mixiユーザー(id:9890441)

2018年03月14日13:46

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イン・シザークの発端 1

ドレスに身を包んだ女性は酒を注いでくれる。

「あなたのお名前は?」

「私ですか?光とでもお呼びください」

「トライシケル殿は?」

「まだ、お帰りになられるまでお時間が掛かると思われますが、
 お急ぎになられていると聞いております。
 お酒でもお飲みになって御寛ぎになられてください」

葡萄の風味を感じる酒だった。
女性は何回か居て三回目であろうか。
綺麗な短髪で背が短めだ。
まだ、此処は十回には至っておらず、
留守人はその時々違うが大抵は夜の女達が多い。

「お待たせしましたな、魔法守護者殿」

扉から、ごついとも言える男が入ってくる。
筋肉粒々と言う言葉がしっかり当てはまる事だろう。

「滅相もない。幸いにも殿下と接触を赦して頂いているに過ぎません」

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