マスコミによる安倍、昭恵叩きが容赦なく続く中、籠池個人は破局に向かって追い詰められつつあった。
大阪地検特捜部は、3/29、籠池が国の補助金を不正に受給していた疑いがあるとする補助金適正化法違反容疑での告発を受理した。
籠池についてはこの後も、補助金の不正受給が断続的に報じられた。
4/8には航空局に対して、汚染除去費を2000万円水増しして請求した詐欺容疑が指摘された。
4/14には、籠池が経営する塚本幼稚園の元園児の健康診断書が改竄されていた疑いも明らかになる。障害などのために配慮が必要な園児に対して割り当てられる補助金があり、平成27年度にはこの補助金が森友学園に576万円支給されていたが、森友学園は診断書を改竄して水増し請求をしていたというのである。
一方、4/3までに籠池宅や塚本幼稚園の土地建物などが、仮差し押さえ処分となる。その上で、小学校の施工業者である藤原工業は、5日、工費のうち約4億円が未払いだとして、学園側に支払いを求める訴訟を起こした。
藤原浩一社長は訴訟後の記者会見で「校名は安倍晋三記念小学校と聞いていた。公共事業並みの信用度だった」と振り返った。
当然だろう。
学校名に冠するとなれば、単なる使用許可を超えた意味が付与される。安倍と籠池の間に、理念と経営の共同体という程の磐石の一体感があったとさえ藤原が受け取ってもおかしくはない。学校法人と政治家には深い関係のある場合がある。大隈重信→早稲田大学、西園寺公望→立命館大学、松前重義→東海大学などが著名だが、現役でも世耕弘成→近畿大学、船田元→作新学院などが思い浮かぶ。
当初、安倍の名前を冠とした小学校計画を聞かされた藤原が「公共事業並みの信用度だった」と感じたのも無理はない。
そしてついに、4/21、学校法人森友学園は大阪地検に民事再生法の適用を申請したと発表した。小学校の開設断念で資金繰りが悪化し、負債総額は少なくとも16億円に上ることになった。
神道の理念をもつ小学校の創業ーー夢が破れただけではない。
籠池は、信用と名誉の全てを失ったのだ。
一応は自業自得と言える。
補助金の不正受給はあまりにも日本社会の経営倫理とかけ離れている。そんな事で小金を捻出しながら、資金繰り困難なまま事業化に突っ走ったのは、関係者全てへの背信でしかない。
だが、問題の発端だった筈の国有地取得そのものには不正や違法行為はなかった。
なぜ籠池はこうまで焼きつくされ、自らも燃え尽きねばならなかったのか。
保守の理念ー安倍シンパー日本会議人脈、そうした思想叩きとしての森友問題の「原点」を思い出してみよう。
朝日新聞に、最初、国有地払い下げの疑惑を持ち込んだ豊中市議会議員木村真は、平成29年3月12日、福島瑞穂との対談で次のように本音を暴露している。(福島とともに「瑞穂の国記念小学院」建設現場の前でFacebook上に公開した動画より)
木村:
ハッキリ言ったらまあ、極右の学校ってわかってましたので、市民としてはやっぱりそんな学校できてほしくないと思ってました。
福島:
そうですねー。
木村:
なおかつ、安倍昭恵さんであるとか日本会議であるとかの背景もわかっていたので、おそらく土地取得に関してね、なんか胡散臭いことやってるんちゃうか?みたいな。それはハッキリと最初から思っていたので。
福島:
でも、その勘はとても正しかった訳ですね!
木村:
まあ、潰したかっただけなんですけどね。
福島:
いやいやいや、そんな事言ったら叩かれる。正直な人だね。
市議を名乗る破壊主義者の思惑に、朝日新聞が乗り、中途から自ら主導して煽動し続け、テレビが全局でもって盲従し続けた。
一犬虚に吠えれば、万犬実を伝うーー。
ごく少数の人間が仕掛け、煽動し続けたイデオロギーを巡る巨大な破壊衝動の歯車に、籠池家は巻き込まれ、ひしがれたのだ……。
右翼的な小学校を作らせたくない。
安倍政権さえ倒せれば事の真偽は問わない。
こんなエゴイズムで。
こんなインチキを力ずくでまかり通して。
何とも、ひどい話である。
何とも、むごい話である。
その47へつづく。
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