の幸運を籠池に感じさせたであろう。

神風は確かに吹いた。

それは昭恵夫人によるものではなく、工事着工によって地下9.9メートルの地底から吹き上げてきた。しかし同時に、その風は籠池にとり地獄の釜の蓋を開く風でもあったのかも知れない………。

その59へつづく。
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